#生物学
木漏れ日の一筋射してあまどころ 一月前に、庭の野草の芽を紹介したが、それらは皆しっかり咲いて、既に花を終えて、夏の栄養吸収の季節に入りつつある。 春の花たちは、振り向きもせず通り過ぎていく。人間の一生も同じなのかもしれない。 以下は、みんな似…
野の花や清明の雨やわらかに ジュウニヒトエ(シソ科) 庭の隅にあったものが、ゆっくりだが着実に地保を固めて増えている。春に花茎を立て鈴なりに紫色の花をつける。その立ち上がった姿がいい。 ただし写真の花は、どうやら園芸種のアジュガで西洋ジュウニ…
いつ知らず待つ花となる木五倍子(キブシ)かな (キブシ) 今年は桜が記録的に早い。ソメイヨシノだけでなく、山桜も早かった。2,3か所に見に行ったが、気のせいか今年は桜が特に美しいきがする。 山里などに、入りこむと人知れずいい桜が咲いていること…
庭十坪 木の芽草の芽ビッグバン (ヒトリシズカ:センリョウ科 やっと上がってきました) じっさい、芽というものは、葉や花とおなじぐらい奇妙で、千差万別だ。あたらしい相違点を見つけていたら際限がないだろう。しかし、それを見つけようと思ったら、ほ…
啓蟄や蚯蚓ぬくぬく土を喰う 今日は啓蟄。24節気の一つで、虫が穴から出てくるという意味だという。いよいよ賑やかになる。自然界は上手くできていて、虫たちは草の芽生えに合わせて姿を現す。そうして緑をバリバリ食って成長する。草もまた受粉などを虫に…
信州のしょんべん小僧や土匂う (フラサバソウ :オオバコ科) 日向は土が温まって、草の芽が一斉に芽吹き始めた。せまい十坪の庭も徐々に草に覆われていく。その上に、馬酔木と椿がほころんで贅沢に落ちている。 このところ毎日、何度も何度も草の芽を視に…
梅の香に芭蕉も蕪村も子規も居り 雌蕊だけは枝に残すや落ち椿 花房の風に馬酔木や香を少し
節分草ユーゲント・シュティールの色を咲き (これは昨年の花 今年はまだ小さいツボミ) 今年の節分は2月3日ではなく2日で、これは124年ぶりだという。従って立春が3日になる。ようやく春だ。 我が家の鉢植えの節分草が、やっぱり暦に合わせて咲き始めた。…
メジロ二羽餌台に遊ぶ春新居 (ヒヨに追われて、木の上に) 庭にエサ台を作ってしばらく経つが、常連はメジロのつがいだけ。ヒヨドリはうるさいので、追い払ってしまう。ハトはエサ台に乗らないで下をうろうろ。スズメは近くにいるが、来ない。他の野鳥は、…
庭十坪鶏糞二袋寒の肥 句のとおり私は毎年この時期、庭木に鶏糞を二袋ほどこす。あちこちに穴を掘って適当に埋め込むだけだが、これを年中行事としてやっている。 この時季に春に備えて樹木や果樹などに肥料を施すことを「寒肥」といい、俳句では季語に定着…
逝く人は白鳥を追うがごとくに この温暖な静岡の地にも、白鳥が飛来した。噂は一週間ほど前から流れていて、私も探して歩いたが、見つけることができず気にかかっていたのだった。 「いま、白鳥が見られるよ!」と散歩中の家内から携帯が入ったので、慌てて…
垂乳根に祈る夫婦や銀杏散る (黒俣の大イチョウ) イチョウの黄葉は本当に美しい。今年はぜひいい風景を見たいと思って今日まで4か所回ったのだが、1勝3敗だった。 まずは3敗だが、1敗は、富士宮市西山本門寺の境内に立つ三本の銀杏。老大樹という訳ではな…
鮎人や瀬なぞりソーシャルディスタンス アユ釣りをしている太公望たちを見ると、同間隔をとって見事に規則正しく並んでいる。自然にそうなるのだろうが、これは全くソーシャルディスタンスを律儀にとっている風景に見える。長閑である。そこで駄句とあいなる…
アケビ熟れてひねもす鳥待つ日和かな 小春日和をのんびり山道を歩くのは楽しい。 コロナ感染がまた大きな波がきている中で、次第に町への足も遠のく。近くの量販店やDIYへもしばらくご無沙汰。出かけるのは、もっぱら田舎の野菜売り場と農協の野菜売り場。新…
真夜中も真っ朱に眠るやカラスウリ この季節、野草の花を見ながら歩いていると、つる性のものが多い気がする。ほとんどマメ科かもしれない。葛は終わって、眼につくのはヤブマメ、ヤブツルアズキ、タンキリマメ?など。これらは後日アップしたい。そうそう、…
ゆうるりと黄蝶はつるむ萩の花 萩が咲きこぼれている。白い萩は派手で大株になるのでコントロールしているが、紫の萩は背は伸びず、這う感じで上に揚がってこない、地味だが花はきれいだ。いずれも秋に庭をにぎやかにしてくれる。 それを一層にぎやかしてく…
花愛ずる人もあるらし験の証拠 「現の証拠」とかいて、薬草の効果がすぐに出てくることからつけられた名前だという。名前のインパクトはヘクソカズラ、ママコノシリヌグイといい勝負だ。ただし「現」ではなくて「験」だという人もいる。私は、かつて修験者が…
甲斐駒の巓(いただき)白し男郎花 (成長した男郎花) 先日、山ならいくぶん涼しいだろうと期待していったが、やっぱりひどい暑さだった。しかも今年は虻が多く、さわやかな高原のイメージとは程遠い。 この時季、花は少ない感じだが、それでもオトコエシがたく…
尾根道やキツネノカミソリ分けて往く キツネノカミソリという花に出会えた。 処暑になって涼風が吹き、雨が降り、ようやく熱帯夜から解放されて心底ホッとする。現金なもので、気温が数度下がるだけで、戸外で動きたくなる。で、近くの標高700mほどの市民の…
蜂の巣や小さき匠の腕たしか クーラーの外扇機の上に、いつの間にか、小さいトックリ壺が置かれていた。まるでおとぎ話のようだ。形はしっかり整えられているし、素焼きっぽい肌合いも面白い。大きさは1.5㎝くらい。しっかりくっついている。 実はこれ、ハチ…
蜂騒ぐ秋のリストラ始まりて アシナガ蜂が廂に2つ巣を作っている。互いに1mほどしか離れていないので戦争を起こさいないものかと、興味をもっていたのだが、先日片方の巣に蜂が飛んでいないことに気が付いた。よく見ると小さい蟻が下から上がってきて黒だか…
山の湯へ道狭まりて岩煙草 岩たばこが咲いてくれた。 この春早く、小さな滝へ向かう沢の岩壁から、一株頂いてきたものだ。軽石の鉢に入れて受け皿の水を絶やさないよう、そして日が当たらないように覆いをしておいただけだが、思ったよりも繁殖力が強く、葉…
君知るや何れツルボかヤブランか ヤブラン コロナに追い打ちをかけて異常な長雨。心も体もカビが生えてしまいそうだ。梅雨明けは8月になりそうだとニュースから聞こえてくる。 雨の合間を縫って、堤防散策。 鬼百合は終わり。ヤブカンゾウも終わって、ノカ…
長雨の間にイモムシの太りけり ようやく雨が上がったので庭に出てみると、馬酔木の下に大きな虫のふんがたくさん落ちている。注意して探すと、巨大な奴がおいでになった。10センチ近くある。。この大きさのものは暫くお目にかかっていない。気色が悪いからじ…
ハマゴウに雨来る浜や海冥(くら)し ハマゴウがそろそろ咲いているだろうか、と焼津の石津浜に行ってみた。ハマゴウはシソ科の植物。この砂浜に広く繁茂していて、夏の花の時季には爽やかな青紫が一面に広がる。というらしいが、私は意識してみるのは初めて…
音も無き木下闇や蝶の径 山道を歩いていたら、おや!何か鮮やかな紫色の小さいものがある。 蝶だった。 シジミ蝶のようだ。羽を展げたままじっとしている。あまり警戒心はない。それにしても鮮明な紫色で、しばしみとれてしまった。 だが、よく見るシジミチ…
晩冬に山歩きしていて沢の日影から採取してきた、変哲もない草。冬だが葉がしっかり付いていた。 何かランの一種だろうと思い、ジガバチソウとかスズムソウのような奇天烈な花を期待して待っていた。最近やっと花をつけ、結果は「コクラン」という地味なもの…
脚を浸す瀬は緩やかにチシャの花 (カワヂシャじゃなかったけど) 蒸し暑さを逃れて、あまり行かない小川の脇道をウォーキングコースに選んだ。 歩きはじめると、水際に水色の花が一面に咲いているのを見つけた。カワヂシャの群生かな?と思ったが少し違う。…
短夜やわれは夢見る石の夢 先日友人が、写真の6,7㎝の石を「これ、要る?」とよこした。安倍川の鉄丸石だと言うが、些か訝しい。外側を剥いで、磨けばいい物になるというので、後日金づちで少しづつ叩くとボロボロと土のように剥がれ崩れていく。一部に硬い…
大方の花は眠らず春の宵 いつもの堤防を歩いていて、ふと黄色い小さい花が目に留まった。雑草ハンターの私の脳の図鑑にまだ載っていない花だ。なんだろう? 見渡すと周辺に数株が確認できた。 調べると、クスダマツメクサかと思われる。ツメクサだから、マメ…