野草

野草の小さい花

草萌ゆる一丁前面小さき花 (くさもゆる いっちょまえづら ちさきはな) 普段は気にもしにない雑草の小さい花たちが、やはり芽吹きのこの時期は、特別に可愛く感じられる。 枕草子に 「うつくしきもの。瓜にかきたるちごの顔。すずめの子の、ねず鳴きするに…

ものの芽 3枚

ものの芽や赤子のちんちんつまみたし これはチューリップ 玉が小さいので、今年は咲くかどうか? これはバイモユリ これが一番早く咲きそう これはムサシアブミ まだ冷えるのにこんなに芽を伸ばして大丈夫か?

秋の些事(1)ムカゴ

ささやかな日々や零余子の粒ほどの 庭木を這っていたヤマイモの葉が、日増しに黄色くなってきた。 この蔓には夏ごろから気が付いていたが、敢えて取り去ることもないだろうと思ってみていたものだ。 先日、ムカゴがあるかなと近寄ってみたら、思いのほかたく…

サクラタデと腋臭(ワキガ)

サクラタデ砂糖細工をそと咲きぬ 近くの湿地に、サクラタデが咲いている。 湿地を保全する会の方々が、葦でぼうぼうな湿地を整備して、きれいなサクラタデの花園にしてくれたのだという。群生している風景はなかなかなものだ。 (白い絨毯だ) サクラタデは…

ミョウガの花とハナミョウガ

こぼれ出た茗荷の花や小さき声 空が澄んできて秋の気配がし始めると、茗荷が花をつける。地面近くに文字通りひっそりとである。 裏の半日陰に生えている茗荷は、株数で20本ほどだろうが、今年もたくさん花をつけた。葉陰の暗がりに、一見タケノコのように…

秋の白さ

細径や花も色なき風の中 (イタドリ) 秋は白で白秋、春は青で青春、そして朱夏、玄冬。これは中国の故事を取り込んだもの。北原白秋の名ももここから来ている。 何故秋は白なのか、というのも愚問だが、そう思ってみれば秋は確かに白かもしれない。紅葉の鮮…

アフリカフウチョウソウと「ふじのくに地球環境史ミュージアム」

のっけには全員名はなし草の花 田んぼの水路わきで、見慣れない花を見つけた。 実はそれは一年前のこと。その時、図鑑やネットでいろいろ調べてみたが、分からずじまいで断念。以来気にかかっていた。先日そこを通りかかった折に改めて草むらを歩くと、ちゃ…

ノカンゾウに夢中

ウマオイも花に眠るや真昼時 今年は庭のノカンゾウがとても元気で、次々と大きな花を咲かせてくれる。花の色は個体によって、黄色っぽいものから、朱色っぽいものまで微妙に違っていて、庭の花は黄色っぽい部類か。 と思ってみていると、その一つに緑の虫が…

堤防にも秋の花

声あらば何を語るや草の花 大雨がようやく収まったので、久しぶりの堤防漫歩。 この夏も、猛暑だ、オリンピックだ、コロナ警戒宣言だ、土砂崩れ、アフガンだと言っているうちに8月も下旬。なんだか時間が全く自分のものでなくなってしまって、モモじゃない…

ウマノスズクサと馬鈴薯

小用を足さんとすれば葛葎 野原は油照りだが、次第に秋の気配も見せ始めた。この時期に一番目立つのはつる植物。クズやカナムグラ、イシミカワ、ヤブガラシなどが各々自分がたくさん日を浴びようと、絡み合いながら、野原をのたうち回っている。甲斐信枝さん…

ユリと子規

鬼百合やうつむいたまま裾まくり 風で折れちゃったけど、活ける? お隣さんが、カサブランカを一茎持ってきてくれた。大きなツボミが2つついている。二三日後、二つとも大きな花を開いてくれた。夜は家中を香りでいっぱいにしてくれる。 我が家の庭のカサブ…

キキョウへの想い

寂しさの風船割れて桔梗咲き 庭のキキョウがさいた。咲く前のツボミがふくらんでくるのも楽しかった。地植えのものが、ヨトウにやられてしまったので、この春苗を買ったものだが、鉢でしっかり花をつけてくれた。 私にとって、青いキキョウは盆花であって、…

ネジバナ・モジズリ・ヒダリマキ

ネジバナや父祖伝来の左巻き 別名で、ヒダリマキとも言われるらしい。ただし左巻きと右巻きといっても、花茎の上から見た場合と下から見た場合は逆になるので、右左の定義はあいまいなのだそうだ。しかも逆巻きのものが結構みうけられる。写真の左から2本目…

クジャクサボテン咲き出す

花咲いて孔雀仙人掌お披露目に この時季、後ろの方にある鉢を玄関先に出して花を披露する。 今年は花のつきが良くて、花芽を数えたら12ある。今日は4つ目が咲き始め、最初の花は萎れたので切り取った。残りは順番を待っている。この花は2日ほどもつので…

ホタルブクロと池田澄子さんの句

ホタルブクロや蜂の出入りこそばゆく 雨上がりの庭を見たら、ホタルブクロが一斉に咲いているのに気が付いた。そういえば二三日、庭を見ていなかった。ホタルブクロは椿の木の下で、茎を少し横に寝せて、白い袋を沢山吊り下げている。その白さに、思わず夏の…

三保の松原にハマボウフウが咲く

三保の浜富士見えぬ日や浜防風 俳句の友人らと、清水の三保海岸へハマボウフウを見にいった。 三保の松原は世界遺産なので、人出を心配して平日を選んだら、観光客はほとんどいなかった。「みほしるべ」という世界遺産案内所ができ、駐車場も整備され、浜の…

アマドコロの仲間たち5種の競演

木漏れ日の一筋射してあまどころ 一月前に、庭の野草の芽を紹介したが、それらは皆しっかり咲いて、既に花を終えて、夏の栄養吸収の季節に入りつつある。 春の花たちは、振り向きもせず通り過ぎていく。人間の一生も同じなのかもしれない。 以下は、みんな似…

紫色の野草を4つ

野の花や清明の雨やわらかに ジュウニヒトエ(シソ科) 庭の隅にあったものが、ゆっくりだが着実に地保を固めて増えている。春に花茎を立て鈴なりに紫色の花をつける。その立ち上がった姿がいい。 ただし写真の花は、どうやら園芸種のアジュガで西洋ジュウニ…

キブシやダンコウバイなど春の山花

いつ知らず待つ花となる木五倍子(キブシ)かな (キブシ) 今年は桜が記録的に早い。ソメイヨシノだけでなく、山桜も早かった。2,3か所に見に行ったが、気のせいか今年は桜が特に美しいきがする。 山里などに、入りこむと人知れずいい桜が咲いていること…

草の芽 ビッグバン

庭十坪 木の芽草の芽ビッグバン (ヒトリシズカ:センリョウ科 やっと上がってきました) じっさい、芽というものは、葉や花とおなじぐらい奇妙で、千差万別だ。あたらしい相違点を見つけていたら際限がないだろう。しかし、それを見つけようと思ったら、ほ…

啓蟄の日の芽ぶき

啓蟄や蚯蚓ぬくぬく土を喰う 今日は啓蟄。24節気の一つで、虫が穴から出てくるという意味だという。いよいよ賑やかになる。自然界は上手くできていて、虫たちは草の芽生えに合わせて姿を現す。そうして緑をバリバリ食って成長する。草もまた受粉などを虫に…

セツブンソウと気象庁の生物季節観測

節分草ユーゲント・シュティールの色を咲き (これは昨年の花 今年はまだ小さいツボミ) 今年の節分は2月3日ではなく2日で、これは124年ぶりだという。従って立春が3日になる。ようやく春だ。 我が家の鉢植えの節分草が、やっぱり暦に合わせて咲き始めた。…