今年も節分草がきてくれました

 

三寒あれど四温なき日々セツブンソウ
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ちょっと乙女風にいえば、
2月の風が吹き始める頃、必ず来てくれる私の小さな妖精。
この律儀さ、このつつましさ。
けれど侮ってはいけない。

植物学者はいう。
白い花びらは、本当はガク。
花びらを、黄色い蜜腺に変えてしまった。
彼女らのほうが我々人間よりもずっと賢く自然に対応し、
長い命を保ってきたのだ。

・・・それにしても、虫媒花のようだがこの時季、虫は来てくれるのだろうか。まあ私が心配することはない。彼女らは極めて聡明だから、対策は織り込み済みなのだろう。

(この花を見ていると、ガラにもなく猫撫で声の乙女詩人のようになってしまう)

ところで今年の節分は2月3日だった。この日は旧暦では12月18日になる。だから立春は年明け前に来たことになる。立春、即ち新しい年が12月中にきてしまったというわけだ。

古今和歌集でいうところの、
年のうちに 春は來にけり 一年(ひととせ)を去年(こぞ)とやいはむ 今年とやいはむ
という状態である。(たしか子規はこの歌をけなしていた。)

節分・立春は旧暦でいうと、12月半ばから1月の半ばくらいの間にあるから、この時季に咲くセツブンソウは、新年(新春)の花だったかもしれない。今でいう福寿草のような受け止め方をされていたのだろうか。
このあたりはちょっと調べないとなんともいえない。