丹波焼立杭(シリーズ風景の中へ3)

城崎で泊まった旅館は建物は古かったが趣味がよく落ち着いて好感がもてた。部屋の床の間には壺が何気なくおかれていて、実にいい感じであった。全く知らなかったのだが、これが「朝倉山椒壺」というものだった。質実剛健で存在感があり一遍に丹波焼が好きになってしまった。江戸時代にこの地名産の山椒を将軍家に献上するために作られたというもので、多くは六角らしい。
(写真をとるのを忘れてしまったので、図鑑から借用させていただいた。下のような壺です)
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丹波がたくさん見れる篠山の丹波古陶館を、素通りするという愚挙をして、立杭集落に行き、県立の陶芸美術館をみ、陶の郷では窯元の製品がたくさん揃っているのでながながと品定めをした。集落に入って数軒の窯元さんを冷やかして回ったのだが、土間に江戸時代の直径1mもありそうな大壺がごろごろおかれていたりするのをみると、参ったな、としか言えない。
通りを歩いていると50mの登り窯に出くわした。現役だそうだ。
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陶の郷で目をつけた窯元にでかけ、いろいろ話を伺って小ぶりで使い勝手のよさそうな焼き締めの皿と片口を勉強してもらって買った。店にも山椒壺があり「叩いて六角にするんで難しい」などと内輪話を伺って楽しかった。いまは、薪で焼いて作るの窯元は、立杭でも少なくなってきているらしい。
しかし、やっぱり薪窯の製品は大地の力を感じさせ、人の心を捕まえてはなさい。