2020-01-01から1年間の記事一覧

まずメジロが来て

わが庭の淋しき極み小鳥来よ 年の瀬になった。庭の草もほとんど枯れて、寂しい限り。寒菊が少しばかり咲いているが、それも勢いがなくなった。 余り殺風景なので、板と棒を適当にうちつけて、小鳥のエサ台を作った。 ミカンを置くと、すぐ来てくれたのがメジ…

白鳥飛来する

逝く人は白鳥を追うがごとくに この温暖な静岡の地にも、白鳥が飛来した。噂は一週間ほど前から流れていて、私も探して歩いたが、見つけることができず気にかかっていたのだった。 「いま、白鳥が見られるよ!」と散歩中の家内から携帯が入ったので、慌てて…

アルビノーニのアダージョは現代曲だった

礼拝堂足踏みオルガン蔦紅葉 AOIのオルガン 静岡駅前にある音楽ホール「AOI」には、立派なパイプオルガンがある。ホールによれば、フランスのアルフレッド・ケルン社の製造で、41ストップ、パイプ総本数2,868本で、手鍵盤3段と足鍵盤を備えており、バロッ…

ストーブの芯替え

ストーブの芯替えたりしてる師走かな 石油ストーブの芯が短くなり動きが悪いので、芯を買って自分で取り替えてみた。エアコンも石油ファンヒーターも出番を待っているのだが、どうもこの反射型が気に入っている。火の暖かさを実感できるうえ、やかんで湯がす…

銀杏の黄葉を見たいとアチコチ

垂乳根に祈る夫婦や銀杏散る (黒俣の大イチョウ) イチョウの黄葉は本当に美しい。今年はぜひいい風景を見たいと思って今日まで4か所回ったのだが、1勝3敗だった。 まずは3敗だが、1敗は、富士宮市西山本門寺の境内に立つ三本の銀杏。老大樹という訳ではな…

落ちアユ?錆びアユ?

鮎人や瀬なぞりソーシャルディスタンス アユ釣りをしている太公望たちを見ると、同間隔をとって見事に規則正しく並んでいる。自然にそうなるのだろうが、これは全くソーシャルディスタンスを律儀にとっている風景に見える。長閑である。そこで駄句とあいなる…

アケビ日和り

アケビ熟れてひねもす鳥待つ日和かな 小春日和をのんびり山道を歩くのは楽しい。 コロナ感染がまた大きな波がきている中で、次第に町への足も遠のく。近くの量販店やDIYへもしばらくご無沙汰。出かけるのは、もっぱら田舎の野菜売り場と農協の野菜売り場。新…

紅葉の朝霧高原を歩く

草紅葉富士を背負ってウォーキング 秋の一日、友人と2人で富士山の西麓に広がる朝霧高原を歩いた。麓という部落から田貫湖までの約7.5キロ、実歩行時間3時間。このルートは東海自然歩道にもなっていて、牧場の横の林を抜け、平和そうな長閑な集落をとおり、…

富士山とピンクのジェット機

秋の空ピンクのジェットでテイクオフ (FDAの小型のジェット機。カラフルな色の機がそろっている。 右奥にうっすらと富士山) 富士山静岡空港からは、名前の通り富士山がよく見える。展望で離発着を見ていると、ジェット機が白い富士山を横切って急上昇して…

カキを干す、醂(さわ)す

干す醂(さわ)す渋柿相手にひと日暮れ この時季はカキが美味い。 句に書いたとおり、渋柿を買ってきて一部は干し柿にした。といっても今年は20個くらいだから、季節を感じるためにカキを吊るしているという程度の量である。カキは秋の日を浴びて萎み、徐々…

小島陣屋跡を見にいく

鵙猛る古城虎口の石垣に (陣屋には珍しいという 枡形虎口(ますがたこぐち) 陣屋はこの上部にある。) ( 虎口とは小口とも書き入口のこと、枡形により進路が鍵の手のように屈曲している) 天気がいいのでぶらぶらと、小島陣屋跡を訪ねた。 清水区興津の海…

カラスウリとスズメウリ (ウリ科)

真夜中も真っ朱に眠るやカラスウリ この季節、野草の花を見ながら歩いていると、つる性のものが多い気がする。ほとんどマメ科かもしれない。葛は終わって、眼につくのはヤブマメ、ヤブツルアズキ、タンキリマメ?など。これらは後日アップしたい。そうそう、…

ヌスビトハギとアレチヌスビトハギの違い (マメ科)

近道やぬすびと萩も草虱も アレチヌスビトハギ 静岡市で道路わきなどで目にするのは、ほとんど荒れ地ヌスビトハギだ。これは1965年に初めて確認された外来種で、出身地は不明とのこと。*1 花盛りは結構きれいだが、やがてぼうぼうになりくっ付く種をたくさ…

萩にキチョウ

ゆうるりと黄蝶はつるむ萩の花 萩が咲きこぼれている。白い萩は派手で大株になるのでコントロールしているが、紫の萩は背は伸びず、這う感じで上に揚がってこない、地味だが花はきれいだ。いずれも秋に庭をにぎやかにしてくれる。 それを一層にぎやかしてく…

子規忌また来て

この愚にも静かに偲ぶ子規忌あり (最近の鶏頭は優しい、優しすぎるくらい) 子規の命日は9月19日。明治35年、その年の柿を食うことなく壮絶な生涯を閉じた。この時季多くの人が子規を偲んでいるに違いない。子規を思いだすことは、きっと誰にとっても心に力…

ゲンノショウコ(験の証拠) フウロソウ科

花愛ずる人もあるらし験の証拠 「現の証拠」とかいて、薬草の効果がすぐに出てくることからつけられた名前だという。名前のインパクトはヘクソカズラ、ママコノシリヌグイといい勝負だ。ただし「現」ではなくて「験」だという人もいる。私は、かつて修験者が…

男郎花と女郎花 (オミナエシ科)

甲斐駒の巓(いただき)白し男郎花 (成長した男郎花) 先日、山ならいくぶん涼しいだろうと期待していったが、やっぱりひどい暑さだった。しかも今年は虻が多く、さわやかな高原のイメージとは程遠い。 この時季、花は少ない感じだが、それでもオトコエシがたく…

色鮮やかなキツネノカミソリ (ヒガンバナ科)

尾根道やキツネノカミソリ分けて往く キツネノカミソリという花に出会えた。 処暑になって涼風が吹き、雨が降り、ようやく熱帯夜から解放されて心底ホッとする。現金なもので、気温が数度下がるだけで、戸外で動きたくなる。で、近くの標高700mほどの市民の…

藤村「夜明け前」やっと終わって

夏籠る長編小説傍らに 島崎藤村の「夜明け前」をようやく読み終えた。岩波文庫で4冊ある。コロナと猛暑対策としては、いい選択だった。この本は興にのって一気読みする類のものではないので、今日は10ページ、明日は30ページ、というように日々のルーチンと…

蜂は小さな芸術家(トックリや壺の形の巣)

蜂の巣や小さき匠の腕たしか クーラーの外扇機の上に、いつの間にか、小さいトックリ壺が置かれていた。まるでおとぎ話のようだ。形はしっかり整えられているし、素焼きっぽい肌合いも面白い。大きさは1.5㎝くらい。しっかりくっついている。 実はこれ、ハチ…

異常な夏 蜂の巣

蜂騒ぐ秋のリストラ始まりて アシナガ蜂が廂に2つ巣を作っている。互いに1mほどしか離れていないので戦争を起こさいないものかと、興味をもっていたのだが、先日片方の巣に蜂が飛んでいないことに気が付いた。よく見ると小さい蟻が下から上がってきて黒だか…

岩たばこ 咲き始め (イワタバコ科)

山の湯へ道狭まりて岩煙草 岩たばこが咲いてくれた。 この春早く、小さな滝へ向かう沢の岩壁から、一株頂いてきたものだ。軽石の鉢に入れて受け皿の水を絶やさないよう、そして日が当たらないように覆いをしておいただけだが、思ったよりも繁殖力が強く、葉…

ヤブランとツルボ(ユリ科)

君知るや何れツルボかヤブランか ヤブラン コロナに追い打ちをかけて異常な長雨。心も体もカビが生えてしまいそうだ。梅雨明けは8月になりそうだとニュースから聞こえてくる。 雨の合間を縫って、堤防散策。 鬼百合は終わり。ヤブカンゾウも終わって、ノカ…

オオミズアオという蛾の幼虫 

長雨の間にイモムシの太りけり ようやく雨が上がったので庭に出てみると、馬酔木の下に大きな虫のふんがたくさん落ちている。注意して探すと、巨大な奴がおいでになった。10センチ近くある。。この大きさのものは暫くお目にかかっていない。気色が悪いからじ…

ハマゴウ咲く・・・小泉八雲の焼津の浜

ハマゴウに雨来る浜や海冥(くら)し ハマゴウがそろそろ咲いているだろうか、と焼津の石津浜に行ってみた。ハマゴウはシソ科の植物。この砂浜に広く繁茂していて、夏の花の時季には爽やかな青紫が一面に広がる。というらしいが、私は意識してみるのは初めて…

ムラサキシジミ?など、蝶いろいろ

音も無き木下闇や蝶の径 山道を歩いていたら、おや!何か鮮やかな紫色の小さいものがある。 蝶だった。 シジミ蝶のようだ。羽を展げたままじっとしている。あまり警戒心はない。それにしても鮮明な紫色で、しばしみとれてしまった。 だが、よく見るシジミチ…

これもランです (コクラン、ネジバナ)

晩冬に山歩きしていて沢の日影から採取してきた、変哲もない草。冬だが葉がしっかり付いていた。 何かランの一種だろうと思い、ジガバチソウとかスズムソウのような奇天烈な花を期待して待っていた。最近やっと花をつけ、結果は「コクラン」という地味なもの…

こまい(氷下魚)は叩いて食べる?

磯近く僅か家あり氷下魚干す 厚岸の霧多布から電話が来た。 「こまい(氷下魚)送ろうか?干物だ。こっちの酒のつまみだよ。 「ただし、本当に硬いよ!金槌でたたいて柔らかくして、尻尾のほうから皮をむいて・・・ 「??・・・面白そうだね。送ってくれる…

聖一国師の峠道・・・ティーロードを歩く

(奥の山並みが今回越えた尾根筋。中央の突き出たのが突先山1022mになる、釜石峠は右端あたり) ティーロードなどというハイキングコースの紹介があったので、E君S君と3人で5月の末に歩いてみた。 コースは静岡市の山間部、藁科川上流の栃沢から足久保川上…

ミズタビラコだろうか?(ムラサキ科)

脚を浸す瀬は緩やかにチシャの花 (カワヂシャじゃなかったけど) 蒸し暑さを逃れて、あまり行かない小川の脇道をウォーキングコースに選んだ。 歩きはじめると、水際に水色の花が一面に咲いているのを見つけた。カワヂシャの群生かな?と思ったが少し違う。…