2018-03-01から1ヶ月間の記事一覧

浦島草は何を釣るのか

なに釣るや浦島草の糸黒し 浦島草を図鑑では知っていたが、見たことがなかった。 そう簡単には目にすることができないだろうと思っていたのだが、なんと近くの林で数株群生しているのに気が付いた。時折通る場所であり、その葉も何度か目にしていたのだが、…

センボンヤリの風変わりな性行動

ああやっぱり不思議やなの芽生えかな 一年半ほどほったらかしにしておいた鉢に、何か芽が出てきた。センボンヤリだろうか。 実は、山で見つけた、多分センボンヤリと思しき花から種を取ってきて蒔いておいたのだが、去年の春になにも音沙汰がないので絶えて…

おれは春の餓鬼なのだ

春の餓鬼楤独活屈漉油(はるのがきタラ ウド コゴミ コシアブラ) (タラとコゴミ) 難読漢字みたいな句になったが、いずれも山菜。今がまさに旬だ。 タラは庭に2本の木が伸びていて芽吹き、早速頂戴した。 コゴミは隣家の親父が秘密の場所から毎年収穫して…

落ち椿

落ち椿いずれ真っ赤な決断を 落ち椿が美しい場所だというテレビ映像を見た。 それはよく手入れされた緑の苔がやや斜面になっている地面に花が落ち、花弁は転げてみな同一方を向く、すなわち斜面の下に向かって咲いているように見える、というものだった。そ…

虫たちにも春

啓蟄やいのち一年よろしくね (ナナフシ) 目の前の紙の上に、動くものがいる。 クモかなと思い、よくみるとナナフシの子だった。 生長すれば10センチは優に超す大きさになるが、まだ髪の毛よりも細いほどで、線書きのような体でしかない。 これが前後に少し…

ヤブカンゾウを食べてみる

春の野辺草つむ人の遠近(おちこち)に のどかな春の陽射しに誘われて堤防を歩くと、法面に草たちの芽吹きが始まっていた。あんなに待ち焦がれていた春が、いとも易々と一度にやってきてしまった。草たちも幾分あわてているようだ。 かがんで何かしている人…

ウグイスの本当の姿は?

里人にようやく初音を披露せり (「bird song」 構成 岩本久則 イラスト 水谷高英 主婦の友社発行) 先日、ウグイスの初音を耳にした。上手に鳴いてくれていた。 この声をきくと本当に春がきたなと感じる。「春告鳥」としゃれて言う人もいるようだ。 しかし…

名句に教わる-3 虚子(鎌倉を驚かしたる余寒あり)

寒戻るだからいわんこっちゃない 高浜虚子に次の句がある。 鎌倉を驚かしたる余寒あり(大正3年:虚子40歳) 当時虚子は実際に鎌倉に住んでいた。 だから実際にびっくりするような余寒が鎌倉を見舞ったのかもしれない。とすると一見、この句は事実そのままを…

花のオペラの開幕

キャスト多き春やオペラの幕が開き (手前は白梅、奥に河津桜:静岡市由比町で) いよいよ春の花シーズンです。 せまい庭にごちゃごちゃ植えた花たちが、目を覚まし始めました。 雑草のセントウソウ、フラサバソウが咲いています。 馬酔木は満開。ヒイラギナ…