2017-05-01から1ヶ月間の記事一覧

夏草:甲斐信枝さんを思いながら

夏艸や蒼蒼と営営と争えり 堤防は夏のよそおいだ。 春の野草たちはすでに種を残して地上から姿を消し、眠りに入ってしまった。 そして、繁みは夏の草たちで日増しに賑やかになっている。 狭い場所で生き延びるために、何種類もの草たちが激しく争っているの…

名勝 「姨捨の棚田」で一句

姨捨や一枚植えては立ち話 「田毎の月」で有名な歌枕、姨捨の棚田を帰郷のおりに寄った。 気にしていながら、なかなか行けない所があるものだが、ここも私にとってその一つ。信州では棚田など珍しくもないし、むしろ棚田のほうが普通なのでそれほど興味をそ…

富士山を背景にして藤

フジの香や蜂ときそいて花に鼻 富士宮市の「下の坊」は知る人ぞ知る藤の名所だという。下の坊という名は、大石寺を上の御坊とよんだのに対し、この寺を下の御坊とよんだことに由来するようだ。熱心な花の愛好家である友人に勧められて連休の一日を花見に出か…

ブドウの芽を食べる

木の芽晴れ一枚ぬいでまた一枚 (欠いたブドウの芽) ブドウの芽が、あれよあれよと言う間に写真のように大きくなってしまった。芽は多すぎるので、あったかい日差しの下、芽欠きをした。次第に暑くなって上着を脱ぐ。 軒先に這わせている日よけ用のデラウェ…

若葉があまりに美しいので3句

わかかえでかきわかば神さまのえのぐ 柿わかば光も風もほしいまま いたいけなときは短し樫わかば