秋の白さ

細径や花も色なき風の中 (イタドリ) 秋は白で白秋、春は青で青春、そして朱夏、玄冬。これは中国の故事を取り込んだもの。北原白秋の名ももここから来ている。 何故秋は白なのか、というのも愚問だが、そう思ってみれば秋は確かに白かもしれない。紅葉の鮮…

囲碁AIと子規

碁にまけて厠に行けば月夜哉 子規(明治31年) (今日現在対局が行われている、第46期名人戦。ライブネット配信である) 将棋の藤井聡太さんが叡王タイトルを獲り、10代での3冠は史上初というニュースが駆け巡っている。囲碁では井山裕太さんが全7冠は失った…

アフリカフウチョウソウと「ふじのくに地球環境史ミュージアム」

のっけには全員名はなし草の花 田んぼの水路わきで、見慣れない花を見つけた。 実はそれは一年前のこと。その時、図鑑やネットでいろいろ調べてみたが、分からずじまいで断念。以来気にかかっていた。先日そこを通りかかった折に改めて草むらを歩くと、ちゃ…

ノカンゾウに夢中

ウマオイも花に眠るや真昼時 今年は庭のノカンゾウがとても元気で、次々と大きな花を咲かせてくれる。花の色は個体によって、黄色っぽいものから、朱色っぽいものまで微妙に違っていて、庭の花は黄色っぽい部類か。 と思ってみていると、その一つに緑の虫が…

堤防にも秋の花

声あらば何を語るや草の花 大雨がようやく収まったので、久しぶりの堤防漫歩。 この夏も、猛暑だ、オリンピックだ、コロナ警戒宣言だ、土砂崩れ、アフガンだと言っているうちに8月も下旬。なんだか時間が全く自分のものでなくなってしまって、モモじゃない…

西洋のセミ事情 (奥本大三郎氏の本から)

大水や蝉の生まれぬ里となる 窓を開けておいたら、蝉が飛び込んできた。カーテンにとまってじっとしているので、外に出そうと摘まむと、ジーッと油の声を出した。うるさくなる前に外に出してしまった。この2,3日の雨で蝉はずいぶん静かにしている。 最近…

ウマノスズクサと馬鈴薯

小用を足さんとすれば葛葎 野原は油照りだが、次第に秋の気配も見せ始めた。この時期に一番目立つのはつる植物。クズやカナムグラ、イシミカワ、ヤブガラシなどが各々自分がたくさん日を浴びようと、絡み合いながら、野原をのたうち回っている。甲斐信枝さん…

蛇か!いやイモムシだ(閲覧注意)

芋虫や生まれながらに太々し(ふてぶてし) なんだと思われる方もおられるだろうが、これはイモムシ。まったくヘビそのもの。 先日、ムサシアブミの葉が食われているので、よくみると、このイモムシ。まあ、葉っぱの二三枚ならいいにしようと思って放ってお…

巣立ち鳥 3様

巣立ちたり本能のまま淡々と ひと月ほど前、雨の田んぼの畔に、ムクドリの親とひな鳥の姿をみつけた。親が何かを啄んできてはひな鳥の口に渡している。そんなにたくさん虫がいるのかなと思うほど、頻繁である。雛はもう親と見分けがつかないほどの大きさだ。…

ユリと子規

鬼百合やうつむいたまま裾まくり 風で折れちゃったけど、活ける? お隣さんが、カサブランカを一茎持ってきてくれた。大きなツボミが2つついている。二三日後、二つとも大きな花を開いてくれた。夜は家中を香りでいっぱいにしてくれる。 我が家の庭のカサブ…

キキョウへの想い

寂しさの風船割れて桔梗咲き 庭のキキョウがさいた。咲く前のツボミがふくらんでくるのも楽しかった。地植えのものが、ヨトウにやられてしまったので、この春苗を買ったものだが、鉢でしっかり花をつけてくれた。 私にとって、青いキキョウは盆花であって、…

「長雨蓄積型」の土砂崩れ

梅雨出水いま大雨雲の下に居る 熱海の伊豆山で土石流が発生した。 テレビで見ると、土石と言っても石の少ない泥流が沢に沿って流れ下った感じで、その速さと激しさに息をのんだ。一瞬に多くの人の命、生活が失われた。数年前の広島の災害を思い出す。まさに…

covid-19(コビッドナインティーン)の備忘として

大勢の一人となりて肩を脱ぐcovid-19(コビッドナインティーン)接種会場 ようやく1回目のワクチン接種をした。ここに至るまでなんと長い間待たされただろう。今回は少し憤懣を。 日本の接種は世界から遅れをとった。日本のワクチンが外国頼りであること、防…

スモモと子規

すもも頬張って駆け出していけ雨の中 スモモの季節になった。プラムとかソルダムとかいう名で売られているが、何れも日本の李(すもも)を外国で改良したものだという。この酸味が梅雨のうっとうしさを一新してくれるようで、舌に心地よい。 半世紀以上も前…

ナツツバキまたはブッダの沙羅双樹

沙羅の花真実白きは落ちてより 庭のナツツバキが、盛りをむかえた。 毎年巡り来る祭りのごとく今年も賑やかに咲き誇り賑やかに落下している。一日花なので、朝咲いて夕方には落ちる。暫く見ている間にも、ボトッと音を立て落ちてくる。潔いというか、贅沢と…

ネジバナ・モジズリ・ヒダリマキ

ネジバナや父祖伝来の左巻き 別名で、ヒダリマキとも言われるらしい。ただし左巻きと右巻きといっても、花茎の上から見た場合と下から見た場合は逆になるので、右左の定義はあいまいなのだそうだ。しかも逆巻きのものが結構みうけられる。写真の左から2本目…

鮎を食べて俳句あれこれ

若鮎や清流に命ぬめりたる 6月1日に鮎をいただいた。この日は、静岡県の興津川の鮎解禁日で、全国トップである。だから日本で一番早く食べたことになる。私は釣りはしないので、もらって食べるだけである。さっそく塩で洗いぬめりをとって、塩焼きにして食…

薩埵(さった)峠で枇杷を齧ったこと

枇杷熟れて薩埵(さった)の海や碧深み (薩埵(さった)峠:富士山は雲で見えない。眼下に東名がはしり、この崖の急斜面が枇杷やミカンの畑。恐ろしい場所で枇杷が育つ。) 枇杷の季節である。 枇杷は期間が短いので、気をつけていないと、あれ?もう終わり…

クジャクサボテン咲き出す

花咲いて孔雀仙人掌お披露目に この時季、後ろの方にある鉢を玄関先に出して花を披露する。 今年は花のつきが良くて、花芽を数えたら12ある。今日は4つ目が咲き始め、最初の花は萎れたので切り取った。残りは順番を待っている。この花は2日ほどもつので…

ホタルブクロと池田澄子さんの句

ホタルブクロや蜂の出入りこそばゆく 雨上がりの庭を見たら、ホタルブクロが一斉に咲いているのに気が付いた。そういえば二三日、庭を見ていなかった。ホタルブクロは椿の木の下で、茎を少し横に寝せて、白い袋を沢山吊り下げている。その白さに、思わず夏の…

池田澄子のピーマン

ピーマン切って中を明るくしてあげた 池田澄子 (1988年52歳『空の庭』) (ピーマン?パプリカだけれど両者の違いは知らない) 彼女は、自作解説で「完全痴呆的な句」、知性も知識も主張も見栄も無い句だといっている。即ち、切ると暗かった中が明るくなる…

三保の松原にハマボウフウが咲く

三保の浜富士見えぬ日や浜防風 俳句の友人らと、清水の三保海岸へハマボウフウを見にいった。 三保の松原は世界遺産なので、人出を心配して平日を選んだら、観光客はほとんどいなかった。「みほしるべ」という世界遺産案内所ができ、駐車場も整備され、浜の…

ナンジャモンジャってなんじゃ?

真白きは噂の花かナンジャモンジャ 先日、ナンジャモンジャが満開だと聞いて、近くの沼の公園に見に行った。シュレッダーで切った紙のようちらちらした白い花が、豪勢に咲いていて一見の価値はあった。木の下で花見のお昼をしている人もいた。 この奇天烈な…

アマドコロの仲間たち5種の競演

木漏れ日の一筋射してあまどころ 一月前に、庭の野草の芽を紹介したが、それらは皆しっかり咲いて、既に花を終えて、夏の栄養吸収の季節に入りつつある。 春の花たちは、振り向きもせず通り過ぎていく。人間の一生も同じなのかもしれない。 以下は、みんな似…

駿河七観音 平澤観音の御開帳に参拝

清水区の日本平北麓にある平沢観音では、7年に一度の御開帳があると聞いて出かけてきた。 2021年4月の11から17日の一週間、お堂を開いて秘仏の千手観音を披露している。先に訪れたのは冬だったので、あたりは冷え冷えしていたが今回は春の日差しに…

紫色の野草を4つ

野の花や清明の雨やわらかに ジュウニヒトエ(シソ科) 庭の隅にあったものが、ゆっくりだが着実に地保を固めて増えている。春に花茎を立て鈴なりに紫色の花をつける。その立ち上がった姿がいい。 ただし写真の花は、どうやら園芸種のアジュガで西洋ジュウニ…

キブシやダンコウバイなど春の山花

いつ知らず待つ花となる木五倍子(キブシ)かな (キブシ) 今年は桜が記録的に早い。ソメイヨシノだけでなく、山桜も早かった。2,3か所に見に行ったが、気のせいか今年は桜が特に美しいきがする。 山里などに、入りこむと人知れずいい桜が咲いていること…

草の芽 ビッグバン

庭十坪 木の芽草の芽ビッグバン (ヒトリシズカ:センリョウ科 やっと上がってきました) じっさい、芽というものは、葉や花とおなじぐらい奇妙で、千差万別だ。あたらしい相違点を見つけていたら際限がないだろう。しかし、それを見つけようと思ったら、ほ…

駿河七観音を巡るー7 鉄舟寺(久能寺)

私の七観音巡りも7番目、鉄舟寺でいよいよ最後を迎える。 友人からの情報で、毎月16日に定期清掃している人たちがいて、その折に観音堂の内部が見られるというので出かけた。寺は日本平丘陵の東の端にあるが、観音堂は標高約50mの場所にあり、本堂脇から急…

また3月11日に

雪の果て三月十日までは日々が在り (2013年5月 仙台市の荒浜近く の住宅跡地) 3月11日が今年で10年をむかえた。私はこの日、災害を忘れないために、録りおいた津波のビデオを見ることにしている。その都度、打ちのめされる。犠牲者に手を合わせる。 この時…