New野の花365日

ホタルカズラ 草むらに深海の色 (ムラサキ科)

草むらに蛍蔓や海の碧 (もっと深い青だがうまく色が出ない) 庭にはい回っているホタルカズラが、花をつけた。 花は、深い鮮やかなマリンブルーで、一目見ると釘付けになるほどだ。咲き始めは淡い紫色に近いが、数日たつと徐々に青みを増して、写真のように…

早春の山の花たち

ぷつぷつと面皰(にきび)が痒し木の芽時 (キブシ) 先日700mほどの近くの山、高山市民の森(静岡市)に登った。といっても駐車場に車を停めて、そこから登るのは高低差100mほど。 早春の木々や草花の芽吹きを見に行くのが目的だったが、風は冷たく、草木…

カンアオイ 枯葉にひっそり

山城の空濠深しカンアオイ 里山をウォーキングしていて、「アオイ」を目にしたので、記しておきたい。私はあまり目にすることがない野草である。 ひとつは藤枝市岡部町、一つは静岡市の丸子の山中であった。この二つが同種なのか、何という名前なのか、私に…

玉之浦(ツバキ)と遣唐使のつながり?

風にあらずメジロ啄む花ツバキ 庭のツバキが、今年はこの十年でなかったほどたくさん花をつけた。5年ほど前は、ひとつもつけなかったのだが、どういう事情があるのだろう。 これは玉の浦という人気のある品種。花弁は赤だがその縁が白く彩られていて目を奪…

マンサクにコロナ

マンサクのころなり郷を出で立ちぬ 新型コロナウィルスが感染拡大。政府はバタバタと休校を要請、野球もサッカーも自粛。株は下がり、裁判員裁判も延期。マスクがない。 冒頭の俳句は、コロナをよみ込んで、遊んだもの。 (湯殿山への道で) さて、マンサク…

葉ボタンも薹が立つまで

葉牡丹や薹立ち咲くまで見とどけむ 正月用に毎年、葉ボタンを寄せ植えにするのだが、今回は矮小の寄植え鉢を買ってきて間に合わせてしまった。小さいけれど玄関わきに置くと、幾分は華やいだ演出になる。 この葉ボタン、もともとキャベツと同じものだという…

暖冬大寒

大寒の地の底を打つ鼓動かな (早々とリュウキンカが咲いた。雪山では4,5月頃咲く花だ。) 暖冬で、雪国に雪がない。クマは冬眠しない。ヒマワリが咲き始める。 困ったものだ。 という以上に自然の微妙で複雑なバランスが壊れると、いろいろ問題が起きて…

七草粥と若菜摘み

朝日射す七草粥のうすみどり 正月7日の朝は、ささやかな習わしとして七草粥にすることにしている。七草は、もちろんスーパーで買ってきたものである。電気釜で粥炊きにセットする。 椀から湯気がたちのぼり、朝日に当たって光る。セリの匂いが立ち込める。 …

錬金術でユズ黄金

黄金柚子錬金術師も苦笑い 小さいポットに植えたヒメユズが20個ほど色づいてくれた。それにしても、緑色の小さい実が立派な黄金に成長してきた様は、見事としか言いようがない。西洋中世の錬金術師も斯くやと思われる。 ひとつ採って味見をしてみたら、い…

カラスウリの実と花は

カラスウリ「たまご」と言いて小さき掌 この時期、裏山を歩くと藪にカラスウリが見つかって楽しい。その赤といい、その丸い形といいいかにも何かを訴えているようだ。たぶん種の拡散のため鳥に啄んでほしいのだろう。 人間様もついつい枝を引いて取り、しば…

ラグビーとアザミいろいろ

風神も避けて通るやフジアザミ 9月の半ばに友人たちと富士山麓を歩いて「フジアザミ」をたくさん見かけた。大きくて棘も鋭く粗野な印象。 下の写真は「トネアザミ」に近いかなあと思われるが、アザミは種類が多いので、品種を同定するのが難しいので、自信が…

ヤブマメとアイヌ文化

藪豆の組み敷いて芒開かざる やぶやぶしたところを注意してみると、背の高い草や木に絡んでいる。スラっとした姿で、ちょっと上品な感じがする。花の紫色の印象かもしれない。 図鑑では、この花は「形の異なる3種類の花をつける写真のような開放花と、花が…

秋の花野のセチメンタル

めぐりあう不思議哀しき花野かな まだ日盛りの堤防は体にきついが、それでも時折の涼風に慰められながら、少し歩いてみた。暑い暑いと怠けているうちに、季節は確実に秋を深めているようだ。花たちはすっかり秋の風情である。見渡すばかり緑の草が、ことごと…

サンセベリアが咲いた!

夕端居サンセベリアの香りかな 先日ふと気が付くとサンセベリアの鉢に花茎が上がっている。花が咲くとは想像もしていなかったので、少し驚いた。 開化は珍しいけれどままあることらしい。株が大きくなると咲くのだという。 気を付けたことは?と考えてみるが…

ソテツの精虫 または子規の埋め字

女子高の蘇鉄は雄株いま盛り 近くの高校に蘇鉄の植え込みが何本もあり、それが一斉に花を咲かせている。最近剪定をしたら、隠れていた雄花が突然現れたもので、ちょっと驚いた。巨大な黄色い松ぼっくりのような、異様な姿があちこちに立っている。これはみん…

ミヤマヨメナの山道 (キク科)

緑陰に風あり白き花しずか 野菊は秋の花だと思っていたら、初夏に咲く種類もたった一つあるという。それがこの、ミヤマヨメナ(深山嫁菜)。 咲いていたのは、岩村城址である。 先日、日本三山城と称えられる「岩村城址」を訪ねた。城は700m余の山頂に築かれ…

タチアオイの風(アオイ科)

立ち葵人無きバスの反転所 タチアオイは静岡の市の花に指定されている。徳川の葵の紋と関係づけたのだろうか。 この時季、いかにも初夏にふさわしく大柄な姿をすっくとたちあげている。夏の花のように思えるが、盛夏になる前に花期は終わってしまう。 道路の…

白い花の咲くころ

白花のことさら白き薄暑かな 白花の「ヒメヒオウギ」(アヤメ科)。 ふつうは濃いピンクが多いのだが、私は白を増やそうとしている。 夏を迎えようとするこのころ、花は白いものが多くなってきた気がする。 黄色や紫の花のことを書こうと思っていたのだが、…

スイカズラを吸うと (スイカズラ科)

すいかずら夢より薄き甘さかな いま、堤防に川原にびっしりと咲いている。花は蝶の羽のように見える不思議な形をしている。 咲き始めは白い色だが徐々に黄色になっていくという。白黄色が混ざって咲いていて、中には少し薄紫っぽいものもあるので、遠目には3…

きんぽうげ金ピカ

ペンキ屋の小僧ポタポタきんぽうげ 庭のキンポウゲは満開になり、陽射しを受けて、それこそ金ボタンのようにピカピカ光っている。金色の花を見ているだけで、暖かになる。 足下をカナヘビが日向ぼっこしながら歩きまわっている。 この花は、数年前三河の山の…

カタクリは食べ物だった?

堅香子や日射しは蕊まで届かざる カタクリのことを万葉集ではカタカゴと言ったらしい。響きもいいので私も「カタカゴ」をつかってみた。 島田市の旧金谷町富士見に、カタクリ約一万本の自生地、牧の原公園がある。ここは牧の原の広大な茶畑の東端に当たり、…

寒緋桜のじゅうたん

紅点(さ)して春は去にけり振り向かず 余りに鮮やかなので、踏み越えるのがもったいなかった。 これは寒緋桜。 近くの家に毎年早々と春の到来を告げてくれる。花は下向きに咲いて、ちょっとホタルブクロのように釣り鐘状になっている。散った花を見ると、花…

フラサバ草の庭(ゴマノハグサ科)

小さきものに春の光の来てとまる 庭に繁茂しているのが、フラサバ草。 オオイヌノフグリなどと同じで、ゴマノハグサ科。青い花はせいぜい5㎜。茎や葉には白い毛がびっしりあって、それが光を受けて美しい。 実はこの花がまだ珍しかった10年ほど前に、見つ…

春兆す 3句

その人は峪の奥なり節分草 赤黒きものの芽ひとつ娑婆に出る 春は詐欺師春は人買い蕗の味噌

セツブンソウ 可憐な神々しさ

節分草を見入るイエスの誕生のごと 節分の、まさにその季を見計らうかのように、セツブンソウが顔を出した。この可憐さ、そしてあまりに正確な几帳面さ、甲斐甲斐しさに、命の神々しささえ感じてしまう。 大げさに言えば、キリスト降誕図を見るような気持ち…

ヤブコウジとツルコウジ

野鼠もしばし見入るや藪柑子 (ツルコウジ 鉢に植えたところ) 紅葉を見に行ったら、山道の斜面に赤い実があるのに気がついた。ヤブコウジかなと思ったが、少し雰囲気が違う。実は小さいし葉の形が異なっている。 持ち帰って調べたら、ツルコウジというもの…

寂しい帰り花

明日からはまた冷えるぞよ帰り花 (ユキヤナギの狂い咲き) ふと気づくと、ユキヤナギがちらほらと花をつけている。本当に雪の時期に開いてしまった。そういえば先月末には、ライラックが一番上の枝先に一房の花を咲かせた。初冬のライラックを私は初めて目…

野菊 キダチコンギクだろうか?

野菊晴れ老々介護の車イス (キダチコンギク と思われる) 野菊がたくさん咲いている。気持ちのいい秋晴れ。 野菊とは、秋の野原に咲くキク科の花の総称で、ヨメナやコンギク、シオンなど多くの仲間が混入している。その区別たるや、微に入り細に入りで素人…

みぞそばが満開(タデ科)

溝蕎麦(みぞそば)や花に産まれし童女(わらべ)あり 秋はタデ科の花の美しさがひときわ目をひく。 沼地や田の水路にはミゾソバが群生して、今を満開に咲いている。この花の美しさは、まるで砂糖細工のような繊細で乙女チックな色合いだ。 覗き込んでいると…

雑草という言葉

来世はエノコログサでもよしとせむ (オオエノコログサ? イネ科) 昭和天皇が、雑草という言葉を、 「どうもこの名前は少し侮辱的な感じがして好きではない。水田、畑に生え栽培植物の生長を妨げる植物や、道端に雑然と生えている植物のうちにも、花が咲いた…