2017-03-01から1ヶ月間の記事一覧

啄木のヤナギ

やわらかに啄木泣くなり川柳 堤防を歩いていると、日々、ヤナギの色が濃くなっていくのが分る。数日前までは幾分みどりや黄色がかってぼうやり膨らんできたなと思っていたら、もうしっかりした色になっている。ヤナギにもいろいろ種類があるようで同定が難し…

チューリップの雨

芽の奥にひかり三月雨の朝 寒い雨のあとの日の光は、体の緊張がほぐれるような暖かさだ。伸びはじめたチューリップの葉芽の奥に、雨がたまっていて光っている。我が家のチューリップもようやく花の色が現れはじめた。 チューリップというと、富山の砺波平野…

ツタンカーメンが満開

風要らぬ虫も要らぬと花えんどう (えんどうは、自花受粉で自分のDNAを再生産する それを説明しただけの俳句) 友人らといっぱい飲んでいたら、ある男が 「今度、美術館にツタンカーメンが来るようだね」 すると美術に詳しいやつが 「ツタンカーメンが来…

3.11

荒浜に今日は海哭け春ならい 三月のあの日の前や春の波 (仙台市の荒浜の被災地で 海岸の松林が残っていた(2013.05)) 「3.11」 改めてあの時の津波の映像を見直して、改めて、慄然とした。正直いまだもって、あの映像の前では、茫然自失する。 原発処…

ものの芽を3種

それぞれの宇宙樹めざす芽生えかな これは、芍薬の芽だけど。 既にしてあたりを払う牡丹の芽 これはオオバギボウシだけれど。 鬼の子のいま生え初むる牡丹の芽 これはシラン。もう伸びた。 生いさきを蔵(かく)しものの芽固きまま 今日は、庭の花の芽ぶきそ…

ムサシアブミの不思議なデザイン

枕もと浦島草を活けてけり (子規 :明治28年) 浦島草は、テンナンショウの仲間。ムサシアブミとは兄弟みたいなもの。 (句によれば、子規は枕もとに、浦島草を置いていたようだ。好奇心旺盛な子規らしい。 あやかって、私はムサシアブミを) ムサシアブ…