2023-01-01から1年間の記事一覧

がんばれ!富士山女子大学駅伝

女子駅伝 海から富士へ駆けあがれ 年末恒例のイベント、富士山女子駅伝を見にいった。 自宅から会場の富士市まで約30キロなので、私としては大学駅伝を見ることができるいい機会だ。今日は快晴で富士山もよく見える。気温は観客日和でポカポカ。風もない。 …

さむい散歩道ー2 

不思議だ あなたに肉体があるとは 三木卓 詩人で作家の三木卓さんが去る11月に亡くなられた。静岡市にある静岡高校を卒業されており、最近まで地元の静岡新聞にもよく記事を寄せられていて県民にもなじみが深かった。しかし私はまったく三木さんの作品を読ん…

さむい散歩道ー1

裸木やほらほらこれが僕の骨 この数日の木枯らしで葉が吹き飛んで、文字通り裸木になってしまった。「ほらほらこれが僕の骨」は、中原中也の詩のパクリ。 ホラホラ、これが僕の骨だ、生きていた時の苦労にみちたあのけがらわしい肉を破って、しらじらと雨に…

船上げ木遣りと童謡(文化祭の歌で思ったことなど)

(静岡 用宗漁港) 先日、地区の生涯学習センター(公民館)で文化祭が催され、私も参加して下手な民謡を唄った。私が唄ったのは、「静岡船上げ唄」(船上げ木遣り唄)というタイトルがつけられたもので、大声で音頭をとる木遣りである。お囃子は櫓をこぐ雰…

帰り花・・・子規と良寛と雑感

蜜すこし蝿を寄せたる帰り花 鉢に植えたヒメユウスゲが咲いた。なんと12月、大雪のこの時季にである。目に飛び込むような鮮やかなレモンイエローの花弁。花茎がほとんど伸びていないため、花は地面から突然咲き出している。転がっているように見える。葉は余…

白山、立山、富士山 = 三禅定とは

木枯しや吹き上げて消ゆ富士の嶺 富士山が世界遺産に登録されて10年。これにちなんだ「三霊山学術フォーラム」という静岡県主催のイベントがあり、先日聞きに行った。 三霊山とは、立山、白山、富士山をいう。ご存じの「風の盆」の唄、越中おわら節の後囃子…

草紅葉いろいろ

土もまた滅びを詠う草紅葉 これはタコノアシ(タコノアシ科) まるでゆでだこの足の吸盤に見えるところが面白い。素晴らしい赤。沼地や休耕田などに生えていて、いいアクセントになる。遠景は富士山。 これはタウコギ(キク科)たんぼにしばしば見られる草で…

セイダカアワダチソウの昨今(キク科)

泡立草美し 瑞穂のど真ん中 セイダカアワダチソウの黄色い風景は、もう見慣れてしまって驚くこともなくなった。むしろこれが無かったら秋の風景が寂しいとさえ思われる。それはセイダカアワダチソウが、爆発的に繁茂した頃と比べて幾分数が減り、風景全体で…

クマも狂うか

ウクライナ ガザに続いてクマのこと (「北越雪譜」の「熊人を助く」の挿絵 これは牧之自身の筆になる 国立国会図書館資料から) あちこちでクマが出て、ニュースになっている。 今年の人的被害は最高になるのではないか。昨日も北海道で死亡事故があった。…

サクラの狂い咲きがすごい

公園は子ら騒ぎゐて狂い花 (河津桜の帰り花) 「桜が咲いている」 という話を聞いて、出かけてみた。近くの沼のほとりの河津桜である。 行ってみて驚いた。びっくりするほどたくさん狂い咲きをしている。1、2輪なら微笑ましくもあるが、まるで春先のよう…

オケラが咲いていた

この山に再来(く)ることありやオケラ咲く (オケラ キク科 不機嫌なとっつきにくい花だ) 久しぶりの信州行き。長野市浅川の市営墓地にある義父の墓を訪ね、花を手向けてきた。コロナ自粛を経て10年ぶりにもなるだろうか。 墓地は善光寺から北に向かって2…

萩原朔太郎の「広瀬川」

今さらの朔太郎とは思えども広瀬川の流れ滔々 高崎へ向けて車を走らせていて、前橋がすぐ近いなと気がついた。前橋といえば、萩原朔太郎の生地ではないか! 思い立って前橋の中心街にあるという文学館にむかった。予備知識がないので、スマホで調べながら行…

さきたま古墳群も秋風

骨も溶けし古墳仰ぐや秋の雲 (丸墓山古墳 これだけが円墳) 埼玉県行田市にある「さきたま古墳群」をたずねた。ここにある「稲荷山古墳」から出土した「金錯銘鉄剣」は金で115文字が刻まれていて、国宝となった重要なもの。それだけに一度は訪れてみたいと…

「人穴」に入る (富士山世界遺産)

秋うらら富士風穴の闇に入る 人穴、というのは富士山の西麓、富士宮市の人穴部落にある風穴のこと。世界遺産の構成資産になっていて、休日にはガイド付きで見学できると聞き友人と出かけてみた。酷暑が一転して朝霧高原はさわやかな秋の空、富士山はススキ原…

曼殊沙華 赤と白

曼殊沙華白く咲かせて色懺悔 人差し指ほどの茎が伸びてきたなと思っていたら、すぐに花が満開になった。彼岸花の名のとおり、暦通りにやって来てくれるのが、うれしい。 暦の名前と言えば、セツブンソウ、半夏生、八朔などがすぐ思いつくが、最近花の時季が…

柿一つ

一村は次郎ばかりや柿の里 我が家の次郎柿は毎年2,30個は実をつけるのだが、今年は裏年らしくて、何と一つも実がつかない。まさか、と思って矯めつ眇めつ覗き込んでみたのだが、やはり無いのだ。こんなことはこの10年なかったことだ。 「今年は駄目だね…

草の花 

雑草も今朝は秋草庭一面 庭の植物は今年の異常な暑さには参ったようで、いろんな優しい花は溶けてしまっている。雑草たちは、手入れをされないので伸び放題。雑草なのだが、この季節になると、やさしい慎ましい花をつけ、愛しさが増すので、「雑草」から「秋…

弱者の避暑

下流民きょうも避暑ですモール街 (モールのベンチ――たまたま人のいない瞬間) 暑い!とばかり言っているが、それにしても暑い。7月から始まった35度前後の暑さが、まだ9月半ばまで続くという。 前にも書いたが、これはもう災害なので、避暑避難を公共で…

炎天の浜を歩く

炎天や漁船も雲もただ白し あんまりにも暑いので、意地になって、海を見にいった。 焼津の石津浜である。近くには小川漁港がある。 この付近の浜は小泉八雲が夏になると家族を連れて遊びに来ていた場所で、「乙吉だるま」という短編も残している。浜は松林の…

蓮見には暑すぎて

白蓮も悟りて散るやしどけなく 近くの沼に蓮がたくさん咲いている。 早朝に見に行こうと考えていたら、今日ももう10時を回ってしまった。気温もどんどん上がり30度に近い。ハスの花見は朝早くというのが相場であり、午後になると花は閉じ、数日開閉を繰り返…

ディズニーのドローンショーを見る

遠花火見飽きたころや襟に風 静岡市の安倍川花火大会が、3年ぶりに開催された。(7月22日) コロナ禍でしばらく開催ができていなかったので、正直忘れてしまっていたのだが、友人が「今日は花火だ」と言うのではたと思いだし、夜出かけることにした。 と…

夏の小國神社と草花

涼しさや杉の参道進むとき 連日33度続き、熱帯夜、夕立も降らないこの異常な暑さの中、遠州森町の小国神社に詣でた。あそこなら涼しいかなと思ったからなのだが、結果、実に涼しかった。 土曜日とあってか、駐車場もほぼいっぱい、門前の茶や横丁も混んでい…

牧野富太郎展 または菫(スミレ)はセロリ

来世はエノコログサでも良しとせん (博士の東大助手の頃 明治33年:本と標本の山) NHKテレビの連続ドラマで、牧野富太郎博士がテーマになっている。これにちなんで、かどうか知らないが、静岡県立の「ふじのくに地球環境史ミュージアム」で牧野博士の企…

蛙2 (大ガエルの大群)

蝦蟇という傍若無人皮の中 (ウシガエルの骨格標本 : 静岡県立 ふじのくに地球環境史ミュージアム) ある家を訪れたとき、「ガマが棲みついている」と言われ、まさかと思っていたら、のっそのっそと這い出してきて、びっくりした。 我が物顔で歩いて人間な…

熱中症の避難所がほしい

溽溽の字も溽き溽暑かな (じょくじょくのじもむしあつきじょくしょかな) (気象庁のデータ) ひどい雨の一方で、ひどい高温だ。 気象庁は「熱中症」についても警報や注意報を出している。これは数値化されていて、気温、湿度、輻射熱から算出するが、気温…

蛙1 (ウシガエルを食べたこと)

牛蛙ボリュームちょっと下げてくれ 田んぼは一面の緑になった。若い苗を揺らして青田風が吹きわたる。 道脇の田んぼをのぞき込んだら、蛙の仔がごちゃごちゃッと集まっていた。オタマジャクシから蛙になったばかりだと思われる。エラ呼吸から肺呼吸に切り替…

朱い夏

鬼百合や弾け咲く瞬(とき)今朝も見ず 雨が上がった朝、ぱっとオニユリが咲いた。今年は玄関近くのプランターや花の鉢から茎が20本ほど立ち上がっている。自然に増えたものだ。二三日したら花が10個以上になってきて賑やかになった。豪快で気分がいい。アゲ…

マツバランをみつけた

万緑やわれまた植物細胞を持ち 日陰を探して、山の農道に車を停めてぼんやりしていたら、脇の石積みに変なものが目に入った。初めて見るもので、花なのか枝なのか何だか全く見当がつかない。まわりはツタや花の終えたテイカカズラなどが繁茂していて、その隙…

「半夏」生と「半夏生」

半夏生白さは私の病気です 七十二候に半夏生(はんげしょう)がある。七月初めの5日ほどを指している。 で「半夏生」という草だが、ドクダミの仲間で葉の一部が白くなる特徴がある。わが庭にも病的な白い葉を何枚か光らせていて、異常に目につく白さである。…

サクランボ または「桜桃」

皺の口すぼめて爺婆サクランボ 太宰治に「桜桃」という短編がある。多分高校の頃読んだが全く内容を覚えていない。ふと思い出して、サクランボをつまみつつ青空文庫で読んでみた。これを小説というのかどうかわからないが、太宰文学そのものだなと思い、そし…