2013-01-01から1年間の記事一覧

湯たんぽの物理学?

湯たんぽ使い始めたらそのぬくぬくした柔らかい温かさの虜になった。朝になっても驚くほど暖かいままだ。静かなブームというのもうなずける。 で、一体どのくらいエネルギーがあるものなのか?文系ばりばりおじさんが50年前の物理の教科書を紐解いて考えて…

信州は遠山郷の霜月祭りを見に行く(シリーズ風景の中へ6)

信州の南端、遠山郷といわれるかつて秘境と呼ばれた郷がある。(今も、道路はお世辞にもよいとはいえない。) この郷に、霜月祭りと呼ばれる湯立神楽が古くから連綿と伝えられている。10社をこす神社がそれぞれ幾分違った様式で祭を執り行っていて、この時…

満天星躑躅(どうだんつつじ)が真っ赤(シリーズ風景の中へ5)

島田市郊外の千葉山どうだん原に全国でも珍しいドウダンツツジの群生があり紅葉が見ごろだときいて散策に行った。 この近くには名刹智満寺があり、裏山の十本杉は国の天然記念物に指定されている巨木群で、迫力満点である。標高は500mに満たない程度か。今…

信楽のタヌキ(シリーズ風景の中へ4)

信楽の里を訪れた。 奈良時代、聖武天皇がこの山間の地に大仏を建立し始めたのは743年のこと。紫香楽の宮といわれ、この地に大宗教都市を建設する意向だったようだ。しかし相次ぐ火災や地震で中断し、現在の奈良東大寺に計画地を移すことになった。今考え…

丹波焼立杭(シリーズ風景の中へ3)

城崎で泊まった旅館は建物は古かったが趣味がよく落ち着いて好感がもてた。部屋の床の間には壺が何気なくおかれていて、実にいい感じであった。全く知らなかったのだが、これが「朝倉山椒壺」というものだった。質実剛健で存在感があり一遍に丹波焼が好きに…

畝傍山と橿原神宮(シリーズ風景の中へ2)

奈良に「観光」にいっても、いつも時間がないため、定番どころの寺社を回って終わりとなるので、たまには自由に、と今回は予定をたてず、いきあたりばったり。 まず、橿原神宮を参拝。(明治23年に神武天皇を祭神に創建されたもの) 次に橿原考古学研究所…

砂丘:砂の美術館 (シリーズ風景の中へ1)

鳥取の砂丘に行ってきた。 本邦ではこんな風景はほかでは見られない。広々していて心が自由になる。ラクダもいる(もちろん観光用)。馬の背といわれる丘は約50mの高さがあり、足が滑って登るに難儀した。砂丘は1年に5センチほど移動するのだそうだ。 …

金木犀に蕩ける(とろける)

朝、目覚めて窓をあけると、金木犀。 夕べ、部屋に忍び込んでくる金木犀。 普段は何の変哲もなく庭の隅に枝を伸ばしている金木犀が、この時期だけは主役に躍り出る。 日本の金木犀は江戸時代に中国から入ってきたもので、すべて雄株なのだそうだ。だから結実…

屋根の上のトウガン君

台風26号が、今こちらに向かってきている。気になっていることがある。 先日、庭木を這い回っているツルを紹介したが、その正体は、トウガンだった。実が膨らみ葉が萎えてきてようやく判った。 じつはその果実が2つ、とんでもないところで膨らんでいる。…

熟柿べたべた

庭からヒヨドリの騒ぐ声がしたので、戸をあけると、柿の木から2,3羽がばさばさっと飛び立っていった。 これはまずいな! と思って、木に残っていた柿を全部採ってしまった。もう、そろそろ採ろうと思っていた矢先でもあった。植えて6,7年の次郎柿で、…

ハギ(マメ科)(New野の花365日)

庭の白萩が、文字通り「雪のように」花を散らせている。 万葉集の大伴家持さんに詠わせると次のようになる。 わが宿の一群れ萩を 思う子に見せずほとほと散らしつるかも(巻8の1565) (口語訳 わが家の庭先の一群の萩を、かわいい人に見せずにもう少しで散…

ツルフジバカマ(マメ科)(New野の花365日)

秋の堤防を歩いたら、河川敷グランドが町内運動会でにぎやかだった。応援の声が晴れ渡った青空に吸い込まれていく。 堤防の草花も負けずににぎやかだ。 葛が路面を覆うように伸びてほんのりと香りを漂わせている。ツリガネニンジン、彼岸花にイタドリ。気が…

ナンテンハギ(マメ科)(New野の花365日)

先日、富士山西麓の田貫湖のすぐ近くにある小田貫湿原を散策した。 10年ほど前、初夏に訪れたことがあったが、そのときと比べて湿地ではなくなってきている印象を受けた。湿原では、アサマフウロ、サワギキョウ、それから野菊の仲間(シラヤマギクか)が満開…

名月と鬼

満月のこうこうたる光は、余りに明るいがゆえにかえって夜の不気味さを増長する。 有名な信濃の姨捨山の月は、平安時代の歌物語「大和物語」にある物語で、男が年老いた姨を山奥に捨ててきたが、その夜、月が明るく出たのをみて わが心なぐさめかねつ更科や…

翡翠(ひすい、かわせみ)

夕方、川辺をウォーキング中に、カワセミがコンクリート堤の上で、小魚を食べているのを目撃した。自分の体長半分ほどの大物を盛んに打ち据えて、やがてくわえ直して頭から飲み込んだ。カワセミは、このあたりでは時折見かけるが、こんなチャンスに限って今…

「露草の青」~谷川健一さん逝く

8月24日、敬愛する谷川先生が亡くなられた。 まさにその当日、私の手元に届けられたのが、先生からの新刊の贈呈本。その本はまるで御自身から私への別れの辞のようなタイミングでやってきた。 しかし私は二日間、先生のご逝去を知ることなく、その本を楽しん…

秋ツバメ

今年はツバメの大群乱舞を何度も目にした。暮れなずむ頃、静岡郊外の麻機沼の上に黒いかたまになるほど群れて飛んでいる。見当がつかないが、その数は数千羽というレベルだと思われ、壮観。暑さも忘れて見入ってしまう。その乱舞は、南に帰る頃合を計りなが…

ホースのト音記号?

5時前ころ、陽がようやく西山に陰るので、庭に出て鉢植えや庭木に思い切り水をかける。 鉢植えは、みんな「参った!」とへたっている。水をまくとコンクリ打ちの駐車場は、一瞬湯気を立てて蒸発するような按配で、自分も汗だく。終わった後は、ホースの片づ…

曲がったキュウリ

妣(はは)は畑が好きで、幾分認知症になっても毎朝せっせと畑に出かけ野菜の出来をみて回っていた。 そんな母の頼みでキュウリのクネを立てるために、静岡から信州まで車を跳ばしたこともあった。 とげとげの茎葉を分けてキュウリを捥(も)いで収穫し、そ…

カラスウリ:ウリ科(New野の花365日)

暑い昼間を避け、陽がかげるころを待って、裏のミカン山にウォーキングに出かけた。農道を登ること約1キロで見晴らしのよい分岐点まで出る。私の住む村が眼下に一望で、うまくすると前山のうえに富士山の雪の頂が見える。 この季節、夕刻はなんと言ってもカ…

キリンソウ:ベンケイソウ科(New野の花365日)

麒麟草だとも黄輪草だともいわれるが、名の由来は不明。5月に山形県の海岸に一面に生えていてそこから我が家に移植した。 この春東北を走って、山形県の遊佐町吹浦海岸にある十六羅漢という名勝にたちよった。海岸の岩にたくさんの仏が彫られている。この羅…

青葡萄

今日は恒例のブドウの袋かけ。朝6時から正味4時間かかった。 デラウェアの一株だけ。軒下に這わせて西日をさえぎる役目だが、それにも増して、秋の実りが悦びである。小粒で本当に甘い。今年は異常なほど実のつきがよくて、思い切って摘果したのだが、まだ…

毒毒しい斑点2題

1 庭木に10センチほどの大きな気持ちの悪い毛虫がいて、それでも殺しちゃかわいそうかな、と数日我慢してほっておいたが、見えるところに出てきて逃げようとしないので、とうとう殺虫剤をかけてしまった。カレハ蛾の仲間で有毒だと思うがよく分らない。 2 …

ビワを仙台の子供たちにおくる(2)

6月7日に、たまたま出会った仙台の子供たちに送った手紙を掲載したが、 その子供たちや学校の先生方から、たくさんの心のこもったお礼のお手紙をいただいた。ビワの絵も描いてもらった。 なにかしてあげたいな、という思いからささやかなプレゼントをしたの…

唇の色フシグロセンノウ

「その赤させったら、よくよく15、6の娘の唇(くち)のようでごわすど」 信州の山里、鬼無里の人がフシグロセンノウをこう説明したという。 書き留めたのは宇都宮貞子さん。いわば植物の民俗を信州の各地から聞き書きした女性である。彼女は、草木ととも…

ビワを仙台の子どもたちへ

東北めぐりをしている折、仙台の青葉城で市内の小学生のグループにであった。 田舎の子供らしい、純朴な印象だったが、どうやら仙台の海岸近くの小さな小学校で、津波で大きく被災したようだった。いまだ中学校に仮住まいだとのこと。 たまたま前日私はそこ…

会津のさざえ堂

会津の飯盛山にある「さざえ堂」は、内部が二重螺旋階段になっているユニークなお堂である。お堂に入ると、板張りのスロープをギシギシと時計回りにのぼり、最上部から今度は左回りにくだり、結局3回転して裏の出口に下りる。上りと下りの人が出遭わない構…

「山猫軒」と遠野物語

遠野から花巻に出て宮沢賢治記念館を訪れると「山猫軒」の看板が目についたのでそこでカツ丼を食べた。 「山猫軒」は、言うまでもなく「注文の多い料理店」の店名で、東京から来た太った若いハンターが、危うく山猫の料理にされそうになる童話の舞台である。…

山形にアマゾン?

思わせぶりなタイトルだが、鶴岡市街地に「アマゾン民族館」、さらに少し山に入って国道112号月山道の駅に「アマゾン自然館」がある。いずれも館長をされている山口吉彦さんのコレクションを基に開設したものだという。山口さんは40年ほどアマゾンに住…

地底の森ミュージアム(仙台市富沢遺跡)

仙台市の長町に世界に例を見ない珍しい施設があるので、旅の途中で時間を割いた。水田の地下5mから発掘された2万年前の氷河期の森を、そのまま保存・公開している、「地底の森ミュージアム」がそれ。平均気温は今より7,8度低い時代で、出土した樹木は…