#歴史

静岡浅間神社の降り祭を見る

ヤマザクラまず警蹕(けいひつ)が神降し 4月に入ると、静岡市では静岡祭りが催されて家康行列や夜桜乱舞などで賑わう。静岡浅間神社では、廿日会祭が斎行され、伝統的な稚児舞や稚児行列などが街を練り歩く。春の到来を桜とともに祝う明るい季節だ。 ちょ…

「震洋」特攻艇の格納庫跡を訪ねる(清水の三保)

草枯れて戦跡埋ずむ三保の浜 (一番目立ち大きい格納庫) 清水の三保は羽衣の松、白砂清松と富士山の景観で親しまれ世界遺産となっている。だが、ここに80年前の戦争遺跡が残されていることは、私も知らなかった。 先日、ふと目にした児童用の静岡市の歴史の…

船上げ木遣りと童謡(文化祭の歌で思ったことなど)

(静岡 用宗漁港) 先日、地区の生涯学習センター(公民館)で文化祭が催され、私も参加して下手な民謡を唄った。私が唄ったのは、「静岡船上げ唄」(船上げ木遣り唄)というタイトルがつけられたもので、大声で音頭をとる木遣りである。お囃子は櫓をこぐ雰…

さきたま古墳群も秋風

骨も溶けし古墳仰ぐや秋の雲 (丸墓山古墳 これだけが円墳) 埼玉県行田市にある「さきたま古墳群」をたずねた。ここにある「稲荷山古墳」から出土した「金錯銘鉄剣」は金で115文字が刻まれていて、国宝となった重要なもの。それだけに一度は訪れてみたいと…

家康の奪い取った諏訪原城(島田市)

戦国の砦やワラビの摘みどころ (案内所にあるジオラマ) 静岡市の駿府城、浜松の浜松城は家康ゆかりの城だが、その中間くらいの位置に諏訪原城という山城跡がある。あまりメジャーではないが、国指定の史跡になっていて、その遺構の大きさからみても全国屈…

アマテル、ツキヨミ、ムスビの神は壱岐対馬からか?

先にワタヅミ神社にヤマヒコ、タマヨリヒメ神話の世界を見てきたが、さらに国の誕生神話に類似する伝説を残す神社が壱岐対馬にはある。それは日の神のアマテル神社と月の神の月読神社、そしてムスビの神の神社である。 日本書紀では、イザナギがイザナミに追…

兵馬俑とロダンと

兵馬ねむる大地に春や二千たび (腰を下ろして弓を構えている) 静岡県立美術館に、兵馬俑の巡回展がきたのでみにいった。 兵馬俑は、秦の始皇帝を死後にも守るために、埋められた兵士や馬などの像である。2200年もの時を経て目覚め、世界遺産に指定された。…

南部木挽き唄(随想ー3)

北斎のこの富岳三十六景は、東海道山中というタイトル。場所ははっきりしないが、現在の掛川市付近とも言われている。 木挽きは各地でこのように仕事をしていたのだろう、ようすが分かって興味深い。ただし南部木挽き唄にある移動集団とは少し違うようである…

駿河七観音 平澤観音の御開帳に参拝

清水区の日本平北麓にある平沢観音では、7年に一度の御開帳があると聞いて出かけてきた。 2021年4月の11から17日の一週間、お堂を開いて秘仏の千手観音を披露している。先に訪れたのは冬だったので、あたりは冷え冷えしていたが今回は春の日差しに…

駿河七観音---久能山越道と日本平

平澤寺から久能山へのルートを、友人と歩いてみた。日本平ハイキングコースである。駿河七観音には古代中世の信仰の道があるはず、という当て推量をネタにして、これまで静岡郊外の低山をいろいろ歩いたのだが、その一つのつもりである。 (日本平山頂からの…

駿河七観音巡りー6 平澤寺 

(観音堂) 日本平丘陵の西斜面にたつ静岡県立美術館の南側の沢を上ると、標高約100mのところに平澤寺がある。この沢は、さらに上ると県が荒れた里山を整備したゆうきの森が広がっていて、家族連れの姿がいつも見られるのどかな場所である。 平澤寺を訪れた…

小島陣屋跡を見にいく

鵙猛る古城虎口の石垣に (陣屋には珍しいという 枡形虎口(ますがたこぐち) 陣屋はこの上部にある。) ( 虎口とは小口とも書き入口のこと、枡形により進路が鍵の手のように屈曲している) 天気がいいのでぶらぶらと、小島陣屋跡を訪ねた。 清水区興津の海…

聖一国師の峠道・・・ティーロードを歩く

(奥の山並みが今回越えた尾根筋。中央の突き出たのが突先山1022mになる、釜石峠は右端あたり) ティーロードなどというハイキングコースの紹介があったので、E君S君と3人で5月の末に歩いてみた。 コースは静岡市の山間部、藁科川上流の栃沢から足久保川上…

日本坂峠を歩く・・・古代の東海道?

今回は友人と静岡の平野を西に区切る山塊の尾根を歩いた。 低山だが急峻なこの山塊は、東海道の難所であり時代によって山を越えるルートが変わっていて、その変遷を知るのも面白い。現在は国道一号がトンネルで通過するが明治のトンネルも立派に残っている。…

大磯の「高来神社」参拝

大磯町にある高来神社に詣でたので、記録しておく。 大磯は、旧東海道の松並木もよく残されていて、静かな風情のある街だった。同じ湘南といえど、鎌倉葉山あたりの浮ついた観光地の雰囲気はない。かつては鎌倉もこうした落ち着いた風情だったのだろうかと思…

一の宮参拝 出雲大社 (出雲国ー2)

所在地 島根県出雲市大社町杵築東 祭 神 大国主大神(おおくにぬしのおおかみ) 参拝日 平成29年5月 さて出雲大社に参拝したが、さすがに雄大で厳かな社殿には感動させられる。 瑞垣の周りをめぐるとややストイックな屋根のラインや色合いが実に静謐で美…

一の宮参拝 熊野大社 (出雲の国ー1)

所在地 島根県松江市八雲町 祭 神 熊野大神櫛御気野命(くまのおおかみくしみけぬのみこと) 参拝日 2017年5月 今回出雲の国を訪ね、数日間だけだが、小泉八雲の言う「神の国の首都」の空気を吸ってきた。 出雲の一の宮を2回に分けて記録する。 古代出雲と…

一の宮めぐり64 物部神社(石見国:島根県)

所在地 島根県大田市川合町 祭神 :宇摩志麻遅命(うましまじのみとこ) 参拝日 2019年5月 物部神社は、島根県大田市に鎮座するが、ここは旧石見国の東端にあたる。 島根、鳥取を走っていて感ずるのは、車の量が実に少ないということ、信号が無いということ…

一の宮めぐり63 倭文神社(伯耆の国:鳥取県)

倭文神社(しとりじんじゃ) 所在地 島根県東伯郡湯梨浜町 祭神 建葉槌命(タケハツチノミコト) 配神 下照姫命 ほか 参拝日 平成29年6月 鳥取県は東部が因幡(いなば)、西部が伯耆(ほうき)の国である。 伯耆の国の中心はやや内陸に入った倉吉で、商工業…

阿波の一の宮「大麻比古神社」とは

大麻比古神社 (阿波国) 所在地 徳島県鳴門市大麻町坂東字広塚13 ご祭神 大麻比古大神 猿田彦大神 参拝日 平成28年12月 お遍路ブームもあるので、四国では寺院が繁栄する一方神社が寂しいのではないか、と思いつつ阿波一の宮に向かった。というのもここには…

讃岐の一風変わった一の宮「田村神社」

田村神社 (讃岐国) 所在地 香川県高松市一宮町286 ご祭神 倭迹迹日百襲姫命(やまとととひももそひめのみこと)、 五十狭芹彦命(吉備津彦命)、猿田彦命、天隠山命、天五田根命 の五柱 参拝日 2016年12月 とにかく猥雑な何でもありという感じのする、一風…

土佐一の宮は質実剛毅だった

土佐神社 (土佐国) 所在地 高知市一宮しなね2丁目16-1 ご祭神 一言主神(ひとことぬしのかみ) 味鉏高彦根神(あじすきたかひこねのかみ) 参拝日 2016年12月 冬の朝、雨あがりの神社を訪れると遅い紅葉は今が盛りでしっとりと美しかった。周囲の木々も大…

淡路の一の宮へ

伊弉諾神宮 所在地 淡路市多賀740番地 ご祭神 伊弉諾大神、伊弉冉大神 参拝日 平成28年12月 明石海峡大橋を走っていると、まるで空をゆくような気持ちになってくる。そんな浮ついた気分でいやに明るい感じの淡路島に入った。本土とは何かが違う気がする。け…

水無神社 (飛騨国:岐阜県)

飛騨は本当に山の中である。先日4月下旬の飛騨を走ると里の桜こそ散ってしまっていたが、山々にはまだ辛夷と山桜が競うように咲いていて、早春の冷気さえ漂っている。 水無神社は高山からはおよそ10キロ。JR高山線飛騨一之宮駅の直ぐ近くで、宮川の傍に鎮座…

一の宮参拝 筥崎宮・住吉神社(筑前国:福岡県)

筑前国の一の宮は、諸説あるが大方の説に倣って筥崎宮と住吉神社を参拝した。 筥崎宮(はこざきぐう)へは、鹿児島本線箱崎の駅から歩いて10分ほどだった。(地名は神社を憚って漢字を変えている。)真横から境内に入ると、楼門から中へは一般人は入れず、参…

一の宮参拝 玉祖神社 (周防国:山口県)

(たまのおや神社) 防府市大崎に鎮座する周防一の宮である。防府は私にとって馴染みがない町で、ホウフと濁らずに読むことさえ知らなかったくらいだ。新山口からJRで15分ほどの、大きそうな街だったが例のとおり人の姿はまばらである。 この日はあいにくの雨…

一の宮参拝 住吉荒魂本宮(長門国:山口県)

門司港から関門連絡船にのると7,8分で下関唐戸に着く。寒風で海峡の波は荒い。少し離れて関門大橋が見上げられ車が行き交うのが見える。海峡は最狭部がわずか700mしかなく、地下歩道もあるときき興味は湧いたのだが今回は船にした。 観光客で大混雑してい…

アンコール遺跡のリンガ

私はヒンズーの神についてまるで知識がないのだが、リンガとヨニの形象について感ずるところがあったので、一の宮の番番外編としてアップする。「一の宮参拝記」は、別のwebでシリーズで掲載しているものだが、ホームページの管理が上手くいかないので、当座…

ツバキ1(玉之浦・・・遣唐使船)(New野の花365日)

庭のツバキが咲き始めた。「玉之浦」という品種で、一重の濃い紅の花弁を、鮮やかな白が縁取る。こうした縁取りを覆輪というそうだ。色合いは派手だが咲き方はやや地味で、花は筒状というよりはもう少しひらく程度。下を向いてこっそり咲く。この時期になる…

翡翠(ひすい、かわせみ)

夕方、川辺をウォーキング中に、カワセミがコンクリート堤の上で、小魚を食べているのを目撃した。自分の体長半分ほどの大物を盛んに打ち据えて、やがてくわえ直して頭から飲み込んだ。カワセミは、このあたりでは時折見かけるが、こんなチャンスに限って今…