2014-09-01から1ヶ月間の記事一覧

酔芙蓉(アオイ科:New野の花365日)

ある人から酔芙蓉が秋の季語だと教えられたが、恥ずかしい話、酔芙蓉なるものをしっかり認識していなかった。 先日、小学校から塀をこえて裏通りに咲き出ているのをみつけて、 ああ、これがそうか!と思いカメラに収めた。 いかにも姚冶な花で、中国の漢詩文…

秋の古代廬原(いほはら)国:三池平古墳(シリ-ズ風景の中へ26)

秋の1日、旧清水市の公民館の考古学講座に参加して庵原国(いほはらのくに)の古墳をみてまわった。講師はこの地域の発掘に長いこと携わってこられたS先生で、個々の古墳の出土状況や発掘の裏事情まで知悉されておられ、話に興味は尽きない。 今回は、旧清水…

クズの海外進出(マメ科:New野の花365日)

葛は秋の七草の一つであるが、風情はいまいちである。 いまどき堤防を歩けば、一面が葛でまるでシートのように覆われているし、蔓は路面にまで侵出してきている。近くの5mほどの電柱は上まで蔓がからまっている。厄介な雑草である。ただし甘い香りがほのか…

フランス・ブリュッヘン氏逝去(♪シリーズ ロ短調5)

ブロックフレーテの名手、フランス・ブリュッヘンが先月なくなった。79歳。ご冥福をお祈りしたい。 ブリュッヘンは、最近は笛は吹かずに古楽器の18世紀オーケストラの指揮者として何度も来日しているが、やっぱり私にとってはブロックフレーテ吹きである…

Who has seen the wind?

Who has seen the wind? もちろん Neither I nor you。でも、ロセッティは木の葉のゆれや木々の揺らぎを「見る」と風を知覚できるよ、と詠う。一方、万葉集の額田王はロセッティより千歳以上も年上だが、 君待つと我が恋ひ居れば我が宿の簾動かし秋の風吹く …

歯のない俳句

歯が悪いせいか、前々から気になっていた山頭火の句がある。 ほろりとぬけた歯ではある 肉体をいじめているとしか思えない生活は、歯もぼろぼろにしたのだろう。だから へうへうとして水を味わう という句も、白い歯で阿蘇の白川の源の清水を口に含む、とい…

かんなみ仏の里(シリ-ズ風景の中へ25)

「仏の里美術館」が伊豆半島の付け根、箱根の麓にあたる函南町桑原に、2年前にオープンしている。秋の1日、仏像鑑賞を楽しんだ。奥まった山里に、美術館はお堂を模した清楚な建築で、仏像の館に相応しい静けさを漂わせていた。 収蔵されている仏像たちは、驚…