2016-10-01から1ヶ月間の記事一覧

アシもいろいろ(イネ科は苦手4)

取り立てて言うことでもなし葦の花 アシ(ヨシ) アシは古来和歌にもたくさん歌われている。万葉集には50首で、意外だがススキの47首を上回る(尾花、カヤを含む)。数としても多いのは、身近によく目にとまり、簾や屋根など昔の生活には欠かせないものだっ…

タデの花3種

赤ままや野球ぼうずが踏みしだき 3年ほど前、道端に見事に群れ咲いていたイヌタデをみつけ、持ち帰って平鉢に盛り込んだのだが、翌年は周りに逃げ出してしまった。ところが今年、どうした訳か自分の方からその鉢にはいり込んで咲いてくれた。それがちょうど…

「ペンパイナッポーアッポーペン」の妄想的雑感

オッペケペ オッペケペッポー ペッポーポー (俳句じゃないけど、五七五) (滝田ゆう名作劇場6 「小舟の上で」から) 1 オッペケペ オッペケペッポー ペッポーポー これは川上音二郎の「オッペケー節」。明治時代、自由民権をこの節に乗せて主張した。「権…

今度はルノワールのヌード像

ブロンズの裸婦のおいどや冷えきって (「勝利のヴィーナス」 後姿のほうがいい) さて、釧路の幣舞橋で4体の裸婦像を観察してきたので、勢いづいてJR静岡駅南口、バス乗り場に建っている裸婦像を観察に行った。「勝利のヴィーナス」(上)と「洗濯する女…

手塚治虫的「硅素系の生物」ヌード

黒光も守衛も逝きぬ裸婦秋思 ヌード彫刻から、手塚治虫のある漫画を思い出した。記憶を手がかりにネットで探すと「サンダーマスク」というタイトルだった。99%省略して最後の一こま。 宇宙からきた硅素系の生物が美少女に取り付き、彼女は石のような硅素…

イネ科は苦手ですー3(ススキとナンバンギセル)

道の辺の尾花がしたの思ひ草今さらさらに何をか思はむ (万葉集巻十 2270) (秋の草の花) ブログにいただいたコメントに、ナンバンギセルがススキに寄生して枯らしてしまったというお話があった。ナンバンギセルは寄生植物で、ススキやチガヤ、ショウガ、…

イネ科は苦手ですー2 (ススキとオギ)

業平の峠を塞ぐすすきかな (オギの穂のなびき:茎は一本立ち) ススキとオギは区別がつけにくいが、私は、湿地に生えていて、一本ずつ真っ直ぐに立っているものを、まずオギだろうと考えるようにしている。これに対してススキの生えるのは湿地ではなく、ま…

能「羽衣」の説話

清水の三保の松原を舞台に「三保羽衣薪能」が毎年ひらかれていて、今年は第33回となる。友人の誘いで出かけたが、あいにくの雨で能はホールでの開催になった。本来なら三保の伝説の「羽衣の松」を背景にして富士の峰を遥かにのぞみつつ、天女の舞がみられる…

イネ科は苦手ですー1

吹きわたる風いざ立てよ草の絮(わた) イネ科の草は、同定がむずかしい。地味だし、雑草としてはしつこいから、野草が好きな御仁でも敬遠する人も多いのではないか。 ただし、稲、麦は人類を飢えから解放し繁栄に導いた偉大な植物だし、日本人にとってスス…