手塚治虫的「硅素系の生物」ヌード

黒光も守衛も逝きぬ裸婦秋思
 
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ヌード彫刻から、手塚治虫のある漫画を思い出した。記憶を手がかりにネットで探すと「サンダーマスク」というタイトルだった。99%省略して最後の一こま。
 
宇宙からきた硅素系の生物が美少女に取り付き、彼女は石のような硅素系の生物になってしまう。硅素系の生物は、われわれ地球上の炭素系生物とは、ながれる時間が違い、彼女はほとんど石化し動かないようにみえる。しかし死んだわけではなく、極めて緩慢に動いている。「五年たって見てみると、彼女の指の位置が少しかわっていた。」という、人間にとっては超時間的な緩慢さである。
その漫画の最後の駒を探したので、掲載する。
 
もしかしたらヌード彫刻は、誰かの心の中に生きている生き物であり、きわめて緩慢に動き続けているのかもしれない。それは将来、人類が滅んでも生き続けるのかもしれない。
そんな妄想をしてしまう。
 
(駄句は相馬黒光がモデルではないかといわれる荻原碌山の「女」像から。)