2019-02-01から1ヶ月間の記事一覧

春兆す 3句

その人は峪の奥なり節分草 赤黒きものの芽ひとつ娑婆に出る 春は詐欺師春は人買い蕗の味噌

石の夢想ー2 (鈴石)

石は石草また萌えても石のまま 今回は「鈴石」。 実はこの石を、私は10年ほど前に本で知り探してみたが見つからないで諦めていた。ところが先日、たまたまあるサークルで知り合った人と話をしていたら、この石が話題に出てきた。早速場所を教えていただいて…

石に夢想するー1 (肥付石 こえつきいし)

大石に残る二月のあたたかさ (路傍の 肥付石 ) 私は静岡平野の北隅に住んでいるが、この辺りは昔からひどい湿地で米作にも適さない農村地帯だった。いま急速に都市の外縁になっているが、まだまだ散歩していると、集落の角々に庚申塚や馬頭観音みたいなも…

私的な(俳句的)風景画論ー1

立春やマチスの空に開く窓 (マチス 「開いた窓、コリウール」 1905年) 静岡に県立美術館ができたのは1986年、もう30年以上が経った。 館の基本的なテーマは「風景画」だった。当時山梨県立美術館がミレーの「晩鐘」で集客していたのに対し、漠然とした「風…

セツブンソウ 可憐な神々しさ

節分草を見入るイエスの誕生のごと 節分の、まさにその季を見計らうかのように、セツブンソウが顔を出した。この可憐さ、そしてあまりに正確な几帳面さ、甲斐甲斐しさに、命の神々しささえ感じてしまう。 大げさに言えば、キリスト降誕図を見るような気持ち…