2018-09-01から1ヶ月間の記事一覧

曼珠沙華は古典には出てこない?

曼珠沙華茎をみどりに揃え持つ (最近は黄色や白もよく見かける) この花は古くから日本に生えていたはずで、よく目立ち、彼岸花、死人花、キツネノカミソリなどといろいろな呼び方をされるが、どういう訳か日本の古典にはあまり登場しない。 万葉集にはイチ…

秋の笛の音をきく

笛吹いて秋の女神を踊らせむ 静岡リコーダーフェスティバルという催しにいってみた。アマチュアのリコーダー愛好家、団体が参加して、丸一日音楽ホールを借り切って、マラソン演奏するという初めての企画である。この日は、24団体、240人が登壇した。 グルー…

雑草という言葉

来世はエノコログサでもよしとせむ (オオエノコログサ? イネ科) 昭和天皇が、雑草という言葉を、 「どうもこの名前は少し侮辱的な感じがして好きではない。水田、畑に生え栽培植物の生長を妨げる植物や、道端に雑然と生えている植物のうちにも、花が咲いた…

八千草の花の野辺ー2

八千草に囲まれて居り手に図鑑 虫が鳴く季節になっている。風も気持ちがよい。 河原は一面の草原で、草やぶの陰には何があるのか全く見えない。 骨も見えずむくろも見えず草の花 子規 (明治29年) (ママコノシリヌグイ タデ科) 弦状の茎に下向きの小さな…

八千草の花の野辺-1

ウォーキング止まってばかりや草の花 (センニンソウ キンポウゲ科) 10歩進んでは屈みこみ、暫くして立ち上がって、また5歩進んだと思ったら立ち止まり。今度は何枚も写真を撮っている。これではウォ-キングにならない。 しかし野辺の道には八千草の花が咲…

秋 来ぬと(パロディ)

秋きぬと目にはさやかに空の瑠璃 秋きぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる (藤原敏行) よく知られた古今和歌集の歌。風の音に秋の到来を気づいた繊細な感受性が、平明に歌われている。日本人の季節の感受性を、言葉に定着させたような歌…