2019-01-01から1ヶ月間の記事一覧

蕪村最期に白梅さいて

寒梅やバカボンパパの鼻毛伸び 白梅や塗り残したる空の色 梅が咲き始めて、ほのかな香りが漂ってくる。 一月の冷気の中で、たまゆら陽射しがつよく射す折があるが、そんなときは梅の花が最も美しく見える。じっと見ていると白梅は、まばらな花の背後に透ける…

稀勢の里 引退

初場所や逸(はや)る若手のぶちかまし (ネットの報道写真を借用) 稀勢の里が引退した。 「相撲人生に一片の悔いもない」と語ったが、実のところはどうか。 私も肩を痛めて右腕の持ち上げる力が半分も入らない経験をしたが、おそらく彼はそんな状態で土俵…

初春の久能山東照宮と日本平へ

四百年千百五十九段に寒桜 親戚が来たので、国宝になった久能山東照宮と日本平を案内した。 東照宮は久能の浜側から詣でると、1159段の石段を登ることになる。1159を「いちいちごくろうさん」と言ったらしい。日本平のロープウェイからだとこれが100段で済む…

初空に鳩がとぶ

初空にピカソの鳩を放ちけり 三が日、晴天が続いた。 ハトが群れを成して青空を飛んでいる。二手に分かれたかと思うと、急旋回して一羽もぶつからずに見事に再度合流する。 ハトを見上げながらぼんやりピカソの絵などを思い起こしている。 そのうちにバタバ…

禅寺にも淑気

禅僧の青き頭の淑気かな 静岡の臨済寺は臨済宗の禅の修行寺である。 戦国時代に東海地方の雄であった今川義元の菩提寺でもあり、徳川家康(当時竹千代)が人質となり、この寺で幼少時を過ごしたことでもよく知られている。竹千代の小さい部屋も残されている…