2018-02-01から1ヶ月間の記事一覧

春の巫女

白足袋の舞殿に軽し春の巫女 (清沢神楽 小学生の順の舞い) 静岡浅間神社で催された「大神楽祭」をみてきた。 神楽といえば、冬の神事で古いお堂の中というイメージだが、梅の香の漂うような春の日差しの中で乙女が色鮮やかな袂を振って舞うと、本当に晴れ…

白菜 なぜ巻かない?

白菜の玉結ばぬが愛おしき 家庭菜園を楽しんでいる友人が、冬菜をいろいろ持って来てくれた。採りたて野菜はやっぱり美味いし、今年は野菜が少なくて異常な高値なのでありがたい。 で、写真はそのうちの一つ。直径が50cmじゃ利かないほどに大きい。 これが白…

樹木の花を3句

暖かい日はついつい庭で土いじり。花芽木の芽に一喜一憂。オリンピックもそっちのけ。 最近、植物への親密性が、歳とともに増している気がする。 生命樹によれば動物も植物も命の誕生した当初は同一で、あるときから別の進化の道をたどったのであるから、人…

ルノワールの「洗濯女」と妖怪

ルノワールの「小さい洗濯女」 シュテーデル美術館 JR静岡南口に、ルノワールの彫刻が2体あることは、以前ブログに書いたことがあるが、その一体は「洗濯女」で、屈んで片膝をたて洗濯物を手にした裸婦像である。 (参考:https://blogs.yahoo.co.jp/geru_s…

今年も節分草がきてくれました

三寒あれど四温なき日々セツブンソウ ちょっと乙女風にいえば、2月の風が吹き始める頃、必ず来てくれる私の小さな妖精。この律儀さ、このつつましさ。けれど侮ってはいけない。植物学者はいう。白い花びらは、本当はガク。花びらを、黄色い蜜腺に変えてしま…

ドボルザークの歌劇「ルサルカ」水の精とは?ー4

5 水の精は、つねに美しい乙女だというわけではない。 現に、ルサルカについては 「ロシアや東ヨーロッパの民間伝承に登場する、淡水に住む精霊。ロシア南部では彼女たちは長い金髪を持つ美しい乙女として描かれ、透き通った白い服をまとっていることもある…

ドボルザークの歌劇「ルサルカ」水の精とは?ー3

4 アンデルセンの人魚姫は、泡になってしまうのだが、そこから想起するのは、青木繁の「わだつみのいろこのみや」の絵である。 この絵は、日本神話の海幸彦山幸彦の一場面を描いたもので、山幸彦が兄海幸彦の釣り針をなくして、それを探しに海の宮に今し降…

ドボルザークの歌劇「ルサルカ」水の精とは?ー2

2 水の精と王子の恋と破綻という物語は、さまざまなバリエーションで西洋各地に伝えられていたようだが、われわれがよく知るものは、フーケの「水妖記」、ジロドゥの「オンデーヌ」、水の精ではないがアンデルセンの「人魚姫」などがある。(逆に言えば私は…

ドボルザークの歌劇「ルサルカ」水の精とは?ー1

開演前の舞台 1 静岡でドボルザークのオペラ「ルサルカ」を観る機会があった。 ドボルザークといっても、「新世界から」とか弦四「アメリカ」くらいしか知らないので、いったいどんな歌劇なのか興味津津だったが、期待に背かないもので、ラストシーンなどは…