#観劇

ドボルザークの歌劇「ルサルカ」水の精とは?ー4

5 水の精は、つねに美しい乙女だというわけではない。 現に、ルサルカについては 「ロシアや東ヨーロッパの民間伝承に登場する、淡水に住む精霊。ロシア南部では彼女たちは長い金髪を持つ美しい乙女として描かれ、透き通った白い服をまとっていることもある…

ドボルザークの歌劇「ルサルカ」水の精とは?ー3

4 アンデルセンの人魚姫は、泡になってしまうのだが、そこから想起するのは、青木繁の「わだつみのいろこのみや」の絵である。 この絵は、日本神話の海幸彦山幸彦の一場面を描いたもので、山幸彦が兄海幸彦の釣り針をなくして、それを探しに海の宮に今し降…

ドボルザークの歌劇「ルサルカ」水の精とは?ー2

2 水の精と王子の恋と破綻という物語は、さまざまなバリエーションで西洋各地に伝えられていたようだが、われわれがよく知るものは、フーケの「水妖記」、ジロドゥの「オンデーヌ」、水の精ではないがアンデルセンの「人魚姫」などがある。(逆に言えば私は…

ドボルザークの歌劇「ルサルカ」水の精とは?ー1

開演前の舞台 1 静岡でドボルザークのオペラ「ルサルカ」を観る機会があった。 ドボルザークといっても、「新世界から」とか弦四「アメリカ」くらいしか知らないので、いったいどんな歌劇なのか興味津津だったが、期待に背かないもので、ラストシーンなどは…

能「羽衣」の説話

清水の三保の松原を舞台に「三保羽衣薪能」が毎年ひらかれていて、今年は第33回となる。友人の誘いで出かけたが、あいにくの雨で能はホールでの開催になった。本来なら三保の伝説の「羽衣の松」を背景にして富士の峰を遥かにのぞみつつ、天女の舞がみられる…

ポポイ・・・または変なオペラ

友人に誘われ「ポポイ」という変わったオペラを観た。本邦2度目の公演というレアな舞台で、会場は静岡のAOIホールである。 原作は倉橋由美子の同名の小説で、台本・作曲は間宮芳生、演出は宮城聰。指揮は寺嶋陸也で3月に彼の作曲になる「「無一物の生」-…