2017-09-01から1ヶ月間の記事一覧

花野のたくましい花たちー3

前世も花野のここに居たような 秋の野に蔓延る(はびこる)草たち3種をフォーカス。 ナヨクサフジ(マメ科) 色がきれいで目をひくが、最近増えてきた気がする。一応ナヨクサフジとしておくが、ツルフジバカマ、クサフジというよく似たものがあるので、正確…

子規を偲ぶ および秋海棠のこと

喩えれば樫の木刀子規偲ぶ (根岸の子規庵) 9月19日は子規の命日である。 俳句の世界では、例えば西鶴忌、去来忌、蛇笏忌といった具合に著名人(俳人が多い)の命日を季語としていて、俳句歳時記をみるとその数が呆れるほど多い。 しかし、子規のばあいは命…

ゴーヤぶらぶら

苦瓜の飼い馴らされし苦味かな 軒下にグリーンカーテン用にとミニトマト、キュウリ、ニガウリ、ツルムラサキなどを適当に植えて、これまた適当に収穫?して楽しんでいるが、出来はといえば、もとより原価割れである。そんな中、今年は苦瓜(ゴーヤー、茘枝)…

葛とキツネ (花野のたくましい花たちー2)

葛の雨花もケモノも葉の陰に いま、河原は堤防から川岸まで一面のクズの葉の海。こういう原っぱを「真葛原」という。 クズの原に足を踏み入れると、甘い香りが漂ってくる。粗野なツルと葉からは思いもつかない上品な香りである。花はどこかと、あたりを見回…

花野のたくましい花たちー1

ひとり来てひとり暮れゆく花野かな 静岡は、つい先だってまでの蒸し暑さが嘘のように、爽やかな涼しい空気に覆われてきた。 野原には多くの可憐な花たちが咲き始め、虫の声が途絶えることなく聞こえている。 野原を席巻しているのは、つる性の草たちだ。夏か…

ウスバカゲロウ 空へ

アリ地獄翅(はね)得てどこかへ翔び去りぬ ガレージ(実際は物置)の壁についていたのは、多分ウスバカゲロウだと思う。足下には毎年いくつかアリジゴクの穴ができる。あてもなく翔び立っていって、うまく交尾の相手を探して子孫を残せるのだろうか。 まあ…