#俳句、川柳

ホタルカズラ 草むらに深海の色 (ムラサキ科)

草むらに蛍蔓や海の碧 (もっと深い青だがうまく色が出ない) 庭にはい回っているホタルカズラが、花をつけた。 花は、深い鮮やかなマリンブルーで、一目見ると釘付けになるほどだ。咲き始めは淡い紫色に近いが、数日たつと徐々に青みを増して、写真のように…

バロック音楽の皆川さんに

うしろより見る三月の去りゆくを バロック音楽のラジオ番組「音楽の泉」の終わりに、解説の皆川達夫さんが一言、退任のご挨拶をされた。「92歳になりました」「さようなら」とおっしゃられたときには、私の中で何か一つの時代の幕が下りた感じがして、思わず…

名句に教わる8 春の水 (虚子、誓子)

春の川は、堰をきって流れキラキラして、まるで水の角が取れたような躍動感がある。みているだけで命の喜びを感じ、ついつい時間を忘れてしまう。 さて、たまにはプロの俳句を。 橋に立てば春水我に向かって来(昭和13年:虚子64歳) 春の水の勢い、雪解け水…

早春の山の花たち

ぷつぷつと面皰(にきび)が痒し木の芽時 (キブシ) 先日700mほどの近くの山、高山市民の森(静岡市)に登った。といっても駐車場に車を停めて、そこから登るのは高低差100mほど。 早春の木々や草花の芽吹きを見に行くのが目的だったが、風は冷たく、草木…

カンアオイ 枯葉にひっそり

山城の空濠深しカンアオイ 里山をウォーキングしていて、「アオイ」を目にしたので、記しておきたい。私はあまり目にすることがない野草である。 ひとつは藤枝市岡部町、一つは静岡市の丸子の山中であった。この二つが同種なのか、何という名前なのか、私に…

玉之浦(ツバキ)と遣唐使のつながり?

風にあらずメジロ啄む花ツバキ 庭のツバキが、今年はこの十年でなかったほどたくさん花をつけた。5年ほど前は、ひとつもつけなかったのだが、どういう事情があるのだろう。 これは玉の浦という人気のある品種。花弁は赤だがその縁が白く彩られていて目を奪…

マンサクにコロナ

マンサクのころなり郷を出で立ちぬ 新型コロナウィルスが感染拡大。政府はバタバタと休校を要請、野球もサッカーも自粛。株は下がり、裁判員裁判も延期。マスクがない。 冒頭の俳句は、コロナをよみ込んで、遊んだもの。 (湯殿山への道で) さて、マンサク…

モグラの穴に驚く!

春の野や土竜(もぐら)は眠くやわらかく 公園の芝生にモグラのトンネルがよく見えていた。音と臭いでミミズを追って捕まえ、さばいて泥を出して食べるのだという。本当かな。 我が家の北側にも棲んでいて、たまに穴をつぶしたりするのだが、ネズミに比べて…

葉ボタンも薹が立つまで

葉牡丹や薹立ち咲くまで見とどけむ 正月用に毎年、葉ボタンを寄せ植えにするのだが、今回は矮小の寄植え鉢を買ってきて間に合わせてしまった。小さいけれど玄関わきに置くと、幾分は華やいだ演出になる。 この葉ボタン、もともとキャベツと同じものだという…

暖冬大寒

大寒の地の底を打つ鼓動かな (早々とリュウキンカが咲いた。雪山では4,5月頃咲く花だ。) 暖冬で、雪国に雪がない。クマは冬眠しない。ヒマワリが咲き始める。 困ったものだ。 という以上に自然の微妙で複雑なバランスが壊れると、いろいろ問題が起きて…

どんど焼きの炎に

焼け残りダルマの眼にらむどんど焼き どんど焼きが近くの野原で11日に行われた。 地元の自治会主催で10年ほど前から行われ、昨今は人出もなかなかなイベントに成長した。私は今年度、町内会の役員が回ってきたので、会場整理係で半日おつきあいとなった。 予…

七草粥と若菜摘み

朝日射す七草粥のうすみどり 正月7日の朝は、ささやかな習わしとして七草粥にすることにしている。七草は、もちろんスーパーで買ってきたものである。電気釜で粥炊きにセットする。 椀から湯気がたちのぼり、朝日に当たって光る。セリの匂いが立ち込める。 …

初山河・初詣

仮設屋や淑気小さきドア飾り 災害の多かった2019年。まだ仮設で大勢の方が生活されている。今年はオリンピックだが、まずは災害が少ないことを祈らずにはいられない。 大晦日の深酒が覚めてきた元日の午後、近くの浅間神社に初詣。しかし閑散とした境内には…

「時雨」連想―2

塾に行く足渋らせる時雨かな 「さんさ時雨」は誰もが知る東北の民謡。伊達政宗の作という風説もあるが、事実はそんなに古くはなく江戸の中期以後、京都以西で唄われた恋の流行唄が伊達領一帯に移入されたものという。*3 とすると、「しぐれ」が好きな芭蕉…

音楽ストリーミングサービス なるもの

冬籠りこのスピーカーとも五十年 (探すに一苦労の雑然としたCD棚) IT音痴の話。 息子が家に来て、積み重なった私の本棚やCDの棚を見て言う。 「親父が亡くなったら、俺がこれを処分するのか?」 まあ多分そういうことだろう。と、私は心の中で思う。 そ…

思い出のCD(アンナー・ビルスマ)

貧しきは幸いなるか聖夜凍む 古楽演奏の大家、アンナー・ビルスマが今年亡くなった。ピッコロチェロという小型のチェロを弾き、さわやかな演奏を聴かせてくれた。 私は彼のCDを2,3枚持っているだけで、熱心なファンという訳ではないのだが、忘れられな…

「時雨」連想ー1

照る翳る降りみ降らずみ谷戸時雨 (太平洋側だが、時雨雲らしい) 「時雨」という言葉は、人気がある。深まりゆく秋の山河や濡れそぼつ旅人のイメージを喚起して、日本人好みなのだろう。私も上手く使ってみたいと予て思っている。 たとえば、山頭火の「草木…

ベートーベンの「寒月ソナタ」

寒月や隠れ処無し樹も我も 煌々と月が照っている。今宵は満月で辺りも異常に明るい。世界がくっきり見えている。 疑うらくはこれ地上の霜かと これは李白だったが、今夜の月はこんな詩を思い起こさせる。確か李白は、 頭をたれて故郷を思う のだったはずだ。…

錬金術でユズ黄金

黄金柚子錬金術師も苦笑い 小さいポットに植えたヒメユズが20個ほど色づいてくれた。それにしても、緑色の小さい実が立派な黄金に成長してきた様は、見事としか言いようがない。西洋中世の錬金術師も斯くやと思われる。 ひとつ採って味見をしてみたら、い…

秋の田の季語「ひつじ」?

園児らの一本道やひつじの田 「ひつじ」という言葉を最近、俳句歳時記から教わった。意外にも、秋に田んぼの切り株から生え出た稲のことだという。 静岡は暖かい気候のせいか、秋なのにまるで田植えをした後のように稲が青々としている。そして稲穂も見える…

越前から野菜来る

前田殿熊と競いて柿をもぎ 越前大野の友人から、思いがけず段ボール箱が届いた。開けてみると、柿30個ほど、辛そうな大根、赤い大カブが出てきた。名物羽二重餅もひと箱入っている。 メモ書きを読むと、柿は、熊が来るので危ないから早く取り入れろと市か…

カラスウリの実と花は

カラスウリ「たまご」と言いて小さき掌 この時期、裏山を歩くと藪にカラスウリが見つかって楽しい。その赤といい、その丸い形といいいかにも何かを訴えているようだ。たぶん種の拡散のため鳥に啄んでほしいのだろう。 人間様もついつい枝を引いて取り、しば…

青いバラ (名句に教わる7:池田澄子氏) 

青い薔薇あげましょう絶望はご自由に 池田澄子(1988年『空の庭』) (写真:wikipediaから) 青いバラは、今日こそ市販されているがもともと自然界には存在しなかった。 2004年にサントリーが遺伝子操作で開発したものだというし、おそらく作者が吟じたころ…

ラグビーとアザミいろいろ

風神も避けて通るやフジアザミ 9月の半ばに友人たちと富士山麓を歩いて「フジアザミ」をたくさん見かけた。大きくて棘も鋭く粗野な印象。 下の写真は「トネアザミ」に近いかなあと思われるが、アザミは種類が多いので、品種を同定するのが難しいので、自信が…

ヤブマメとアイヌ文化

藪豆の組み敷いて芒開かざる やぶやぶしたところを注意してみると、背の高い草や木に絡んでいる。スラっとした姿で、ちょっと上品な感じがする。花の紫色の印象かもしれない。 図鑑では、この花は「形の異なる3種類の花をつける写真のような開放花と、花が…

子規の命日 獺祭忌

老化など屁の河童なり獺祭忌 (子規が写生した草花)草花を画く日課や秋に入る 子規 9月19日は、子規の命日だった。亡くなって117年になる。 子規は獺祭書屋主人というペンネームを使ったことがある。俳句で、子規の命日が獺祭忌ともいわれる所以である。 …

秋晴れの富士山宝永火口

天高し山巓遠し道嶮し (宝永火口の縁から山頂を仰ぐ) 先日友人らと4人で富士山ハイクにでかけ、絶好の秋晴れに恵まれた。 ところが、この日は秋の3連休、しかも夏山シーズンの入山規制が終わり、マイカーで新五合目まで入れるとあって、予想以上の混雑だ…

「き・らめく・・・展 2019」を見て

美術展わが絵恥ずかし部屋の隅 八月の末、新聞で目にした「き・らめく・・・展 2019」を静岡県立美術館に見にいった。名前も知られていないマイナーな美術展なので、同館で同時開催されていた熊谷守一展に比べ客足には当然雲泥の差があった。 ちょっと変わっ…

秋の花野のセチメンタル

めぐりあう不思議哀しき花野かな まだ日盛りの堤防は体にきついが、それでも時折の涼風に慰められながら、少し歩いてみた。暑い暑いと怠けているうちに、季節は確実に秋を深めているようだ。花たちはすっかり秋の風情である。見渡すばかり緑の草が、ことごと…

殺人ロボット

働くはロボットのみの酷暑かな ジュネーブで「殺人ロボット兵器」の規制を話し合う国連の会議があり、国際人道法を順守するなどの議長報告が取りまとめられたが、各国の意見の隔たりが大きく、法的な拘束力を持つ条約などによる規制は難しい状況のようだ。 …