#俳句、川柳

駅伝 そして走るということ

駅伝やしんがりが来るまで寒し 駅伝の季節が始まった。 昨日、静岡市町対抗駅伝という恒例のイベントがあり、近くの田んぼの道がコースになっているので、応援に出かけた。この区間は高校男子なので、速い生徒は素晴らしい美しい走りを見せてくれる。ただし…

赤黒い月蝕にちなんで

大いにフィーバーした月食だが、花でも赤く変色するものがある。取り上げたもののほかにもマツヨイグサなども赤く変わるが、今日はいい写真がない。 月蝕や赤き熟柿の堕ち枝に 11月8日の宵に皆既月食があった。月が赤黒く陰るのはやはり不気味だ。天王星…

ミゾソバやタコノアシなど秋の沼

みぞそばの瀬を跳びかねて遠回り 近くの沼を散歩していると、ミゾソバが満開だった。見れば見るほど砂糖菓子のようで可愛い花である。 みぞそばや金平糖のお姫さま こんな句が出てくる。 サクラタデはもう終わり。今年は台風15号の出水で花の時季に泥かぶ…

対馬の石は面白い

防人の積みし石なり北西風(アナジ)吹く (あなじ、とは対馬でいう冬の北西風のこと。対馬は風が強い。) 金田城 対馬の金田城は、663年に白村江の戦いに大敗した大和政権が、防衛のために急造した山城である。山頂を取り巻くように石を積む朝鮮式なので、…

韓国が見えた

望郷や海市の如くプサン見ゆ 対馬の最北端、韓国展望所までは厳原から約80キロ。途中の道路は整備が進められていて長いトンネルがいくつも島を貫いていた。そしてほとんど制限速度表示がない、ということは普通60kmということでこれも本州ではあまり見ないこ…

曾良(俳人)の墓

壱岐の宿なるほど硬し新豆腐 (河合曾良の墓) 曾良の墓が、壱岐にあると知ったのは司馬遼太郎の「街道をゆく」からだった。 司馬遼太郎によれば、曾良は芭蕉の亡きあと、幕府の巡見使の一員となって壱岐にわたり、島の北端にある勝本の港の海産物問屋中藤家…

季語「春一番」は壱岐うまれ

壱岐対馬つかず離れず冬の靄 (防潮堤の文字が目立つ) 壱岐では、郷ノ浦に宿をとった。早朝に漁港を散歩すると、快晴の玄界灘は水平線まで雲一つなく、素晴らしい深い海の色だった。句にしたような靄など全くない。 入り江の防潮堤に進むと、大きく書かれた…

すすきの穂が出て

穂に出でて風におどろくススキかな ススキが美しい季節だ。 一つ一つの穂花もいいし、群生して風に波打つのもいい。古来日本人がこの姿を愛でてきたのも納得できる。しかも屋根をふくにも欠かせないものであればなおさらである。 枕草子64段は知る人も多い…

山芋が花鉢から採れた話

山芋の蔓枯れてあり掘りてみん とんでもないところから、山芋が見つかった。 鉢植えの蔓バラが最近あまり咲かないので、整理しようと思って鉢から抜くと根がびっしりと回っていた。ところがその一番下に太い白い根がとぐろを巻いている。変な根だなあ、と思…

ことしも白萩

黄蝶きて萩さわぎ立つ日の光 白萩が満開になった。遠慮なく花をこぼしている。 そして決まったように黄色の蝶が2,3匹やってきて、花叢の上でくるくると舞い踊り、舞い降りて枝にとまりじっとしていたと思うと、早々にまた高く上がったり。賑やかで楽しそ…

台風15号

秋出水安否電話の長話し (近くの公園も浸水) 台風15号が、静岡県内に大きな被害をもたらした。 9月23日から24日にかけて、県内に線状降水帯が発生し記録的な大雨をもたらした。静岡市で12時間に404㎜、これは半日で平年の9月1か月分の雨量の1.4倍に達す…

名月を仰いで雑感

射しこんで白き乳房や月今宵 「絵のない絵本」は、お月様が空から見えたものを語る、世界各地の人々の悲喜こもごものお話だが、現在ならウクライナの戦場、イギリス女王の国葬、日本の国葬、熱波、大雨、洪水。こんな風景が話題になるのだろうか。 掲載駄句…

ゆきあいの空

ゆきあいの空やタケミツ・サウンドも この時季、おやっ!と思うほど空が青く見える時がある。 先日も堤防を歩いていると、秋らしい雲と夏らしい雲が、それぞれに輝いているのがみえて、美しいと思った。高い空にすじ雲、そして山際から湧き出しているのは、…

キツネノカミソリ (ヒガンバナ科)

キツネノカミソリが咲いている、という新聞記事を見て重い腰を上げた。 場所は高山という市民の森で、静岡市街地から小一時間ほど。標高700mの山頂は広場になっていて、立派な山桜が一本枝を張っている。眺望も素晴らしく静岡市街、駿河湾、そして遠くに富…

子規の残暑

寒暖計八十五度 病人に八十五度の残暑かな 子規 (今朝はまだ涼しい) なくなる前年、明治34年9月9日の句である。「仰臥漫録」にあるが、虚子は選句していない。 85度は、華氏だろうから摂氏に換算すると、29.4度Cになる。(そういえば昔の寒暖計には摂氏と…

ヤブカラシ (ブドウ科)

変電所立ち入り禁止ヤブカラシ 世界は異常な暑さ。日本もまた同様で、連日猛暑日だ。 この暑さで、我が家の梅の木も葉が全部落ちてしまった。ブドウもどんどん枯れて落葉している。しかし野原のクズやヤブカラシは平気そのもの、しっかり蔓を伸ばしている。 …

「千と千尋の神隠し」とハイドン

八月やピアノを撃(たた)くバルトーク ハイドンのピアノソナタを流していたら、あれ?!というメロディーが聞こえてきた。Ⅾ major・Hob.XVI: 19(ソナタ第19番)の第2楽章、Andanteである。 この曲が、「千と千尋の神隠し」のなかに出てくる「いつも何度でも…

兵馬俑とロダンと

兵馬ねむる大地に春や二千たび (腰を下ろして弓を構えている) 静岡県立美術館に、兵馬俑の巡回展がきたのでみにいった。 兵馬俑は、秦の始皇帝を死後にも守るために、埋められた兵士や馬などの像である。2200年もの時を経て目覚め、世界遺産に指定された。…

青柿青葡萄

未熟さも美し青柿青葡萄 急激な異常高温、6月からの猛暑日。ゲリラ的な豪雨。 こんな天気では、人間だけでなく、植物も疲れてしまうようだ。青ブドウにも萎びた粒が目につく、柿はたくさん落ちたが、残っているものも色形が悪い。未熟な柿や、ブドウはいい…

蓮をみる一茶

オモダカもハスの盛りに咲きけるを (オモダカ) 蓮を見に、朝食を済ませて直ぐに出かけた。車で5分ほどの沼地。 このところ極端な暑さなので、とても蓮見に行く余裕などがなかったが、今朝は雨模様で幾分涼しい。 午前中の花は、やはりきれいだ。 蓮の花は…

狭庭の花レポート

青簾富山の風鈴蚊遣り豚 (ウツボグサ シソ科) どうやら梅雨に入ったようだ。今日も昨日も雨。 句は、夏になると出てくる定番の小物たち。富山の風鈴は、かつて高岡市の万葉歴史館を訪れた折にそこで買ったもの。 庭には、ウツボグサが咲き始めた。キキョウ…

「卯の花と小町」雑談

色うつる卯木の花を挿頭(かざし)かな 山では卯木が満開。種類もいろいろだ。 おや、花の色が白とピンクのものがある。 帰宅して調べたら、ハコネウツギ(もしくはニシキウツギ)らしい。いずれも白から赤に変化し、両者の区別は難しいとのことなので、即断…

富士山のまぼろしの滝へ(付 伊奈神社)

雪解富士 山気降りくる沢の陰 (左下に向けて沢を水が落ちるとのこと:写真は河床だけ) 富士山の雪解け水が流れ下り、滝が出現する。5月頃の一時に現れる現象で、人呼んで「まぼろしの滝」。友人の誘いにのって出かけてみた。 場所は須走登山口(静岡県小…

ニセカラクサケマンでしょうか??

草茂る名前も風も横向きに おや、見かけない花だね? 最近、静岡の麻機遊水地がさらに拡張された。まだ雑草の少ない、広々とした水辺の風景は心地よい。そこに見たことのない花を見つけた。 ムラサキケマンが何かおかしく生育してしまったのか?それともヨナ…

チガヤまたはツバナ

空につづく径浄めたる茅花かな この季節、チガヤの花穂が真っ白に風になびいて美しい。 白というより光というほうが感覚としては近いかもしれない。俳句ではこの風を「つばなながし」といい、特別扱いしていることでも、この花穂に対する日本人の思い入れが…

立夏の白い野草たち

卯の花を挿せば小雨となるやらん 今日は白い花にスポットを当ててやろうと思う。 先ずはウノハナ。といってもこれはバイカウツギで野草と書いたが園芸種かもしれない。微かに香るのも品がいい。 でも、わが狭い庭の草たちは、今が盛りと生長し花をつけている…

ヒマラヤを単身越えてチベットに密入国した慧海(えかい)

漢(おとこ)らの時代は過ぎ去り五月鯉 慧海が越えたネパール・チベット境のクン・ラ峠(5,411m) (参考に、稲葉香さんというヒマラヤを探検している女性の本(*2)が出ているので、写真を使わせていただいた。彼女は慧海に刺激を受けて、彼の辿ったルー…

ウグイスとイソヒヨドリ

囀りや森の深くは暗きまま (情けない写真だが、ウグイス) 最近家の近くにウグイスが毎日来て、早朝から美声を聞かせてくれる。 今年の彼は歌が上手くて、ケキョの部分を二度繰り返し気味に鋭く響かせ、これまで聞いたなかで指折りだ。このケキョが、街に響…

柳絮、柳を挿すということ

芽吹きから青柳までの早さかな 公園を歩いていると、おや?白いものがたくさん飛んでくる。 柳絮だ。これはヤナギの花のホワタで、近づいてみると今を盛りに枝も真っ白である。 柳絮、と書くと、なんだか中国の古い時代、唐詩や伝奇集を思い出して現実離れし…

馬酔木の花柄摘み夢想―2

二上山に皇子は眠るや花馬酔木 (山辺の道の崇神天皇陵から見た二上山) 謀反の罪で誅殺された大津皇子は当時24歳。天武が逝去した二十日余り後のことで、逮捕して翌日に処刑された。歴史家は、これはのちの持統天皇が自分の息子、草壁皇子の皇位安泰を図…