#俳句、川柳
木の実あり草の芽もあり春隣り 沼の周辺を歩くと、風景は枯野。冬木立。 水面にはカモの類、カワウ、サギ。水は鉛色だ。それでも釣りをする人も居れば、望遠鏡で鳥を見る人にも出会う。 日差しにもいくぶん春の気配がする。まだまだこれから大寒がくるのだが…
円空の鑿(のみ)打つ如き初日かな 東の山から7時15分頃鋭い初日が射した。思わず手を合わせてしまう。 隣りの古家が撤去されたので、今まで来なかった朝日が射す。体に突き刺さるようだ。 さて今年も頑張らないとね。 初景色太平洋はまったいら 世界遺産…
どら焼きとはんぺんと富士の笠雲と 車からみえた初冬の富士山。ぽっかりと笠雲がのっていた。 これまで私は見たことがない。それは本当に「ぽっかり」と霊峰の上に浮かんでいて、ほとんど位置を変えずに、じっと山の上に居座っている。車が進むと里山に隠れ…
襷待つ乙女髪すく冬日向 (ちょっと古いが、3年前の富士山大学女子駅伝:第4中継所) スポーツ音痴であるが、最近、感じたこと2つ3つ。 ひとつは、ワールドシリーズ最後の第7戦は、筋書きのないドラマそのものだった。延長11回、ドジャーズが優勝を決…
藤袴かほりかぼそし独り住む (このフジバカマらしきものも、園芸種だと思われる) 今年は藤袴が病気になったのか縮れてしまい、多くが花に至らなかった。仕方なく大半を刈り取ってゴミに出した。 だが幸いなことに、別な場所で生えていたものが、この数日で…
美術展エゴン・シーレが眼飛ばす 高崎市の群馬県立近代美術館に立ち寄った。 この一帯は「群馬の森」という公園になっていて亭々とそびえる木々が美しい、芝生もいい。特に入口の栃の木の並木がきれいである。ちょうど小学生たちがバスを連ねて遠足に来てい…
あさがおや青あちこちに朝の庭 猛暑日だの危険な暑さだのどうのと言っているうちに、やはり秋がきたらしい、庭にアサガオが咲き始めた。空色の花の周りにほっとする涼しさを感じさせる。 咲いているのは、毎年勝手に咲く、当たり前の、平凡な、何処にでもあ…
米騒動今昔変わらぬ青田風 児玉孝吉 私の句会仲間の一句をお借りした。季節は、青田風から出穂期に移り花が咲きはじめ、田んぼにいくとお米の匂いがうっすらと漂って来る。 (今年は水不足だったが、しっかり花が咲いてくれた) さて、テレビでは米の話がす…
眼閉じればふらつく祷り原爆忌 (10年前の長崎) 静岡市では、この日午後2時半ごろ41.4度という非常識な暑さに襲われた。 静岡市は駿河湾が控えていて極端な高温、低温にはならず穏やかな気候、というのが定説だったが、そんな常識がひっくり返された…
五月幟明治の漢(おとこ)の時は去り (地図を見て島の名前を確認するのも初めてだ) トカラ列島で地震が群発していて、悪石島の島民が避難し始めた。島自体が火山なので逃げ場がないから、住民の不安は尋常ではないだろう。 私が愛読するブログに「辺境にて…
凡夫川越え青富士や修験道 6月末に、富士山の古道・村山道の一部(1200mから1000m)を下山したが、その折に出会った植物を記録する。やっぱり下界とは違う。 キヨスミウツボ (ハマウツボ科) 木の根に寄生し、葉緑素をもたず葉もない。見つけたのは湿り…
ヤブレガサ降っても晴れても知らぬ顔 ヤブレガサの花が咲いた。まだ5月なので早い、もっと盛夏に咲くものと思っていた。 小さい芽を植えてから1年目は葉が1枚、2年目は2枚になって、3年目に花茎が6,70cmほどに伸びて花がついた。 ゆっくりだが着実、そ…
風青し風吸いこみて空となる (5年前の花: おもいきって地味な蘭なので誰も振り向かない) 静岡市を流れる安倍川は勾配が急な川だが、そこに注ぐ支流も急で、各所に小さな滝がある。 1週間ほど前、家からさほど遠くない「鳴沢の滝」という小さな滝に出向い…
老いの喉 山に唄えば山笑う (先月の写真 山桜の時季) いつも散歩に行く山道を歩き始めると、 おや、懐かしい匂いが漂って来る。ミカンの花の香りだ。もう5月だ、早くもミカンの薫る季節になった。 この山道は 新東名のルート確保のために山を削って付け替…
山霞熊も目覚める奥信濃 (高橋喜平「雪国動物記」の挿絵から) 4月9日午後、長野県の北端にある飯山市に熊が出て、 3人が負傷したというニュースが入った。昨今はクマの事件が多いが、これにはびっくりした。現場は私の故郷で、しかも私の生家から2キロと…
永き日や花屋の前の人だかり このところの高温はやはり異常だ。静岡では25度を超え初夏の陽気が続いている。草花もあわてて一斉に芽吹きだ。 (3月13日) (3月24日) 我が家の庭の芽吹きで面白いのはヤブレガサ。ヌボーと白い毛の頭が土から出てき…
人間(ひと)よりも逞しと知る名草の芽 (ホトトギスの芽生え いい色をしている) 3月6日に、初めてウグイスを聴いた。初音、というのだろう。まだたどたどしい。 ようやく春を感じられるようになった。朝方に寒さはあるが、真冬の底冷えとは違う。日が射…
梅の香や花に隠れて富士の嶺 (富士市岩本山公園 梅の名所で富士山もよく見える) 紅梅とは花弁の色が赤いものをいうのだと思っていたが、実はそうではないという。木を伐ったときに幹の内部の木質が赤い色をしたものを紅梅、白いものを白梅というらしい。と…
春を待つ逝くに逝けない老夫婦 先日、永年付き合ってくれた先輩が亡くなった。ここ数年は年賀状やりとりだけになってしまっていたので、まさか、と虚を衝かれた。葬儀中には彼とのいろんな思い出が脳裏に湧き上がってきた。彼は半年ほど病床にあり、ご家族に…
それぞれの宇宙樹めざす芽生えかな ムサシアブミに芽がやってきた。例年より半月は遅い感じだ。 昨年の夏は暑かったし、実を言うと結構陽ざらしにしてしまったので、「まずいなあ、駄目にしたかな」とおろおろしていたのだった。今日数えると、芽が8つ出て…
弥次喜多に倣い街道初歩き (峠の静岡側にある宇津ノ谷集落:街道の趣が少し残る) 初歩きは、弥次さん喜多さんではないが、友人と連れ立って近くの峠道を歩いてきた。東海道の難所と言われた「蔦の細道」と「宇津ノ谷峠」である。この峠は、静岡市と旧岡部…
初富士やハグされている三保の浜 (三保の浜からの初富士) 「何となく今年はよい事あるごとし元日の朝晴れて風なし」 啄木の歌のごとく、さわやかな元旦となった。寒いけれど雨戸をあけてカーテンも明ける。幾分は新鮮な気持ちになる。 さて、午後から清水…
カットマン白鳥のごとしひょうひょうと (橋本・佐藤ペア) 静岡に白鳥が来たという新聞報道をみて、先日沼を散策したのだが、見当たらなかった。朝の靄の中で白鳥が羽ばたいている瞬間をとらえたその写真は、とても美しく、まだ脳裏に残っている。 話はまる…
冬晴れや上毛三山つつがなし (榛名山) 群馬県庁からの眺望がすばらしいと聞いて、前橋に出かけた。県庁の32階にのぼってみると展望ホールになっていて、カフェや放送スタジオがある。都庁に次ぐ高さだという。 (妙義山方面) なるほど!素晴らしい展望だ…
石輝(ひか)る赤城颪(おろし)の切り通し ( 相沢さんが掘り出した槍先形尖頭器 ) 高崎に来たので、念願の「岩宿」遺跡に足を延ばした。言うまでも無いが、日本の旧石器文化発見の記念碑的遺跡である。その現場の切通しを、機会があれば見たいと私は兼ねが…
熱燗で泰西名画をああだこうだ モネの展覧会が国立西洋美術館で開かれていると、テレビの日曜美術館で紹介されていた。 たまたま私は、彼の「印象 日の出」を水彩絵具で手慰みに描いてみたところだった。と言っても、模写などという大そうなものではなくて、…
着ぶくれて天心の星大三角 焼津市の静かな海岸松原の中に、市立のプラネタリウムがある。静岡近辺では珍しい施設だ。 先日近くを通ったとき、ふと入ってみたくなって、20年ぶりくらいで席に着いた。定員は150人だが観客はたったの8人だけだった。約1時間、…
柿一つ天地のあわいにお供えし 庭に、次郎柿の細い木を植えてある。 先日、実ったカキを全部とりこんだ。今年は生り年で、細い木から40ケほどは取れた、が、できは最悪で、まともな形、味をしたものは一つもなかった。多分異常な暑さとカメムシのせいだろう…
だらしない萩を括って愛おしみ 急に空気が冷えてきて、ようやく庭の植物にも気が向くようになった。 その中で、きれいな赤紫が見えるのが、萩の花。 いい色をしている。もうほろほろこぼれて、地面が紫に見える。万葉の昔から人気のある理由が分かる。種類は…
敬老の敬を捨て去り老人の日に (「老」という字の成り立ち ) まったくもって恥ずかしい話だが、敬老の日と老人の日とがそれぞれ別物であるということを初めて知った。 9月15日が老人の日、9月の第3月曜日が敬老の日なのだと言う。私はてっきり敬老の日がな…