野草
藤袴かほりかぼそし独り住む (このフジバカマらしきものも、園芸種だと思われる) 今年は藤袴が病気になったのか縮れてしまい、多くが花に至らなかった。仕方なく大半を刈り取ってゴミに出した。 だが幸いなことに、別な場所で生えていたものが、この数日で…
八千草に囲まれて在り手に図鑑 いつもの山道を歩いていると、小さい白い花が目に入った。数本伸びた枝には、うっすらと毛が生えていて、そこにかわいらしい花がちょこちょこと付いている。今まで見たことがない花だが、マメ科のようだ。 スマホで画像検索す…
萩括り括り括りて花を愛ず 我が家の萩が咲いている。これはミヤギノハギだと勝手に思い込んでいる。 花の一つ一つは小さいけれど可憐な紫の色は、見るほどに心にしみてくる。自分はこんな紫の絵具は持っていない。 けれども実のところ、この萩はしっかり立っ…
凡夫川越え青富士や修験道 6月末に、富士山の古道・村山道の一部(1200mから1000m)を下山したが、その折に出会った植物を記録する。やっぱり下界とは違う。 キヨスミウツボ (ハマウツボ科) 木の根に寄生し、葉緑素をもたず葉もない。見つけたのは湿り…
ヤブレガサ降っても晴れても知らぬ顔 ヤブレガサの花が咲いた。まだ5月なので早い、もっと盛夏に咲くものと思っていた。 小さい芽を植えてから1年目は葉が1枚、2年目は2枚になって、3年目に花茎が6,70cmほどに伸びて花がついた。 ゆっくりだが着実、そ…
風青し風吸いこみて空となる (5年前の花: おもいきって地味な蘭なので誰も振り向かない) 静岡市を流れる安倍川は勾配が急な川だが、そこに注ぐ支流も急で、各所に小さな滝がある。 1週間ほど前、家からさほど遠くない「鳴沢の滝」という小さな滝に出向い…
永き日や花屋の前の人だかり このところの高温はやはり異常だ。静岡では25度を超え初夏の陽気が続いている。草花もあわてて一斉に芽吹きだ。 (3月13日) (3月24日) 我が家の庭の芽吹きで面白いのはヤブレガサ。ヌボーと白い毛の頭が土から出てき…
人間(ひと)よりも逞しと知る名草の芽 (ホトトギスの芽生え いい色をしている) 3月6日に、初めてウグイスを聴いた。初音、というのだろう。まだたどたどしい。 ようやく春を感じられるようになった。朝方に寒さはあるが、真冬の底冷えとは違う。日が射…
それぞれの宇宙樹めざす芽生えかな ムサシアブミに芽がやってきた。例年より半月は遅い感じだ。 昨年の夏は暑かったし、実を言うと結構陽ざらしにしてしまったので、「まずいなあ、駄目にしたかな」とおろおろしていたのだった。今日数えると、芽が8つ出て…
花茨きのふもけふも富士見えず ふらっと、三保海岸へ行って砂浜や松原を歩いてきた。 蒸し暑い日曜日。人出が多いだろうな、駐車場は大丈夫だろうか心配したが予想に反して適度な人出。みなさん大きな羽衣の松の林を通って、潮風を受けながら、さあ富士山は…
閑けさやクマガイソウに風もなし クマガイソウが咲いている、という新聞記事を読んで友人Eと見に出かけた。図鑑でみるクマガイソウの派手な姿を実際に見るとこができると思うと、向かう車中からワクワクした気分になる。 件の場所は、静岡県掛川市倉真で人里…
蜜すこし蝿を寄せたる帰り花 鉢に植えたヒメユウスゲが咲いた。なんと12月、大雪のこの時季にである。目に飛び込むような鮮やかなレモンイエローの花弁。花茎がほとんど伸びていないため、花は地面から突然咲き出している。転がっているように見える。葉は余…
泡立草美し 瑞穂のど真ん中 セイダカアワダチソウの黄色い風景は、もう見慣れてしまって驚くこともなくなった。むしろこれが無かったら秋の風景が寂しいとさえ思われる。それはセイダカアワダチソウが、爆発的に繁茂した頃と比べて幾分数が減り、風景全体で…
この山に再来(く)ることありやオケラ咲く (オケラ キク科 不機嫌なとっつきにくい花だ) 久しぶりの信州行き。長野市浅川の市営墓地にある義父の墓を訪ね、花を手向けてきた。コロナ自粛を経て10年ぶりにもなるだろうか。 墓地は善光寺から北に向かって2…
曼殊沙華白く咲かせて色懺悔 人差し指ほどの茎が伸びてきたなと思っていたら、すぐに花が満開になった。彼岸花の名のとおり、暦通りにやって来てくれるのが、うれしい。 暦の名前と言えば、セツブンソウ、半夏生、八朔などがすぐ思いつくが、最近花の時季が…
雑草も今朝は秋草庭一面 庭の植物は今年の異常な暑さには参ったようで、いろんな優しい花は溶けてしまっている。雑草たちは、手入れをされないので伸び放題。雑草なのだが、この季節になると、やさしい慎ましい花をつけ、愛しさが増すので、「雑草」から「秋…
炎天や漁船も雲もただ白し あんまりにも暑いので、意地になって、海を見にいった。 焼津の石津浜である。近くには小川漁港がある。 この付近の浜は小泉八雲が夏になると家族を連れて遊びに来ていた場所で、「乙吉だるま」という短編も残している。浜は松林の…
白蓮も悟りて散るやしどけなく 近くの沼に蓮がたくさん咲いている。 早朝に見に行こうと考えていたら、今日ももう10時を回ってしまった。気温もどんどん上がり30度に近い。ハスの花見は朝早くというのが相場であり、午後になると花は閉じ、数日開閉を繰り返…
涼しさや杉の参道進むとき 連日33度続き、熱帯夜、夕立も降らないこの異常な暑さの中、遠州森町の小国神社に詣でた。あそこなら涼しいかなと思ったからなのだが、結果、実に涼しかった。 土曜日とあってか、駐車場もほぼいっぱい、門前の茶や横丁も混んでい…
来世はエノコログサでも良しとせん (博士の東大助手の頃 明治33年:本と標本の山) NHKテレビの連続ドラマで、牧野富太郎博士がテーマになっている。これにちなんで、かどうか知らないが、静岡県立の「ふじのくに地球環境史ミュージアム」で牧野博士の企…
鬼百合や弾け咲く瞬(とき)今朝も見ず 雨が上がった朝、ぱっとオニユリが咲いた。今年は玄関近くのプランターや花の鉢から茎が20本ほど立ち上がっている。自然に増えたものだ。二三日したら花が10個以上になってきて賑やかになった。豪快で気分がいい。アゲ…
万緑やわれまた植物細胞を持ち 日陰を探して、山の農道に車を停めてぼんやりしていたら、脇の石積みに変なものが目に入った。初めて見るもので、花なのか枝なのか何だか全く見当がつかない。まわりはツタや花の終えたテイカカズラなどが繁茂していて、その隙…
半夏生白さは私の病気です 七十二候に半夏生(はんげしょう)がある。七月初めの5日ほどを指している。 で「半夏生」という草だが、ドクダミの仲間で葉の一部が白くなる特徴がある。わが庭にも病的な白い葉を何枚か光らせていて、異常に目につく白さである。…
庭園にかぼちゃ咲かせてポストモダン 農協で野菜の苗を見ていたら、カボチャの苗が目にはいり、ふいにカボチャを植えてみたくなった。といっても畑はない。 さてどこに?と考える。 こいつは野生的だからどこでも大丈夫そうだ。では庭の花畑、野草が乱雑に植…
振り向かずただ夏野行く二人かな 梅雨に入ったという夕方、散歩していると道の脇にキキョウソウを見つけた。 紫のぱっちりした花を数個つけて、茎はまっすぐに30センチ以上も立ち上げている。花の大きさは1.5㎝くらい。茎の下部に見えているのは閉鎖花と…
空山に人語の響きエビネ咲く エビネを見にいかないか、と友人Eに誘われて、野生のエビネを見にでかけた。彼は昨年たまたま近くの山を歩いていて、花に出くわしたのだそうだ。 「もういい頃だと思うけど、咲いていればいいんだが」 と心配そうにしている。山…
かきつばた少年愛は院の中 藤枝にある田中城跡に、カキツバタを見に出かけた。 この城跡は、現在は学校敷地となりおもかげは少ないが、その一部の下屋敷跡が整備され、本丸櫓や茶室なども移築されていて、わずかに歴史を偲ぶことができる。カキツバタが咲く…
地球いまこの一粒の芽生えかな 草の芽が躍動している。 日当たりが遅い我が家の庭にも、ようやく芽生えがやってきた。草の芽は、土の中で蠢いて騒ぎ、もがいて外に出て、始めはあれッという感じで大人しいが、すぐさま遠慮なしに伸び始める。その顔を見てい…
花の芽に世界のことなど希みかけ この時季は花屋さん、苗木屋さんをのぞくのが楽しい。 ポット植の南高梅が昨夏に急に枯れてしまったので、もう一度ウメを植えたいなと思って、きょろきょろしているのだが、それ以上に色々な花々が鮮やかで思わず知らず見入…
みぞそばの瀬を跳びかねて遠回り 近くの沼を散歩していると、ミゾソバが満開だった。見れば見るほど砂糖菓子のようで可愛い花である。 みぞそばや金平糖のお姫さま こんな句が出てくる。 サクラタデはもう終わり。今年は台風15号の出水で花の時季に泥かぶ…