炎天の浜を歩く

炎天や漁船も雲もただ白し

あんまりにも暑いので、意地になって、海を見にいった。

焼津の石津浜である。近くには小川漁港がある。

この付近の浜は小泉八雲が夏になると家族を連れて遊びに来ていた場所で、「乙吉だるま」という短編も残している。浜は松林の先に整備された広い芝生広場があり、その先に小石の浜、そうして駿河湾の洋上に富士山の端麗な姿を見ることができる。銭湯の絵のようだが、いい風景なので私の好きな場所の一つになっている。今日は霊峰は雲に隠れていた。

(ハマゴウ(シソ科)の残花 :天気がよければ富士山はこの洋上に見える)

浜の植物を見て歩くと、もうハマゴウはほぼ花は終わりで、丸い実をたくさんつけていた。一月前なら浜が青紫に見えるほど群生して根を深く砂地に伸ばしている。ハマボウフウも枯れたような葉しか見えなかった。

それにしても浜は暑い。汗が噴き出してくる。釣り人の姿も見られない。車内の温度計は40度を示した。

 

ケカモノハシ(イネ科)

麦のような穂に盛んに花をつけている。浜ではよく見られるあまり注意をひかない草。

 

アメリネナシカズラヒルガオ科)

これは北アメリカから来た寄生植物で、要注意外来種に指定されている。これでいて小さいが、しっかり花も咲いている。べったりと這ってほかの植物にまといつくので、6畳一間ほどの面積が、こんな黄色に異常に見える。

 

 

オオフタバムグラ(アカネ科) 浜の入口付近に群生している。小さい花は可愛いが、この暑さ、なかなかいいものが撮れない。

 

しかし、さすがに暑かった。