「半夏」生と「半夏生」

半夏生白さは私の病気です

 

七十二候に半夏生(はんげしょう)がある。七月初めの5日ほどを指している。

で「半夏生」という草だが、ドクダミの仲間で葉の一部が白くなる特徴がある。わが庭にも病的な白い葉を何枚か光らせていて、異常に目につく白さである。数年前に面白そうなので植えると、2年ほどは白くならず失敗だったかなと思っていた矢先、急にどんどん増え始めて白い葉もたくさん付けて庭にのさばり始めた。あまりの繁殖力を恐れて、今年は思い切って半分ほどを抜いてしまった。

それにしても、この白さは何か病的である。これで虫を呼ぶのだという。恐れ入る。短夜の明け方、この白さが庭にボオッと浮かんでくるのは幾分魑魅魍魎の世界を感じさせる。

 


ところで、72候でいう「半夏生」は、本来「半夏」が生ずる頃、という意味だそうだ。そして「半夏」とは「カラスビシャク」をいうのだという。これはサトイモ科のウラシマソウなどの仲間。仏炎苞から一本の花の先がまっすぐに伸びだした特徴的な姿をしている。庭や畑に生える雑草で、わが庭にもはえてくる。なかなかうまく写真がとれない。

烏柄杓、と漢字で書いて地中に魂茎があり、それが漢方薬になるという。吐き気を止める効果があるという。

宇都宮貞子さんの「夏の草木」を読んでいると、各地にいろんな呼び方がありその一つに「カラスのてっぽう」があると記している。私も記憶をたどればこの「カラスの鉄砲」だった。地中の魂茎を採って売ると日銭稼ぎになったとも書いている。漢方薬の材料として買い手があったということだろうか。

 

そして全く別ものだが「すずめの鉄砲」もあった。

病的な「半夏生」より「カラスの鉄砲」の方が私には親しみが持てる。