小さきものに春の光の来てとまる
庭に繁茂しているのが、フラサバ草。
実はこの花がまだ珍しかった10年ほど前に、見つけて庭に入れたのだが、今はしっかり春の庭を占領している。しかし、軟弱な草なので春先しばらくの間は、花を楽しむため放し飼いにしている。
本当を言うと、日本在来のイヌノフグリかと思って持ち込んだのだった。イヌノフグリは毛が少ないので区別はできるようだが、私は在来のイヌノフグリをまだしかと確認したことがない。このフラサバ草は、ヨーロッパ原産の帰化植物で、今はもうどこでも見られるようになっている。
フラサバとは、フランスの植物学者であるフランシェとサバティエという二人の名前の頭をとったものだといい、安易な名をつけられたものだ。この名前では、いかにも俳句には使いにくい。
オオイヌノフグリもいいが、こちらのとげのマントを着た小さくて愛嬌のある花も捨てがたい。