俳句

ことしも白萩

黄蝶きて萩さわぎ立つ日の光 白萩が満開になった。遠慮なく花をこぼしている。 そして決まったように黄色の蝶が2,3匹やってきて、花叢の上でくるくると舞い踊り、舞い降りて枝にとまりじっとしていたと思うと、早々にまた高く上がったり。賑やかで楽しそ…

名月を仰いで雑感

射しこんで白き乳房や月今宵 「絵のない絵本」は、お月様が空から見えたものを語る、世界各地の人々の悲喜こもごものお話だが、現在ならウクライナの戦場、イギリス女王の国葬、日本の国葬、熱波、大雨、洪水。こんな風景が話題になるのだろうか。 掲載駄句…

万朶のサクラ妄想

酔え笑え花すっぱだか我すっぱだか 満開の桜の下を歩いている。香りがうっすら漂ってくる。 溢れるような万朶の桜に包まれると、桜の花の下には死体があるとか、桜は神の依り代でこれを頼りに神が下りてくるとか、何かあの世的な、魔的なさまざまな想像を呼…

湯たんぽ抱えて

此岸(ここ)に居て湯たんぽぎゅっと抱きしめる 石油ストーブを使うと、湯がどんどん沸いてくれる。もったいないので湯たんぽを使い始めた。電気毛布や電気アンカとはちがい、暖かさに包容力があり不思議な幸せ感が味わえるので、一度使うと手放せない。 年末…

秋の些事(2)相思鳥(ソウシチョウ)

小鳥見る地蔵となりて小半時 (まだぼんやりしている) バーンと音がして、ガラス戸に小鳥がぶつかったようだ。 急いで庭を見ると、きれいな小鳥が落ちている。くちばしの色が明るいバーミリオンだ。まだ息はあるようで、細い足を突き上げたりする。寒さで死…

ルリタテハの旅立ちまで

ルリタテハ枯葉と見れば忽ちに この幼虫は、いかにも毒々しい姿をして、毎年我が家のホトトギスを丸裸にしてくれる。これまで当然殺虫剤で駆除していて、何の疑いも持たなかったのだが、ある時知人に、「あれはルリタテハの幼虫だよ」と教えられた。 ルリタ…

西山本門寺のイチョウ(富士宮市)

大銀杏大見得切ったる落葉かな 富士山麓の西山本門寺に、大銀杏の黄葉を見にいった。 昨年伺ったときには、遅すぎて裸木になっていたので、今年はそのリベンジ。境内に入ると、燃えるような黄金色が目に飛び込んできた。並んで立つ二本のイチョウは樹齢20…

カワセミやその他の沼の鳥たち

翡翠(カワセミ)が秋の水面を貫通す 沼を歩いていて、翡翠を見かけた。じっと水面をのぞき込んでいる様は可愛いし、色もきれいなので、見つけるとやっぱりわくわくする。ときおり見つける所とは離れていたので、ちがう個体かもしれない。 俳句にしようとし…

ミョウガの花とハナミョウガ

こぼれ出た茗荷の花や小さき声 空が澄んできて秋の気配がし始めると、茗荷が花をつける。地面近くに文字通りひっそりとである。 裏の半日陰に生えている茗荷は、株数で20本ほどだろうが、今年もたくさん花をつけた。葉陰の暗がりに、一見タケノコのように…

中部横断自動車道にブドウの秋

遡行して甲斐は山国ぶどう狩り この夏、中部横断高速道が全線開通して、静岡と山梨が結ばれた。難工事で計画より何年か遅れての開通となった。正確に言うと、開通したのは、新東名新清水JCTと中央高速双葉JCTの間約75km。この一部が未開通だったのが今回供用…

囲碁AIと子規

碁にまけて厠に行けば月夜哉 子規(明治31年) (今日現在対局が行われている、第46期名人戦。ライブネット配信である) 将棋の藤井聡太さんが叡王タイトルを獲り、10代での3冠は史上初というニュースが駆け巡っている。囲碁では井山裕太さんが全7冠は失った…

アフリカフウチョウソウと「ふじのくに地球環境史ミュージアム」

のっけには全員名はなし草の花 田んぼの水路わきで、見慣れない花を見つけた。 実はそれは一年前のこと。その時、図鑑やネットでいろいろ調べてみたが、分からずじまいで断念。以来気にかかっていた。先日そこを通りかかった折に改めて草むらを歩くと、ちゃ…

西洋のセミ事情 (奥本大三郎氏の本から)

大水や蝉の生まれぬ里となる 窓を開けておいたら、蝉が飛び込んできた。カーテンにとまってじっとしているので、外に出そうと摘まむと、ジーッと油の声を出した。うるさくなる前に外に出してしまった。この2,3日の雨で蝉はずいぶん静かにしている。 最近…

ウマノスズクサと馬鈴薯

小用を足さんとすれば葛葎 野原は油照りだが、次第に秋の気配も見せ始めた。この時期に一番目立つのはつる植物。クズやカナムグラ、イシミカワ、ヤブガラシなどが各々自分がたくさん日を浴びようと、絡み合いながら、野原をのたうち回っている。甲斐信枝さん…

巣立ち鳥 3様

巣立ちたり本能のまま淡々と ひと月ほど前、雨の田んぼの畔に、ムクドリの親とひな鳥の姿をみつけた。親が何かを啄んできてはひな鳥の口に渡している。そんなにたくさん虫がいるのかなと思うほど、頻繁である。雛はもう親と見分けがつかないほどの大きさだ。…