のっけには全員名はなし草の花
田んぼの水路わきで、見慣れない花を見つけた。
実はそれは一年前のこと。その時、図鑑やネットでいろいろ調べてみたが、分からずじまいで断念。以来気にかかっていた。先日そこを通りかかった折に改めて草むらを歩くと、ちゃんとそこに生えていて、昨年よりも広がりを見せていた。背丈は30センチ程度、花は1.5センチほどで既に結実したサヤが見えていた。
「さて、この名前をどうやって調べたらよいか?自前の図鑑やネットではやはり無理だろうな。」
と悩んで、はたと思いついたのが県立の博物館。正式名は「ふじのくに地球環境史ミュージアム」という。以前見学したときに、地元の植物が写真パネルで解説されていたのを思い出したのだ。
さっそく問い合わせてみると、ご親切にも一応写真か標本を送ってください、とのことなので、写真を送って待つこと2日ほど。返事があった。
「アフリカフウチョウソウ」(フウチョウソウ科)ということだった。
ネットで調べると、1999年に初めて見つけられた外来植物で原産地は熱帯アフリカ。日本で分布を広げているとのことだが、まだまだネットで調べても情報が少ない。
フウチョウソウとは、風蝶草ということらしく、花の形が蝶を連想させることからの命名という記事もあったが、確実なことは言えない。フウチョウソウ科には、クレオメと呼ばれている園芸の花があり、それは学名「セイヨウフウチョウソウ」といって、きれいなのであちこちで目にすることができる。
新参の外来植物は、データが少ないのでなかなか同定できない。なぜあんな田んぼ道にあったのか。何か物についてはるばる運ばれてきたのだろうが、武漢から来た新型コロナと同じで、ルート解明は難しい。
こんなことがあって、私にとってこの博物館が急に身近な親しいものになった。それを伝えて学芸員さんへのお礼のメールとした。