草茂る名前も風も横向きに
おや、見かけない花だね?
最近、静岡の麻機遊水地がさらに拡張された。まだ雑草の少ない、広々とした水辺の風景は心地よい。そこに見たことのない花を見つけた。
ムラサキケマンが何かおかしく生育してしまったのか?それともヨナクサフジのコドモかなあ、などと考えたが、どうやらそうではない。別種だ。
持ち帰ってネットでいろいろ調べてみたが、はっきりしない。外来種のようだ。
有力なのが、ニセカラクサケマン。もしくは、セイヨウエンゴサク。
いずれもヨーロッパ原産で、ケシ科。
セイヨウエンゴサク(西洋延胡索) Fumaria muralis
ニセカラクサケマン(偽唐草華鬘) Fumaria capreolata
ネットを見ると、皆さん区別が非常に難しいと書いておられるので、私がちょっと見で判断できるはずがない。もう少し時間をおいてまた調べてみよう。
ともあれ、ぶらぶら見ているだけでも、年に一つ二つの新規の外来種を見つける。
そうして感じることは、外来種の和名が、混雑していてわかりにくいことだ。
最近は英語圏の単語が日本語に置き換えずに英語で使われている。特にIT関連の言葉にはその傾向が顕著だ。テレビの話を聞いていてもやたら横文字が登場する。コロナもウイルスもエビデンスも横文字。それがないともう言葉が通用しなくなっている感さえある。園芸の花の世界でも、素直に横文字を表記しているが、その方が格好良さそうで売れるのだろうか。
一方、外来の草の世界では、必死に日本語に置き換えようという努力が感じられる。明治期の日本人の逞しさを彷彿とさせる。が、さて、いつまで続くだろうか?
(手前に咲くのはキツネアザミ:キク科)
(ニセとかキツネとか、工夫して名をつけて区別している。)