#短歌

安倍城という南北朝の夢の跡 

友人の誘いを受けて久しぶりに近くの山に登った。静岡市街地から西にみえる標高435mの安倍城跡である。今回は西ヶ谷からきつい坂を登った。結構ばてた。 (安倍城址 独立峰の趣がある) ピークには三等三角点があるがこの山に名前は特に無いのだろうか、「…

ことしも白萩

黄蝶きて萩さわぎ立つ日の光 白萩が満開になった。遠慮なく花をこぼしている。 そして決まったように黄色の蝶が2,3匹やってきて、花叢の上でくるくると舞い踊り、舞い降りて枝にとまりじっとしていたと思うと、早々にまた高く上がったり。賑やかで楽しそ…

「卯の花と小町」雑談

色うつる卯木の花を挿頭(かざし)かな 山では卯木が満開。種類もいろいろだ。 おや、花の色が白とピンクのものがある。 帰宅して調べたら、ハコネウツギ(もしくはニシキウツギ)らしい。いずれも白から赤に変化し、両者の区別は難しいとのことなので、即断…

covid-19(コビッドナインティーン)の備忘として

大勢の一人となりて肩を脱ぐcovid-19(コビッドナインティーン)接種会場 ようやく1回目のワクチン接種をした。ここに至るまでなんと長い間待たされただろう。今回は少し憤懣を。 日本の接種は世界から遅れをとった。日本のワクチンが外国頼りであること、防…

コレッリとバッハのクリスマス曲

キリストも仏陀も孔子もマホメットもみなかき混ぜて大銀河あり クリスマスですね・・・ (オーケストラ・スプラウトさんのステージ) 24日に、アマチュアのリコーダー演奏団体のコンサートにでかけた。なかなかどうして、立派な演奏だった。 演目にコレッリ…

讃岐富士にのぼりました

秋深み野火の烟りのたなびきてのどかにおわす讃岐の富士は (丸亀城からみた讃岐富士) 四国に足を踏み入れるたびに、この山のもつ独特なのどけさに迎えられ、私はいつしかこの姿を見るのを喜びとしていたようだ。車窓にあっても目はいつもこの山の姿を探し…

イネ科は苦手ですー3(ススキとナンバンギセル)

道の辺の尾花がしたの思ひ草今さらさらに何をか思はむ (万葉集巻十 2270) (秋の草の花) ブログにいただいたコメントに、ナンバンギセルがススキに寄生して枯らしてしまったというお話があった。ナンバンギセルは寄生植物で、ススキやチガヤ、ショウガ、…

春気揺曳(かってに創作熟語)

束の間を笑い歌いて花ゆきぬ嗚呼人もまた斯くのごときか 今日はセンチな歌が口をついて出たので、臆面もなくそのままアップした。昔聞いたことがあるようなフレーズだが・・・。 写真は、やっと花開いたフクジュソウ。一月も前から芽を出してしまったので、…

セツブンソウが開いた(キンポウゲ科)

みぞれ雨止みて梢に薄日射し節分草のそと咲き始むる 我家のスプリングエファメラル。 年々小さくなっていってしまう。なかなか上手く育てられない。 慎重な雪割草(ミスミソウ:キンポウゲ科)も、パッと眸をあけた。 気をもたせただけのことはあり、輝くば…

絵本「ちいさいおうち」とツバメ(風景の中へ30)

冬のツバメのことを書いたが、ついでに、ツバメの絵で以前から気になっていることがある。 「ちいさいおうち」という岩波から出ている絵本の表紙絵のことだが、我が家の古ぼけた版では、ツバメが3羽飛んでいる。これが英語版や日本語の大型版では、ツバメは…

カサブランカ(ゆり)随想(New野の花365日)

春に植えたカサブランカが大きな花をつけた。カサブランカとは、白い家の意味のスペイン語だそうだ。名前のとおりの白い花を2株で4つ咲かせ、狭い庭を我が物顔で見回している。朝夕に香りはするが、咽るほどの強さではない。 大きな花弁をしっかり横に保っ…

若菜摘み・・・またはバレンタインデー

川辺の土手を歩くともうカラシナの芽がでてきていた。あと一月半もすると一面の黄色い菜の花になる。 このカラシナは、川辺景観のために蒔いたセイヨウカラシナで苦みが強いので私はあまり採らないのだが、ついはずみで一握り摘んでしまった。持ち帰って重曹…

リュウキンカだってスプリングエフェネラル(キンポウゲ科:New野の花365日)

スプリングエフェネラルとよばれる春の花たちがある。例えばセツブンソウ、カタクリ、フクジュソウ、アズマイチゲ、キクザキイチゲ、オキナグサなど。早春、まだ多くの草木が目を覚まさない季節、一瞬の間に花を咲かせて、直ぐにいなくなってしまう花たちだ…

奈良の「山辺の道」をゆく(シリーズ風景の中へ10)

3年かけて、3回に別けて歩いてようやく山辺の道を踏破した。海柘榴市(つばいち)と天理の間で、田んぼ道もあるし人家の裏も通る、実にヒューマンスケールな道である。 これは古代の道そのものではなく東海自然歩道に指定されている道である。とはいってもこ…

若草山が燃える(シリーズ風景の中へ9)

1月25日4時頃に若草山の芝生広場に着くともう混雑していて屋台も出て賑やかだった。鹿の糞を踏まないように気をつけながら、たこ焼きを食べたりしている間に陽が落ち暗がりとともに奈良の底冷えが襲ってくる。とこうするうちに法螺貝の音がひびき神官や僧侶…

秋篠寺の天女にあう(シリーズ風景の中へ8)

あまり綺麗とはいえない秋篠川をたどり競輪場の裏に出ると、いきなり時計が逆転するような風景になる。黄色い壁の東門をくぐると静寂が漂い、小鳥の声だけが賑やかな林は一面の苔が鮮やかな緑のシーツだ。何百年も時代を遡った異空間。 本堂は国宝である。穏…

「露草の青」~谷川健一さん逝く

8月24日、敬愛する谷川先生が亡くなられた。 まさにその当日、私の手元に届けられたのが、先生からの新刊の贈呈本。その本はまるで御自身から私への別れの辞のようなタイミングでやってきた。 しかし私は二日間、先生のご逝去を知ることなく、その本を楽しん…