#日本史

家康の奪い取った諏訪原城(島田市)

戦国の砦やワラビの摘みどころ (案内所にあるジオラマ) 静岡市の駿府城、浜松の浜松城は家康ゆかりの城だが、その中間くらいの位置に諏訪原城という山城跡がある。あまりメジャーではないが、国指定の史跡になっていて、その遺構の大きさからみても全国屈…

空爆の慰霊碑・・・加害者と被害者と

砲身は熱し地下壕に寒の夜 ( 戦災犠牲者慰霊碑の観音像 とB29墜落搭乗員慰霊碑(左側)) ロシアの無差別ミサイル爆撃が止まらない。国連の発表では、ウクライナの市民の犠牲者が7,000人を超えたといい、さらにまだ確認できないものも多く実情を把握できて…

安倍城という南北朝の夢の跡 

友人の誘いを受けて久しぶりに近くの山に登った。静岡市街地から西にみえる標高435mの安倍城跡である。今回は西ヶ谷からきつい坂を登った。結構ばてた。 (安倍城址 独立峰の趣がある) ピークには三等三角点があるがこの山に名前は特に無いのだろうか、「…

曾良(俳人)の墓

壱岐の宿なるほど硬し新豆腐 (河合曾良の墓) 曾良の墓が、壱岐にあると知ったのは司馬遼太郎の「街道をゆく」からだった。 司馬遼太郎によれば、曾良は芭蕉の亡きあと、幕府の巡見使の一員となって壱岐にわたり、島の北端にある勝本の港の海産物問屋中藤家…

一の宮巡詣記(67番) 対馬の和多津美神社、海神神社

和多津美神社(対馬) 所在地 対馬市豊玉町仁位和宮55 祭神 彦火火出見尊、豊玉姫命 参拝日 令和4年10月21日 対馬の一の宮として有力なのは、仁位の和多都美神社と木坂の海神神社の二社である。 「海神」の社名は本来これでわたづみと読むのだが、仁位…

一の宮巡詣記(66番) 壱岐の天手長男神社

天手長男神社 (壱岐) 所在地 郷ノ浦田中触字鉢形山 祭神 天忍穂耳尊、天手力男命、天鈿女命 参拝日 令和4年10月18日 男4人で、壱岐対馬を3泊4日で巡った。 博多港を出るとうねりは高かったが、ジェットホイルは約1時間で壱岐の芦辺に着船した。遣…

南部木挽き唄(随想ー3)

北斎のこの富岳三十六景は、東海道山中というタイトル。場所ははっきりしないが、現在の掛川市付近とも言われている。 木挽きは各地でこのように仕事をしていたのだろう、ようすが分かって興味深い。ただし南部木挽き唄にある移動集団とは少し違うようである…

富士山のまぼろしの滝へ(付 伊奈神社)

雪解富士 山気降りくる沢の陰 (左下に向けて沢を水が落ちるとのこと:写真は河床だけ) 富士山の雪解け水が流れ下り、滝が出現する。5月頃の一時に現れる現象で、人呼んで「まぼろしの滝」。友人の誘いにのって出かけてみた。 場所は須走登山口(静岡県小…

馬酔木の花柄摘み夢想―2

二上山に皇子は眠るや花馬酔木 (山辺の道の崇神天皇陵から見た二上山) 謀反の罪で誅殺された大津皇子は当時24歳。天武が逝去した二十日余り後のことで、逮捕して翌日に処刑された。歴史家は、これはのちの持統天皇が自分の息子、草壁皇子の皇位安泰を図…

馬酔木の花柄摘み夢想ー1

甘えたき香り微かに花馬酔木 庭の馬酔木がおわった。あせた不様な姿をさらしている。 でも2月から二月ほど庭を贅沢に彩ってくれた。ピリッとした空気の朝、かすかに漂う香りも嬉しかった。メジロやヒヨドリの群がる木であったし、タテハチョウが真っ先に飛…

ペリリュー ―楽園のゲルニカ―

ペリリュー戦記読んで大寒を震えおり (主人公が命を懸けて投降する場面) 「ペリリュー ―楽園のゲルニカ―」全11巻を読み終えた。白泉社から出ているコミックで、著者は武田一義さん、原案協力:平塚柾緒さん(太平洋戦争研究会)と記されている。 ペリリュ…

駿河七観音を巡るー7 鉄舟寺(久能寺)

私の七観音巡りも7番目、鉄舟寺でいよいよ最後を迎える。 友人からの情報で、毎月16日に定期清掃している人たちがいて、その折に観音堂の内部が見られるというので出かけた。寺は日本平丘陵の東の端にあるが、観音堂は標高約50mの場所にあり、本堂脇から急…

駿河七観音巡りー6 平澤寺 

(観音堂) 日本平丘陵の西斜面にたつ静岡県立美術館の南側の沢を上ると、標高約100mのところに平澤寺がある。この沢は、さらに上ると県が荒れた里山を整備したゆうきの森が広がっていて、家族連れの姿がいつも見られるのどかな場所である。 平澤寺を訪れた…

白鳥飛来する

逝く人は白鳥を追うがごとくに この温暖な静岡の地にも、白鳥が飛来した。噂は一週間ほど前から流れていて、私も探して歩いたが、見つけることができず気にかかっていたのだった。 「いま、白鳥が見られるよ!」と散歩中の家内から携帯が入ったので、慌てて…

小島陣屋跡を見にいく

鵙猛る古城虎口の石垣に (陣屋には珍しいという 枡形虎口(ますがたこぐち) 陣屋はこの上部にある。) ( 虎口とは小口とも書き入口のこと、枡形により進路が鍵の手のように屈曲している) 天気がいいのでぶらぶらと、小島陣屋跡を訪ねた。 清水区興津の海…

藤村「夜明け前」やっと終わって

夏籠る長編小説傍らに 島崎藤村の「夜明け前」をようやく読み終えた。岩波文庫で4冊ある。コロナと猛暑対策としては、いい選択だった。この本は興にのって一気読みする類のものではないので、今日は10ページ、明日は30ページ、というように日々のルーチンと…

聖一国師の峠道・・・ティーロードを歩く

(奥の山並みが今回越えた尾根筋。中央の突き出たのが突先山1022mになる、釜石峠は右端あたり) ティーロードなどというハイキングコースの紹介があったので、E君S君と3人で5月の末に歩いてみた。 コースは静岡市の山間部、藁科川上流の栃沢から足久保川上…

駿河七観音巡り-5 建穂寺(たきょうじ)

実は、現在この寺は現存しない。そして長い間市民から忘れさられていた。 時おり話題に上るのは、静岡市最大の春の祭り浅間神社廿日会祭に、この寺が稚児舞を奉納する折くらいだろう。これは江戸時代より前から連綿と伝えられてきた伝統芸能だということで、…

駿河七観音巡り 番外編 (安倍川右岸の低山歩き)

今回は、友人E君と安倍川下流の右岸に連なるマイナーな尾根を歩いた。計画のコースを、次の地図に簡単に落としてみた。 ①スタート 内牧地区にある駿府学園のわき、狩野貞長の墓から尾根筋にとりついて ②新東名高速を横切り、260mのピークへ ③300mほど北上…

駿河の七観音に出かける -3 徳願寺(大窪寺)

徳願寺は、静岡市街地から見ると安倍川を挟んで西の方角、352mの山の中腹にある。ふもとの向敷地の集落から歩くと、参道の静かな山道を標高130mほどの寺まで約20分ほどである。山中にポツンとある寺で、ここまで上ると静岡の町が文字通り一望できる。思わ…

玉之浦(ツバキ)と遣唐使のつながり?

風にあらずメジロ啄む花ツバキ 庭のツバキが、今年はこの十年でなかったほどたくさん花をつけた。5年ほど前は、ひとつもつけなかったのだが、どういう事情があるのだろう。 これは玉の浦という人気のある品種。花弁は赤だがその縁が白く彩られていて目を奪…

日本坂峠を歩く・・・古代の東海道?

今回は友人と静岡の平野を西に区切る山塊の尾根を歩いた。 低山だが急峻なこの山塊は、東海道の難所であり時代によって山を越えるルートが変わっていて、その変遷を知るのも面白い。現在は国道一号がトンネルで通過するが明治のトンネルも立派に残っている。…

出雲の輝く青銅器の謎

銅剣のまばゆき神の光をば斎き幽せり出雲神原 (銅剣のまばゆいばかりの光) 出雲の謎の一つが大量に出土した青銅器だろう。 青銅器というと、ヒミコの銅鏡が銀白色に輝いていたイメージがわくのだが、出雲に行って見て、おどろいた。燦然と黄金色に光り輝い…