一の宮へ

夏の小國神社と草花

涼しさや杉の参道進むとき 連日33度続き、熱帯夜、夕立も降らないこの異常な暑さの中、遠州森町の小国神社に詣でた。あそこなら涼しいかなと思ったからなのだが、結果、実に涼しかった。 土曜日とあってか、駐車場もほぼいっぱい、門前の茶や横丁も混んでい…

アマテル、ツキヨミ、ムスビの神は壱岐対馬からか?

先にワタヅミ神社にヤマヒコ、タマヨリヒメ神話の世界を見てきたが、さらに国の誕生神話に類似する伝説を残す神社が壱岐対馬にはある。それは日の神のアマテル神社と月の神の月読神社、そしてムスビの神の神社である。 日本書紀では、イザナギがイザナミに追…

一の宮巡詣記(67番) 対馬の和多津美神社、海神神社

和多津美神社(対馬) 所在地 対馬市豊玉町仁位和宮55 祭神 彦火火出見尊、豊玉姫命 参拝日 令和4年10月21日 対馬の一の宮として有力なのは、仁位の和多都美神社と木坂の海神神社の二社である。 「海神」の社名は本来これでわたづみと読むのだが、仁位…

一の宮巡詣記(66番) 壱岐の天手長男神社

天手長男神社 (壱岐) 所在地 郷ノ浦田中触字鉢形山 祭神 天忍穂耳尊、天手力男命、天鈿女命 参拝日 令和4年10月18日 男4人で、壱岐対馬を3泊4日で巡った。 博多港を出るとうねりは高かったが、ジェットホイルは約1時間で壱岐の芦辺に着船した。遣…

大磯の「高来神社」参拝

大磯町にある高来神社に詣でたので、記録しておく。 大磯は、旧東海道の松並木もよく残されていて、静かな風情のある街だった。同じ湘南といえど、鎌倉葉山あたりの浮ついた観光地の雰囲気はない。かつては鎌倉もこうした落ち着いた風情だったのだろうかと思…

一の宮参拝 出雲大社 (出雲国ー2)

所在地 島根県出雲市大社町杵築東 祭 神 大国主大神(おおくにぬしのおおかみ) 参拝日 平成29年5月 さて出雲大社に参拝したが、さすがに雄大で厳かな社殿には感動させられる。 瑞垣の周りをめぐるとややストイックな屋根のラインや色合いが実に静謐で美…

一の宮参拝 熊野大社 (出雲の国ー1)

所在地 島根県松江市八雲町 祭 神 熊野大神櫛御気野命(くまのおおかみくしみけぬのみこと) 参拝日 2017年5月 今回出雲の国を訪ね、数日間だけだが、小泉八雲の言う「神の国の首都」の空気を吸ってきた。 出雲の一の宮を2回に分けて記録する。 古代出雲と…

一の宮めぐり64 物部神社(石見国:島根県)

所在地 島根県大田市川合町 祭神 :宇摩志麻遅命(うましまじのみとこ) 参拝日 2019年5月 物部神社は、島根県大田市に鎮座するが、ここは旧石見国の東端にあたる。 島根、鳥取を走っていて感ずるのは、車の量が実に少ないということ、信号が無いということ…

一の宮めぐり63 倭文神社(伯耆の国:鳥取県)

倭文神社(しとりじんじゃ) 所在地 島根県東伯郡湯梨浜町 祭神 建葉槌命(タケハツチノミコト) 配神 下照姫命 ほか 参拝日 平成29年6月 鳥取県は東部が因幡(いなば)、西部が伯耆(ほうき)の国である。 伯耆の国の中心はやや内陸に入った倉吉で、商工業…

第九の初演と石橋・・・ドイツ捕虜の遺産(大麻比古神社周辺)

年の暮歓喜の歌にも老い独り 年末にはベートーベンの第九と相場が決まっているが、第九が日本で初めて演奏された場所が、先日参拝した阿波の一の宮「大麻比古神社」の近くである。鳴門市大麻町坂東に、現在ドイツ村となって観光客を集めている。 (「バルト…

阿波の一の宮「大麻比古神社」とは

大麻比古神社 (阿波国) 所在地 徳島県鳴門市大麻町坂東字広塚13 ご祭神 大麻比古大神 猿田彦大神 参拝日 平成28年12月 お遍路ブームもあるので、四国では寺院が繁栄する一方神社が寂しいのではないか、と思いつつ阿波一の宮に向かった。というのもここには…

讃岐の一風変わった一の宮「田村神社」

田村神社 (讃岐国) 所在地 香川県高松市一宮町286 ご祭神 倭迹迹日百襲姫命(やまとととひももそひめのみこと)、 五十狭芹彦命(吉備津彦命)、猿田彦命、天隠山命、天五田根命 の五柱 参拝日 2016年12月 とにかく猥雑な何でもありという感じのする、一風…

土佐一の宮は質実剛毅だった

土佐神社 (土佐国) 所在地 高知市一宮しなね2丁目16-1 ご祭神 一言主神(ひとことぬしのかみ) 味鉏高彦根神(あじすきたかひこねのかみ) 参拝日 2016年12月 冬の朝、雨あがりの神社を訪れると遅い紅葉は今が盛りでしっとりと美しかった。周囲の木々も大…

淡路の一の宮へ

伊弉諾神宮 所在地 淡路市多賀740番地 ご祭神 伊弉諾大神、伊弉冉大神 参拝日 平成28年12月 明石海峡大橋を走っていると、まるで空をゆくような気持ちになってくる。そんな浮ついた気分でいやに明るい感じの淡路島に入った。本土とは何かが違う気がする。け…

静岡浅間神社で神の遷座を見学する

御遷座を見下ろし銀河冴え冴えと 静岡の通称「おせんげんさん」にある神社の一つ、大歳御祖神社(おおとしみおやじんじゃ)は、3年前から外部の漆塗り替え工事が行われていて、このたび竣工となった。そして12月3日に仮殿の境内八千戈神社から本殿に戻られる…

浅間神社の化粧直しを見る

神やしろ大棟たかし冬の鵙 静岡浅間神社の境内社である少彦名神社の、外装(漆)を塗り替える工事が行われていて、その見学会があると聞いて参加してきた。浅間神社は、東海の日光と呼ばれるほど豪華であるが、1800年代初めから50年ほどかけて徳川家によって…

水無神社 (飛騨国:岐阜県)

飛騨は本当に山の中である。先日4月下旬の飛騨を走ると里の桜こそ散ってしまっていたが、山々にはまだ辛夷と山桜が競うように咲いていて、早春の冷気さえ漂っている。 水無神社は高山からはおよそ10キロ。JR高山線飛騨一之宮駅の直ぐ近くで、宮川の傍に鎮座…

一の宮参拝 筥崎宮・住吉神社(筑前国:福岡県)

筑前国の一の宮は、諸説あるが大方の説に倣って筥崎宮と住吉神社を参拝した。 筥崎宮(はこざきぐう)へは、鹿児島本線箱崎の駅から歩いて10分ほどだった。(地名は神社を憚って漢字を変えている。)真横から境内に入ると、楼門から中へは一般人は入れず、参…

一の宮参拝 玉祖神社 (周防国:山口県)

(たまのおや神社) 防府市大崎に鎮座する周防一の宮である。防府は私にとって馴染みがない町で、ホウフと濁らずに読むことさえ知らなかったくらいだ。新山口からJRで15分ほどの、大きそうな街だったが例のとおり人の姿はまばらである。 この日はあいにくの雨…

一の宮参拝 住吉荒魂本宮(長門国:山口県)

門司港から関門連絡船にのると7,8分で下関唐戸に着く。寒風で海峡の波は荒い。少し離れて関門大橋が見上げられ車が行き交うのが見える。海峡は最狭部がわずか700mしかなく、地下歩道もあるときき興味は湧いたのだが今回は船にした。 観光客で大混雑してい…

日向の七草祭り(シリーズ一の宮へ)

舞い役の舞 静岡の町から藁科川に沿って約30キロをさかのぼり、南アルプスに連なる山あいに日向という集落がある。旧暦1月7日(平成27年は2月25日)に、ここの福田寺に田遊び祭りがあるので、今年初めて伺った。 祭りは午前中に「日の出の祈祷」があるが、私…

豊橋の鬼祭り(番外:一の宮へ)

春の鬼暴れ疲れて俯きたり 天狗と争う赤鬼 春めく陽射しに誘われて、少し遠出のドライブをかねて、豊橋の安久美神戸神明社(あくみかんべしんめいしゃ)の鬼祭りを見に行った。神楽・田楽などに古い形が遺されており、国指定の無形文化財である。例年2月10日…

アンコール遺跡のリンガ

私はヒンズーの神についてまるで知識がないのだが、リンガとヨニの形象について感ずるところがあったので、一の宮の番番外編としてアップする。「一の宮参拝記」は、別のwebでシリーズで掲載しているものだが、ホームページの管理が上手くいかないので、当座…

一の宮へ(若干のPR?)

退職後の楽しみにと、全国の一の宮参拝を始めて、もう8年ほどになります。 一の宮は律令制のもとで全国に置かれた国に一つずつおかれた神社です。地域の篤い尊崇を受ける1000年以上の歴史を有する由緒ある社で、66社を数えます。 一の宮めぐりのおか…