花茨きのふもけふも富士見えず
ふらっと、三保海岸へ行って砂浜や松原を歩いてきた。
蒸し暑い日曜日。人出が多いだろうな、駐車場は大丈夫だろうか心配したが予想に反して適度な人出。みなさん大きな羽衣の松の林を通って、潮風を受けながら、さあ富士山は見えるかなと、浜に出てくる。
そして見えれば、ああ!、見えなければ、ああ!と誰もが讃嘆嘆息するから面白い。この日富士山は山頂は雲に隠れていたが、五合目から上は薄青い山容をのぞかせている。この時季にしては、まあまあのお出まし。
清水港に大きな外国船のクルーズが入っていて、(多分セレブリティ・ミレニアムというアメリカの客船)その乗船客がこの世界遺産の三保にも来ているようだった。
(人が大勢見えるのは、「羽衣の松」付近)
この日見つけた、砂地の野草たちをいくつか。
ハマボウフウ(セリ科)
もう花は終わって固い実になり始めている。葉はセリのような風味がよくて野菜として食べられているようだ。一葉摘まんで嗅いでみると強い香りがする。
ツルナ(ハマミズナ科)
菜というからには、これも食材になり、おいしそうな風貌である。アイスプラントが近縁といい感じは似ている。
ナルトサワギク(キク科)
マダガスカル原産での外来植物。1978年に鳴門市で確認されたことから鳴門沢菊の名がつけられた。繁殖力が強く拡散しており、また毒性があるので特定外来生物に指定されているという。この可憐そうな花がねえ。
ウスベニニガナ(キク科)
思っていたよりずっとひょろひょろと細く小さく弱々しくて驚いた。花の筒は1センチほどで先端に薄紫の花が覗いている。小さくてうまく撮れない。おもに熱帯域に分布していて、静岡あたりにも北上してきたのだという。これからもっと増えるかもしれない。
静岡県自然史博物館の資料によれば、「三保の砂浜でみられるネナシカズラ類はほとんどがアメリカネナシカズラCuscuta pentagonaという北アメリカ原産の外来種です。アメリカネナシカズラとハマネナシカズラは非常によく似ており、ちょっと見ただけでは見分けがつきません。」ということなので、アメリカネナシカズラだろう。自身は葉緑素を持たず寄生する。ゴミ屑に見間違える。
これは松林の林縁にたくさん見られる。ノイバラにもいろいろ種類があるのだろうが、これは新鮮な印象で、あまり藪やぶにならない。花はノイバラより少し大きくて5センチほど。ゲーテの野薔薇もこんな花かもしれない、と思わせる。葉に艶がある。すこしバラの香がする。
その他、ハマゴウは少しだけ咲き始め。ハマヒルガオはまだ。ハマエンドウは見られなかった。砂地にはいつものようにコウボムギ、ケカモノハシなども見られる。
以上備忘方々。