アワフキの正体みたり

颯爽と虫に喰われる若葉かな

堤防を歩いていると、伸び始めた草の茎に、泡がついているのを見つけた。見たら周囲の草一面が泡だらけだ。これまでも何度か見てはいたが、こんなにたくさんの泡が一度に見られたのは初めてで、壮観だった。

 

これはアワフキムシの仕業、とは知識で知っていたが、今回は泡を除いてアワフキムシとやらを拝んでみようと一枝とって、作業にかかる。

草の小枝で、泡を除けようとしてみたが、思いのほか粘りが強く、泡も簡単にはつぶれない。ふーっと息を吹きかけるくらいではびくともしない。少しの風などは十分に耐えられそうだ。

だが、雨はどうか?今回は水を掛けることを思いつかなかった。これはまたの機会にしよう。

ネットからの知識では、こいつは幼虫であり、草の髄に口を差し込んで栄養を取り、排泄物(尿)をたくみに捏ねて泡をつくって自分を守る、のだそうだ。泡は目立つのだが、といって泡の中まで調べようと思うのは、人間以外にはあまりいないのではないか。人間の私だって中を見るのは今回が初めてだ。意表を突く防衛方法だが、自然界では結構うまく機能している、ような気がする。

泡と言えば、モリアオガエルを思い浮かべるが、あの泡の中でたくさんの卵が孵化する。だがこちらは一人用の泡の部屋である。いい気なものである。

 

泡を除いているとそのうちに虫が出てきた。確かに中に棲んでいることを知って感動する。追い出された彼は茎を伝わってこそこそと歩き始めた。うまく写真には撮れなかったが、調べるとシロオビアワフキというもののようだ。やがて成虫になると、セミの小型のような形になるそうで、稲の害虫、ウンカなどと同じカメムシの仲間だという。

(逃げ回るのでピンボケ)

あの泡立っているのが尿だというのも驚きだ。

いや待てよ、泡がついていた草は、セイダカアワダチソウではなかったか?(つまらない落ちだ)