岩たばこ 咲き始め (イワタバコ科)

山の湯へ道狭まりて岩煙草

 

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岩たばこが咲いてくれた。

この春早く、小さな滝へ向かう沢の岩壁から、一株頂いてきたものだ。軽石の鉢に入れて受け皿の水を絶やさないよう、そして日が当たらないように覆いをしておいただけだが、思ったよりも繁殖力が強く、葉が20㎝ほどにもなった。脇から小さい葉も出てきていたので、この分だと花が見られるなと、期待していた。

 

今年はなぜか岩たばこに縁がある。この春採ってきた滝の沢道。それから三光鳥の鳴き声に出会った沢。そして意外にも時おりウォーキングに行く林道わきの小さな滝を登ったところにも見出した。

いずれも日当たりのない、つめたいマイナスイオンが充満した場所で、沢の湿り気がいつも葉を濡らしているような岩壁であった。葉は壁からタラっと2枚ほどを垂らしていて、根は細く岩肌を這っている。何を好んでこうした場所に適合したのか、知る由もない。

いずれにせよ、コロナ自粛で近場を歩くことが増えたおかげで、こうした機会にも恵まれたことを、まあ喜びとしないといけないということか。

 

むかし友人らと山の湯に行った帰り道、すれ違いもできないような細い道を降ってくると、湿った岩壁にたくさん花が咲いていたのを見つけた。岩たばこという花を知ったのは、このときだった。そこにはまだ咲いているのだろうか。場所は明瞭に覚えている。

 

さて、花の後は種ができるのかどうか、気をつけて見ていよう。