キブシやダンコウバイなど春の山花

いつ知らず待つ花となる木五倍子(キブシ)かな

 

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 (キブシ)

 

今年は桜が記録的に早い。ソメイヨシノだけでなく、山桜も早かった。2,3か所に見に行ったが、気のせいか今年は桜が特に美しいきがする。

山里などに、入りこむと人知れずいい桜が咲いていることがある。そんな時は、ずいぶんと得をしたような気持になって、独占的な気分でしばらく花を愛でる。愛でるというより、花と一緒に居る、一緒に時を過ごすという気分と言ったほうがいい。耳の奥がぼーんとしてくるような間延びした時間が来る。サクラの放つ微かな匂いが、辺りに漂っているのが見えてくる。小さい虫の羽音が聞こえてくる。・・・西行の「花のもとにて春死なん」も、ああ、分かるような気もするなあ、などとぼんやりと考える。

 

さて、サクラではなく、黄色い花も結構いい。

懐かしいような何となく古里気分というか、気兼ねしない感じなのが、木五倍子(キブシ)だ。

春の早いころから子供のつくったモービルのような、ちょっと下手な飾り物のような花房を垂らす。雌雄があるらしいが余りこだわってみたことはない。そしてこの難しい漢字がまた楽しい。林道の上から垂れ下がっているのを見つけると、ふっと心が和んでくる。

 

 

ヤマザクラを見ようと林道を進むと、沢の縁にダンコウバイが咲いていた。灌木だが一面に花をつけている。派手で目を奪うのだが、しんとした森の中では、特に奇異には思えない。

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(ダンコウバイ)

他にもサンシュユミツマタなど、新芽がふつふつと芽吹き始めた林の中に、黄色く咲いているのを見つける。

ああ良いねえ、蜜蜂も花を見つけると、こうした嬉しい気持ちになるのかな?