晩冬に山歩きしていて沢の日影から採取してきた、変哲もない草。冬だが葉がしっかり付いていた。
何かランの一種だろうと思い、ジガバチソウとかスズムソウのような奇天烈な花を期待して待っていた。最近やっと花をつけ、結果は「コクラン」という地味なものだった。
色は地味だけれど、じっと見てやればなかなか面白い形をしている。クモキリソウなどと基本的な形態は似通っている。横に突き出しているのが、花弁やガクだという。真ん中に小さい舌のようなのは唇弁という。ちょっと上に突き出しているのは雄しべと雌しべがくっついたもの。
形がやや大人しく色もが地味なのが人気が出ない理由だろう。不人気のおかげであまり採られず、山には多いという。
しかし、これがあまり陽の射さない林の中で、じっと花を咲かせているのを想像すると、その健気さというか命の営為の慎ましさに、何か同情させられる。我が家の庭で繁殖していけるかどうか不明だが、生命力は強そうなので様子を見てみることとする。
快楽か苦痛か遊びかねじり花
一方、こちらも列記としたラン。ネジバナである。
堤防では、強い芝に紛れて、例年いまごろ花を立ててくる。これだけを鉢植えにしていると、どうも自然にあるようにはすっくと綺麗に立ってこない。他の雑草、芝などと混じっているほうが、環境がいいのだろうか?
いや、ただ単に手入れが不足しているだけかもしれないが・・・。