ロウバイ(ロウバイ科:New野の花365日)

実生で育てたロウバイがこの冬やっと花をつけた。
何年目だろうか、5年はたっているはずだ。まだ花は5,6ケなので芬芬と香るというわけにはいかない。私は雪国育ちなので、初めて見たとき、正月にこんな花が咲いているなんて信じられなかった。
さて、ロウバイは梅とは全く別種であり、中国から朝鮮を経て17世紀初めに渡来している。どういうわけか、日本人は梅や桜や椿のように、あまりこの花を愛でることがなかったようだ。樹木の本を見ても古典文学をみてもあまり記述がみあたらない。
本物の梅は、中国の文化・文学とともに先進的なお洒落なものとして文化人が取り込んだ。ロウバイにはそうした背景がなかったのかもしれない。花って文化を伴っているものなのだ。早春の梅の香を山野に求め「探梅」した風流な国民にとって、この香りはいささか強すぎたのだろうか。
       
思うこと封じずロウバイ咲きこぼる
          
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