といった詩人がいた。
けれど四月はいい季節だ。
ツバメとスズメの囀り合戦で目が覚める。
ライラックは明けはじめた青空に花穂を伸ばして、柿は葉の黄色い緑、もみじは燃える赤。モッコウバラは満開、地表はコバノタツナミソウの水色、十二単の濃紺の波。あらゆるものが先を争って、芽生え、伸び上がり、咲き始めている。蝶も来る、毛虫は這う、バッタは葉を食べる。
競争も淘汰もある、殺戮もある、犠牲もある。けれど木の葉の一枚一枚、虫の一匹一匹が、亡くなった生き物の体の元素を再構成して誕生し輝いている。この輝きが不思議な命の原罪そのものの輝きだ。
THE year 's at the spring
・・・・・・・
God 's in His heaven
All 's right with the world
といった詩人もいた。
ここで私の俳句をだすと笑われそうだが・・・
臆面もなく。(今日は僧侶の説教のようになってしまった。)
命みな恕(ゆる)されてあり春深し