寝ても芍薬(キンポウゲ科:New野の花365日)

我家の庭には野の花が多いのだが、唯一華やかなものがシャクヤクである。
日本芍薬という名前だから地味なほうなのだろうが、それでも華やかさは辺りをまぶしくてらし、いかにも初夏の明るさをもたらしてくれる。
古歌ではカオヨグサともいわれ、これは顔美草で、花が美麗だからそう呼ばれた、と牧野富太郎博士は書いている。確かに美しい女性を想起させる。
花は、少し開き加減のときがいい。余り開きすぎると趣が失われる。
花たちは夜になると花びらを幾分閉じて眠るのだが、それがなぜか艶っぽい。早朝、まだ目覚めぬその姿を見ていたら、王朝物語の女性たちを思い浮かべてしまった。
暫くはこの美女とお付合いである。

寝みだれたまま紅しゃくやく蕊(しべ)隠し
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ちなみに昼間はこんな風情
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