ウツギにくだくだしく(ユキノシタ科:New野の花365日)

卯月は4月だが、当地では卯の花は5月になって咲く。
季節もこのころになると、人はそろそろ花に大騒ぎをしなくなる。次々に咲く花に倦んでもこようというものだ。
卯の花について、折口信夫の「花の話」を読んでいると、卯の花の u と卯月の utu とは同じもので、 utu は打つであり、「地べたのものを追ひ払ふ為に、たゝくものだと考へて居る。土を敲くのは、土の精霊を呼び醒す事であり、土地の精霊を追ひ払ふ事とも考へて居た。」と解釈し、農事との深い関係があるとしている。
まあ、昔は自然と密着した生活だったので、民俗学者の目で見れば花も木もすべて農事や神事になんらかの関連はあったのだろう。
山本健吉の「ことばの歳時記」の、卯の花腐し(うのはなくたし)の条を読んでいたら、この折口氏の文がほとんどそのまま使われていた。しかし引用ともなんとも断っていないので、首を傾げてしまった。活剥生呑?

庭のセイヨウバイカウツギがそろそろ満開になる。微かに香る。

春の蝶花の誘いにやすやすと

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