艶美な毒キノコ

毒あればこそきのこ気ままに艶やかに
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千曲川源流へたどる森でみかけた、多分、ベニテングダケ
余りに大きくて立派なので、思わず見取れてカメラを出した。大きさ比較のため腕時計を置いたが、丈はゆうに15cmをこす。
 
このルートは、花が少なく、また野鳥の声も聞こえない。時期的なものかどうかは判らないが、そういう面では単調である。しかし、キノコ類は多そうに見受けられた。

毒キノコについては余り感心がないのだが、どうやら致死的な毒を持つものは少ないのか、殺人事件などは歴史的にも少ないようだ。
遠い昔、ローマの皇帝クラウディウスをアグリッピナが毒殺し、息子のネロに皇位を継がせた事件は、毒キノコを使った例らしい。
渋沢龍彦が「血みどろのロオマ宮廷」でタキツスの「年代記」を引いているがそれによれば、アグリッピナは毒薬使いロクスタの手引きで、皇帝にキノコ料理を作って進上した。皇帝が毒に当たってむかむかしてきたときに、医者でありアグリッピナの情夫であるクセノフォンが駆けつけて、吐かせてやるという口実で、皇帝の喉の奥に速効性の毒を滲ませた鳥の羽根を突っ込んだのである。ネロは即位の日に次の言葉を吐く。
「キノコは神々の供御である」。

これからみても、キノコの毒は致死的ではないことが知れる。
いつもの癖で余計なことを書いたが、次の写真も毒々しいが、毒キノコかどうか私にはまったく判らない。
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