霧多布湿原でカヌー遊び

湿原に鶴を飛ばせてカヌー漕ぐ
 
イメージ 1

霧多布湿原を流れる琵琶瀬川をカヌーで下った。コースは約2キロ1時間程度である。1艘に2,3人が乗って、パドルは1人1本。ゆっくりと息を合わせて漕いでいく。
天気は快晴、風も心地よい。空の青が水の深い藍に溶け込むようだ。
甚大な被害を及ぼした台風も、この地は免れて幾分水量が増しているだけという幸運なタイミングだった。
 
少しはなれた水辺に丹頂鶴が数羽ずつ餌をあさっているのが見える。のどか、そのもの。なんにも考えない。
 
イメージ 2

霧多布湿原は北海道で3つの指に入る規模だという。なんといっても名前がよい。もともとはアイヌ語でキイタップ。平坦な土地、ヨシ・アシの多いところという意味だと言う。霧が多いのでこんな漢字を当てたらしいが即妙だ。
案内のおじさんは、湿原の脇にペンション「ポーチ」を営み、早くから湿原の保護保全に取り組んでこられた方で、ナショナルトラストの副理事長を務めておられる。「子どものころ、湿原はゴミ捨て場だった、それを当たり前に思っていた」と話される。
琵琶瀬川の左岸の区域は、今は上陸いっさい禁止。動植物の宝庫で、丹頂はもちろんのことクマやシカも見られるらしい。
開発利用の試みも当然あったのだろうが、採算性の難しさが、逆に豊かさを遺したとも言えそうだ。しかしトラストへの賛同者は全国にまたがるが地元の人はまだ少ないのだそうだ。