礼者は種子

風に舞う種子は礼者か物言わず

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締め切ってあったはずの部屋に、パラシュートをつけた種が二つ舞い込んでいる。どこから入ったのか首をかしげたのだが、翌日また一つ。まるで謎の白いひげの翁のようだ。これは縁起の良い「礼者」にちがいない、と勝手にプラス思考。

 

タンポポの種に似て少し大きいものなので、テイカカズラの種かと、見当をつけたがはっきりしない。鉢に土を入れて埋め込み、今後の発芽を見ることとした。

 

市の郊外に広がっている湿地が好きで、街中から転居して15年。当時はまだ自然のままの雰囲気だったが、今はもう公園や道路に開発されたり、遊水地として管理されて、私にとっては面白みが無くなってしまった。

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けれどアシやオギ、ススキ、ガマ、セイダカアワダチなどが冬を迎える時期、一斉に穂ワタを飛ばす。その様は雪の降らないこの地に、まるで吹雪が来るようなのだ。芝生にうっすら積もり、枯草にまとい、道路の縁石の脇にたまり、車のワイパーにもたまる。

都会の人は、こうした風情も邪魔者扱いするようだ。