ロウバイ馥郁と

ロウバイや花に包みし暖かさ

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ロウバイが、今頃ちょうど満開。

何十年前かになるが、静岡に転居した初めての正月、近くの神社を参拝したとき、強烈なそれまで知らない香りに鼻を打たれた。一体何だろうと探ると、真冬なのに黄色い花が咲き溢れていて、香りはそこから来ていた。これには驚いた。またその香りが、ちょっと石油臭いのも独特に感じたものだ。

忘れもしないアパート近くの愛宕神社参道でのことだった。

 

ロウバイは、後水尾天皇(1611~29年)の時代に中国から朝鮮を経て渡来したと諸本に書かれている。しかしその後あまり普及はしなかったのだろうか、芭蕉にも蕪村にも一茶にも、ロウバイを詠みこんだ句はない。(私がざっと調べた範囲でだが)

ついでざっと見、子規にもない。

 

シーボルトの長崎鳴滝塾の植物園にあったのかどうか、これもざっと見であるが、無さそうである。シーボルトが送ったオランダ、ライデン植物園にも、これもざっとであるが、名前は無さそうである。(石山禎一「シーボルト」里文出版をぱらぱらと)

中尾佐助さんの「花と木の文化史」(岩波新書)にも触れられていない。

 

あて推測するに、ロウバイは唐梅(カラウメ)とも言われたらしいが、本当の梅に対して似非物、2級品、B級品のイメージがあったのではないか?一部の好事家をのぞいて、本格的?な愛好家にはその派手さ、香りの強さ故敬遠されたのではないか。増えやすい木にも拘わらず、そうした印象が市井に普及しなかった原因なのかもしれない。そんな気がしてくる。が、本当のところは分からない。

みんなざっとで、当て推量で、新年からいい加減なブログである。