スイカズラを吸うと (スイカズラ科)

すいかずら夢より薄き甘さかな
 
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いま、堤防に川原にびっしりと咲いている。花は蝶の羽のように見える不思議な形をしている。
咲き始めは白い色だが徐々に黄色になっていくという。白黄色が混ざって咲いていて、中には少し薄紫っぽいものもあるので、遠目には3色あるようにも見える。
 
「そっちの下の方に行ってごらん。たくさん咲いてるから」
堤防で写真を撮っていると、通りがかりのおばさんに声をかけられ、いわれたとおりに行ってみると、確かに大きな群落があった。そこにはほんのりと香りが漂っていた。
 
スイカズラは、名前の通り蔓で這いまわり、他の灌木などに絡みついてなかなか繁殖力が強い。ある本では「世界各地を侵略したスイカズラ」と書いており、クズと並んでアメリカで猛威を振るっている様子が紹介されている(*1)。私の近くでは、それほどの広がりではなく、まあまあの節度を保っているように見えるのだが。
 
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スイカズラは、吸葛で吸うと甘いところから名がついた、とも言われている。
どれどれ試しに、と蝶の羽のような花をつまんで吸ってみると、微かに甘い。しかしそれが気のせいなのか、甘いと言われたから甘い気がするのか、それが分からないくらいの甘さなのであった。
 
*1 「緑の侵入者たち・・・帰化植物のはなし」淺井康宏 朝日新聞社