一人静が舞う(センリョウ科:New野の花365日)

我庭のヒトリシズカは、性格が慎重なのか芽生えが遅く、毎日今か今かと待っていたところ、2日ほど前やっと脹らんだ。と思ったら咲いてしまった。
咲く前の葉に包まれて白いものがみえる一瞬がいいんだ、という人もいるがこの歯ブラシもまたいい。
フタリシズカは、まだ地味な芽を伸ばしたばかり。花はもう少し先になる。
先日、能の「二人静」を見たばかりだが、これは、静御前の亡霊と憑かれた女が並んで舞う。フタリシズカは花茎をその二人になぞらえたものだ。
足元の草を見る眼の確かさと暖かさ、造化の妙に対する敬虔さと研ぎ澄まされた言葉感覚にいつも感服する。

ひとりしずかふたりしずかと春を舞う

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ヒトリシズカ