リンドウの濃い青(リンドウ科:New野の花365日)

藍空を煎じてかなし濃竜胆
 
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サリンドウ、というとまだテレビが出始めの頃、「ジャガーの目」という子どもらの人気番組にでてくるヒーローのマークだったような記憶がある。あまり定かではなく、間違っているかもしれない。が、私にとっては以来、ササリンドウはカッコいいマークだという刷り込みがされてしまった。
サリンドウは、ササとリンドウを組み合わせた家紋だと思っていたが、リンドウの葉が笹に似ていることから、リンドウの別名だと知ったのはだいぶ後になってからだった。
 
松田修著「万葉植物新稿」をしらべてみたが、リンドウは万葉集には出てこなかった。いかにも中国っぽい名であるが、事実中国名の竜胆を日本読みにしたもので、倭名鈔には、和名として「えやみぐさ(笑止草)」「にがな(苦菜)」とあるという。リンドウは苦い薬草だから、万葉のころはそんな名で呼ばれていたのだろうか。
 源氏や枕草子にはリンドウとあるそうだ。才気あふれる女性たちが格好よく漢名で呼んだのが名前の定着につながったのかもしれない。

庭のリンドウ2株は、いずれも木々が落葉するこの頃やっと花をつけた。曇っていると開かない、夕方日が陰るとそそくさと花を閉じる。一体どういう成分をどう調合してこのような色を作り出すのだろうか、不思議。