凧揚げ・・・イカ揚げ?

天空に風はあるらし凧(いかのぼり)
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遠州横須賀を走っていたら、田んぼに大勢が繰り出して凧揚げに興じていた。
陽気もいいし、空は抜けるように青く、「風は手頃」、なのだそうだ。青空を見上げていると、のどかな気分になり、現実の憂さを忘れてしまいそうだ。
見えないほど高く揚っている凧は、何だか、神(雷神)の世界に触れているような、ある種厳かな精神性すら感じさせる。

ここ横須賀は伝統的な凧が有名な地で、見ていると、巴だこ、蝉だこやお隣の袋井の丸だこなどが揚っている。アッカンベ!の顔をした「べっかこう」などユニーク斬新なデザインもあり絶えない人気を保っているようだ。(下の写真は 巴だこ)
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凧揚げをしているのは、みんな大の大人。どうやら凧揚げのクラブがあちこちから集まっているらしく、そろいの法被を着込んで意気込んでいるチームもみられた。江戸時代には、町民の間でも凧揚げがブームで豪奢にもなり幕府が制限を変えたこともあったとか。今の感覚で言えば、ラジコンやドローンという感じなのだろうか。
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小さい蝉だこを手にしたおっさん

雷神といえば、フランクリンは凧を揚げ、糸を伝ってくるものが電気であり、即ち雷は電気だということを、自分で確かめた。1752年のことで、いわば雷様を捕まえたということになる。
雷神は日本では「鬼」の容貌である。落ちてしまって天に帰れない雷神なども、民話にでてくる。西洋では雷神は、どうやらゼウスやジュピターがこれに相当する神のようで、雷様を捕まえる、というような自然現象を擬人化した捉え方は、あるのだろうか?

句は、凧を「いかのぼり」とよませている。もっぱら関西方面での古語のようである。何故タコをイカというのか、諸説あるらしい。
いかのぼりきのふの空の有りどころ (蕪村)